2011年ニューヨーク映画批評家協会賞 受賞発表

2011年度ニューヨーク映画批評家協会賞の受賞結果の発表がありました。ニューヨーク映画批評家協会賞は、例年12月半ばあたりに受賞結果を発表していましたが、今年は何か思惑があってのことなのか各地の批評家協会の先陣を切るような格好で11月末という早い時期に発表スケジュールを組んできました。
● ニューヨーク映画批評家協会賞の昨年度の受賞結果は こんな感じ です。

劇場公開が12月末になっている賞レースでの有望作『戦火の馬』『ドラゴン・タトゥーの女』は先週末に急遽試写会を開催。ニューヨーク映画批評家協会のメンバーが投票をする前に見ることが出来なかった有望作は、最終編集中だった『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のみ、ということです。 
(『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』も編集が終了し、近々試写会が行われる模様。)

【参照記事】 The Wrap
New York Film Critics Choose 'The Artist'


● ニューヨーク映画批評家協会 公式サイト → The New York Film Critics Circle

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2011年ニューヨーク映画批評家協会賞 受賞発表
(The New York Film Critics Circle Awards)
(本年度、アニメーション映画賞は発表されませんでした。)

作品賞 Best Picture
アーティスト The Artist 


監督賞 Best Director
ミシェル・アザナヴィシウス Michel Hazanavicius
作品:アーティスト The Artist


脚本賞 Best Screenplay
スティーヴン・ザイリアン、アーロン・ソーキン Steven Zaillian, Aaron Sorkin
作品:マネーボール Moneyball


主演男優賞 Best Actor
ブラッド・ピット Brad Pitt
作品:マネーボール Moneyball
    ツリー・オブ・ライフ The Tree of Life


主演女優賞 Best Actress
メリル・ストリープ Meryl Streep
作品:マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙  The Iron Lady


助演男優賞 Best Supporting Actor
アルバート・ブルックス Albert Brooks
作品:ドライヴ Drive


助演女優賞 Best Supporting Actress
ジェシカ・チャステイン Jessica Chastain
作品:ツリー・オブ・ライフ The Tree of Life
    テイク・シェルター Take Shelter
    ヘルプ 心がつなぐストーリー The Help


撮影賞 Best Cinematographer
エマニュエル・ルベツキ Emmanuel Lubezki
作品:ツリー・オブ・ライフ The Tree of Life


ノンフィクション映画賞 Best Non-fiction Film (Documentary)
世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶 Cave of Forgotten Dreams
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク Werner Herzog
※ 日本での劇場公開は2012年03月03日より(予定)。 配給はスターサンズ。


外国語映画賞 Best Foreign Film
別離 A Separation (Nader and Simin, A Separation)
(原題:Jodái-e Náder az Simin)
監督:アスガー・ファルハディ Asghar Farhadi


第一回作品賞 Best First Film
マージン・コール Margin Call
監督:J・C・チャンダー (J・C ・チャンドール) J.C. Chandor


特別賞 Special Award (posthumous)
ラウル・ルイス Raoul Ruiz


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【追記】(2011/11/30 PM09:00)

今年のニューヨーク映画批評家協会賞はかなりノーマルというかフツーな結果が出ました。ここの批評家協会賞は年によっては捻りの効いた結果になったり今年のようにフツーな結果だったりと意外と傾向が掴みにくい批評家協会です。都市部の大手批評家協会なので注目度は高いのですが、マスコミで言われているほどニューヨーク映画批評家協会の出した結果が単独で賞レースに直接的な影響力を持つということは無い、と思います。先に述べたように、時として大方の傾向と異なる受賞結果も出ますので。批評家協会賞というのはどこかひとつの批評家協会が出した結果が重大な影響を及ぼすというものではなく、各地の批評家協会が出してきた結果全体によりひとつの流れが出来上がる、そういうものだと思います。

上では「何か思惑があってのことなのか」と書きましたが、本当のところ、彼らの思惑は受賞結果発表のスケジュール変更が公表された時点ではっきりしていました。ニューヨーク映画批評家協会は自分たちが出す結果に業界内での影響力をもっと持たせたいとして、他の批評家協会が結果を出す前の注目度の高いこの時期に発表を繰り上げてきたのです。発表時期が12月中旬では他の批評家協会の中にまぎれてしまいます。実際、今年は発表時期を変更したことで注目度は高まり、例年よりも話題性が確保出来ています。「俺たちは他とはちょっと違うのだぞ」というスノッブな結果を出す一方で影響力の低下を懸念して策を講じてくるという自己顕示欲の強い(笑)批評家協会です。

それからちょっと不思議なのは、俳優賞において受賞俳優の演技が評価された作品が複数挙げられていることですね。ブラッド・ピットは2作品、ジェシカ・チャステインは3作品。この批評家協会ではいつもこういう合算方式を採っているのか?そこは不明です。『マネーボール』と『ツリー・オブ・ライフ』へ投票された票をそれぞれ別々にして集計すればどうなっていたか?票割れしてブラッド・ピットはどちらの作品でも首位は確保できず、別の俳優が受賞していたのではないの?という疑問が付きまとう、そういう結果です。



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