2013年(第66回)ロカルノ国際映画祭 受賞結果発表

2013年(第66回)ロカルノ国際映画祭の受賞結果が発表されました。


● 公式サイト内 発表 (2013/08/17付け)
 Palmarès Festival del film Locarno 2013



【参考】 時事通信社  2013/08/18付け記事
日本作品、主要賞逃す=ロカルノ映画祭

スイス南部ロカルノで開かれていた第66回ロカルノ国際映画祭は17日、最優秀賞「金豹(ひょう)賞」にスペイン出身のアルベルト・セラ監督が手掛けた「ストーリー・オブ・マイ・デス」を選び閉幕した。日本から出品された黒沢清監督の「リアル~完全なる首長竜の日~」、青山真治監督の「共喰い」はいずれも公式な主要賞を逃した。主要賞とは別に設けられたジュニア審査員賞の監督賞1位に「共喰い」が選ばれた。




2013年(第66回)ロカルノ国際映画祭は2013年08月07日から08月17日まで でした。



● ロカルノ国際映画祭 公式サイト(トップページ)  Festival del film Locarno


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆◆2013年(第66回)ロカルノ国際映画祭|審査員◆◆

【インターナショナル・コンペティション部門】 The Jury of the Concorso internazionale

審査員長 
ラヴ・ディアズ Lav Diaz
(フィリピンの映画監督)


審査員
マティアス・ブルンナー Matthias Brunner
(スイスの Cinema Expert 〔映画専門家?〕)

フアン・デ・ディオス・ラライン Juan de Dios Larraín
(チリのプロデューサー)

ヴァレリー・ドンゼッリ Valérie Donzelli
(フランスの映画監督 / 女優)

ヨルゴス・ラモンティス Yorgos Lanthimos
(ギリシャの映画監督 / プロデューサー)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2013年(第66回)ロカルノ国際映画祭 インターナショナル・コンペティション部門 受賞結果
(Locarno International Film Festival / Festival internazionale del film di Locarno)Concorso internazionale

他の部門の受賞結果は 公式サイトの発表 をご覧ください。


金豹賞 Pardo d'oro(Golden Leopard)

Story Of My Death
原題:Historia De La Meva Mort
監督  アルベルト・セラ Albert Serra
製作国 スペイン / フランス




審査員特別賞 Premio speciale della giuria(Special Jury Prize)

What Now? Remind Me
原題:E Agora? Lembra-Me  
監督  ホアキン・ピント(ジョアキン・ピント) Joaquim Pinto
製作国 ポルトガル




監督賞 Pardo per la migliore regia(Best Director)

ホン・サンス(洪尚秀) Sangsoo Hong
  作品:ソニはご機嫌ななめ
  英題:Our Sunhi
  原題:U Ri Sunhi(Uli Sunhi)
  製作国 韓国




女優賞 Pardo per la miglior interpretazione femminile(Best Actress)

ブリー・ラーソン Brie Larson
  作品:ショート・ターム
  英題:Short Term 12
  監督  デスティン・クレットン Destin Cretton  
  製作国 アメリカ



男優賞 Pardo per la miglior interpretazione maschile(Best Actor)

Fernando Bacilio
  作品(原題):El Mudo
  監督  ダニエル・ベガ Daniel Vega
      ディエゴ・ベガ Diego Vega  
  製作国 ペルー / フランス / メキシコ




スペシャル・メンション Special mention

● ショート・ターム
 英題:Short Term 12
 監督  デスティン・クレットン Destin Cretton
 製作国 アメリカ 


● Black Board
 原題:Tableau Noir
 監督  イヴ・イェルサン Yves Yersin
 製作国 スイス


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

なお、ロカルノ国際映画祭の併設賞(Giurie indipendenti)のうちの一つ、青年審査員賞(Premio Giuria dei giovani〔=Youth Jury Award〕)の監督賞:第一席(Primo Premio miglior regista〔=First Prize for Best Director〕)を青山真治監督作『共喰い』が受賞しています。

