2012アカデミー賞外国語映画賞:イタリアからの出品作が決定(『塀の中のジュリアス・シーザー』)

イタリア代表作は2012年ベルリン国際映画祭金熊賞受賞のパオロ・タヴィアーニ監督&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督の『塀の中のジュリアス・シーザー』に決まりました。

本作はイタリア版アカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でも8部門ノミネート、作品賞や監督賞を含む5部門を受賞しています。2012年ヨーロッパ映画賞の作品賞候補47作品の中にも入っています。



イタリア国内の最終選考に残っていたとされる作品たちの受賞歴を見ても代表作選定の激戦は想像にかたくありません。2008年度に『ゴモラ』で同国代表作となり有力作として注目されていたにもかかわらず一次審査の段階で落選し物議を醸したマッテオ・ガローネ監督のリベンジが期待された『リアリティー』も国内選考で落選。



イタリア代表作は過去10回同部門を受賞しています(名誉賞時代は除く)。ノミネートも数知れず。しかし、1999年度以降はノミネートが1回・「最終選考に残った9作品」入りが1回と、かつての栄光からすると寂しい状況となっています。



イタリアからの出品作
塀の中のジュリアス・シーザー
(堀の中のジュリアス・シーザー』→『鏡の中のジュリアス・シーザー』→結局『塀の中のジュリアス・シーザー』のようです。)
英題|Caesar Must Die
原題|Cesare deve morire
監督|パオロ・タヴィアーニ Paolo Taviani
   ヴィットリオ・タヴィアーニ Vittorio Taviani


IMDb|Cesare deve morire
http://www.imdb.com/title/tt2177511/


(シネマトゥデイの作品紹介より)【ストーリー】シェイクスピア劇「ジュリアス・シーザー」が幕を閉じ、演者は万雷の拍手に包まれる。そして受刑者である演者は、重警備刑務所レビッビアの官房へと戻っていく。ある者は「芸術に接したことで、本当の監獄を知った」と嘆く。/イタリアの映画監督・脚本家ユニットであるタヴィアーニ兄弟は、翻案作品では文豪トルストイ作品が最も多く、本作ではシェイクスピア作の悲劇を取り入れた。リハーサルに半年を費やし、役者がキャラクターを理解するためにシェイクスピアの語彙がいかに有用か、そして友情と裏切りの相互作用などを実証しようとしたドキュメンタリー作品。『父/パードレ・パドローネ』でカンヌ映画祭のパルムドール賞を、そして『サン★ロレンツォの夜』で同映画祭審査員特別グランプリを受賞している。鋭い着眼点がもたらす、古典演劇と現代の比較がどんな影響を与えるのか。


映画.comより 実際の刑務所を舞台に、囚人たちを起用して撮影されたフィクションだ。シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」を囚人たちが演じるという大胆なアイデアで、彼らのライバル意識が現場にもたらすサスペンス。暴君のもとで自由を求めるキャラクターたちと、彼ら自身の境遇の共通性など、随所にフィクションと現実がオーバーラップし、金熊賞に相応しい見応えのある作品である。 




Caesar Must Die (Cesare deve morire) - Trailer(英語字幕付き)





映画『塀の中のジュリアス・シーザー』 日本版予告編


(2012/11/22 記)洋画の場合日本版トレーラーは海外のものと比べると劣化していいるケースが多いのですが、これは日本版トレーラーのほうが内容が分かりやすくていいですね。


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イタリアは、最終選考に残った10作品のショートリストを発表していました。
最終選考に残っていた作品は以下のとおり。


  ・ The Big Heart of the Girls (2011年) 原題:Il cuore grande delle ragazze  
    プピ・アヴァティ監督 Pupi Avati


  ・ 塀の中のジュリアス・シーザー
    Caesar Must Die  原題:Cesare deve morire
    監督:パオロ・タヴィアーニ監督&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督
    ※ 2012年ベルリン国際映画祭 金熊賞受賞


  ・ 闇に葬られた狂気(←2012年大阪ヨーロッパ映画祭での邦題)
    Diaz - Don't Clean Up This Blood
    ダニエレ・ヴィカリ(ダニエーレ・ヴィカリ)監督
    ※ 2012年ベルリン国際映画祭 パノラマ部門観客賞(フィクション映画)第2位受賞


  ・ 眠れる美女
    Dormant Beauty 原題:Bella addormentata
    マルコ・ベロッキオ監督
    ※ 2012年ベネチア国際映画祭 マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)、Brian Award受賞


  ・ それは息子だった(←2013年イタリア映画祭での邦題)
    It Was the Son(The Son Did It) 原題:E' stato il figlio
    ダニエーレ・チプリ監督
    ※ 2012年ベネチア国際映画祭 金オゼッラ賞(撮影賞)、
      マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)受賞


  ・ 天国は満席(←2013年イタリア映画祭での邦題)
    A Flat for Three 原題:Posti in piedi in paradiso
    カルロ・ヴェルドーネ監督 Carlo Verdone


  ・ 幸せのバランス 父の居場所 
    別邦題:綱渡り(←2013年イタリア映画祭での邦題)
    英題:Balancing Act  原題:Gli equilibristi
    イヴァーノ・デ・マッテオ監督 Ivano De Matteo


  ・ Là-bas(2011年) 原題:Là-bas: A Criminal Education
    グイド・ロンバルディ監督 Guido Lombardi
    ※ 2011年ベネチア国際映画祭 ルイジ・デ・ラウレンティス賞(新人監督賞)受賞


  ・ 素晴らしき存在(←2013年イタリア映画祭での邦題)
    Magnificent Presence 原題:Magnifica Presenza
    フェルザン・オズペテク監督 Ferzan Ozpetek


  ・ リアリティー
    Reality
    マッテオ・ガローネ監督
    ※ 2012年カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ受賞




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