ちなみに、青年審査員賞:監督賞の第二席は『Short Term 12』、青年審査員賞:監督賞の第三席は『(英題)What Now? Remind Me / (原題)E Agora? Lembra-Me』、青年審査員賞:作品賞は"現代の映画製作者部門"へエントリーされていた『マルタのことづけ / (英題)The Amazing Cat Fish / (原題)Los insólitos peces gato』でした。



また、青山真治監督は地元スイスの批評家が与えるボッカリーノ賞(Boccalino Award)も受賞したそうです。(ボッカリーノ賞最優秀監督賞、受賞だそうですよ)  写真は こちら に。

※ 青山監督が受賞した賞はいずれもロカルノ映画祭のオフィシャルの賞ではなく、今映画祭に伴って併設されている賞のものです。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

"ロカルノで二冠"と大騒ぎしている人たちは園子温監督の『ヒミズ』が2011年ベネチア国際映画祭でオフィシャルの賞を含め併設賞で(2賞どころか)もっと沢山の賞を受賞したときにも今以上に大騒ぎをしたんでしょうかね。ベネチア国際映画祭はロカルノ国際映画祭よりはるかに規模も大きく注目度も高い映画祭ですが。映画『共喰い』関係者と青山監督を贔屓にする人たちによる賞賛は相当量割り引いて捉えるのが吉、というのが個人的な意見です。 

そもそも併設賞のうちでもそう重要視されていない賞を2つ獲って「〇〇国際映画祭で二冠」とか言わないよなあ。映画賞受賞は宣伝に使うもの。でもロカルノの併設賞受賞では宣伝効果は低いので、受賞した賞をさも重大な賞であるかのように自ら過大評価をしてみせているわけですが(もうすぐ日本での劇場公開が始まるもんだから盛り上げたいのでしょうけど)、傍からみれば虚しさ満点ですわ。何をもってして重要な賞・重い賞と言うかは人それぞれでしょうが、併設賞を重賞賞であると言うのであればオフィシャルの賞も同じように重要な賞であるはずです。片方では「賞というものは所詮少数の審査員が決めるものであるから……」などと言っておきながら、賞を受賞した途端「やった、やった。すごい」とはしゃいでみせる。受賞した併設賞二賞だって"所詮は限られた審査員が決めたもの"でしょう?受賞出来ずで終わったときの予防線張るのはお止しなさいよ。少人数の審査員団が受賞を決定するというルールを承知で他作品との受賞を競うコンペティション(=競争)に参加しておいて「賞というものは所詮少数の審査員が決めるものであるから……」なんていう言い草はないよ。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


nikkansports.com 2013年08月18日付け記事
「共喰い」ロカルノ映画祭で2冠

「YOUTH-」は若い審査員たちが選ぶ賞で、「ボッカリーノ賞-」はスイス国内の批評家たちが選ぶもの。上演後の出口では、青山監督と主演の菅田将暉(20)に、自分の感想を告げたい人の行列ができたという。


映画祭に来た観客のこういう行動はなにも今回に限ったことではない、他の映画祭に参加した監督や俳優でもそういう話はニュースとなってみなさんも見聞きしたことはあるでしょう。

該当映画の関係者から提供された情報によって書かれたこういう提灯記事を鵜呑みにするかどうかは個人個人の判断でどうぞ、ということです。


(追記)映画祭での公式上映時に観客が大量に途中退席した作品が最高賞である金豹賞を獲ったとしても受賞作を決めるのは観客ではなく審査員団であり少人数から成る審査員団の好みがこの公式上映を見に来た観客のそれと異なるのは当然だし、現地で鑑賞した映画批評家が出した評価が基になる"下馬評"と異なるのもあり得ること。「観客が大量に途中退席した作品に最高賞を与えた今回の審査員団が出した結果(=オフィシャルの賞の受賞結果)など価値が無い、むしろ併設賞にこそ価値がある」的なニュアンスで語り身内作品を持ち上げようとする言い分には呆れもするし何より白けます。

ご贔屓筋による過剰賞賛など結果として"贔屓の引き倒し"にしかならないのに。



タグ:映画祭 邦画

共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。