2014年度(第87回)アカデミー賞外国語映画賞|日本からの出品作が決定(『そこのみにて光輝く』)

日本代表作は2014年モントリオール世界映画祭監督賞を受賞した呉美保監督作『そこのみにて光輝く』に決まりました。


日本代表作選考に対して何作品の出品申請があったか / どの作品が日本代表作選考に対して申請をあげてきたのか / 選考したのは誰なのか 等の詳細は公式には一切発表されません。代表作として決まった作品の名のみが発表されます。


昨年(=2013年度)、アカデミー賞外国語映画賞へは76ヶ国から出品されました。(一ヶ国につき1作品のみ出品可能。) その中から5作品がノミネートされます。



【参照】 一般社団法人 日本映画製作者連盟 2014年9月4日付け
第87回米国アカデミー賞 外国語映画賞のお知らせ



日本からの出品作
そこのみにて光輝く
英題|The Light Shines Only There
監督|呉美保(お・みぽ) Mipo Oh
配給|東京テアトル
   函館シネマアイリス(北海道地区)


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【参考】シネマトゥデイ 2014年9月4日付け
綾野剛『そこのみにて光輝く』アカデミー賞ノミネート候補に!

「アカデミー賞ノミネート候補」こう書くと、もうすぐにでもノミネートされそうな、ノミネート確実みたいな雰囲気すらある(笑)。そりゃあこういう表現で間違っちゃいないけれど普通は「アカデミー賞外国語映画賞日本代表作に選出」ですよね。

(アカデミー賞外国語映画賞日本代表作に選ばれたからってそれがすなわち”本年度日本映画ベスト・ムービー”認定された、ってわけでもないでしょ。)

(仮にそうだとして、昨年はその ”本年度日本映画ベスト・ムービー” なるものを出品して落選したわけだし、2011年度も2012年度も国際映画祭で何らかの賞を受賞しその年のキネマ旬報日本映画ベスト・テン1位になった作品でも日本代表作として出品して木端微塵に砕け散っているわけだし。)

(キネマ旬報日本映画ベスト・テン1位になることを目指しているのならば今回の事は良い兆候なのかもしれないけど。)


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アカデミー賞外国語映画賞


まず、アメリカの映画芸術科学アカデミーから各国へ外国語映画賞部門への出品要請が行われます。アカデミー賞外国語映画賞のコンペティションに参加する意志のある国は、それぞれの国の代表作品(1作品)を選出し、出品します。その際には映画芸術科学アカデミーにより決められた外国語映画賞部門の出品規定をクリアしていることが前提です。(出品後、映画芸術科学アカデミーにより出品規定が守られているかどうかが審査され、規定をクリアできていない作品は受理されません。)


なお日本代表作選考ですが、同部門へ出品する意思が有る作品が日本映画製作者連盟の"アカデミー賞外国語映画賞部門への出品募集"に対して応募します。そのうえで、定められている出品規定に反していないかどうかを含め選考されます。応募しなければ選ばれませんし、出品規定に則していない作品もはじかれます。


各国共通の出品条件として、出品国にて前年の10月から該当年の9月末までに一週間以上劇場公開されたことが定められています。(国内での劇場初公開が条件。劇場公開より先にTV放映されたものはダメ。) ほかにも、使用言語の割合(出品国で使われている言語と他国の言語との割合) / 監督が出品国の人間であるかどうか / (他国との共同製作の場合)出品国の出資比率などの規定もあるようです。


参加国は年々増え、例年、60か国以上の国から出品されます。ここ2年は70か国以上となり、ついに2014年度は80か国を超えました。各国からの出品の締め切りは10月01日。各国代表作のフルリストが映画芸術科学アカデミーから正式発表されるのは例年10月上旬(10月8日前後)です。



そのあとは、まず第一段階として「外国語映画賞部門の最終選考に進む9作品」が選ばれます。(2013年度は2013年12月19日に発表されました。) この9作品の中からノミネート作5作品が選ばれます。


アカデミー賞外国語映画賞部門のノミネート5作品に入った作品の関係者がアカデミー賞授賞式に招待されます。(外国語映画賞部門のノミネート5作品に入らなければ授賞式には行けません。) 本年度(2014年度)ノミネーション発表は2015年01月15日(木)の予定です。


そして授賞式にて受賞作(1作品)が発表・表彰されます。本年度(2014年度)の授賞式は、(現地日付で)2015年2月22日(日)の予定です。



外国語映画賞部門受賞作決定までの流れ
各国からの出品の締め切り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2014年10月01日

各国からの出品作全リスト発表・・・・・・・・・・・・・・・・・・2014年10月上旬予定

「外国語映画賞部門の最終選考に進む9作品」の発表・・・2014年12月半ば~翌年1月初頭の時期

アカデミー賞各部門へのノミネーション発表・・・・・・・・・・・・2015年01月15日予定

アカデミー賞授賞式 (受賞作発表)・・・・・・・・・・・・・・・・2015年02月22日予定


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(2014/12/01 追記)


綾野剛・主演作『そこのみにて光輝く』をアカデミー賞に! 応援プロジェクトが始動

『そこのみにて光輝く』は日本の出品作として、この激戦を闘うことになる。本作を世界へ届けるべく、今回の応援プロジェクトのために、“オスカーキャンペーン事務局”も設立したようで、国内から盛り上げていきたいという強い想いがあるようだ。さらに現在、現地では投票者である匿名のアカデミー会員に向けて、毎日のように各国の作品の試写会が開催されており、本作も現地の状況を把握するためのリサーチ、現地での追加試写会の開催、作品の魅力についての広報活動を行っていく予定だそうで、その資金調達のために今回のクラウドファンディングに至ったよう。


このクラウドファンディング企画は「最近始まったプロジェクト」欄に記載されているので、ごく最近開始されたんでしょう。今から資金集めして売り込みってのは、いかにも遅い。

今作の場合「運よく9作品のショートリスト入り出来ればいいけどね……(でも……)」という位置なので、いずれにしても厳しい戦いになると思います。

ここ数年、各国の代表作はハイレベルで均一化してきている(映画先進国・映画後進国の差が無くなっている。むしろ逆転してきているくらい。各国代表作の予告編を見るだけでもはっきり判る。)ので「日本代表作がひょっとして選ばれるんじゃない?ワクワク」なんてことは(今年度に限らず)そうそう言えないと思うんですけども。

まずは「海外の映画祭に参加する時点でネットの動画サイトに載せる予告編には英語 or ローマ字表記の邦題と監督名の英語表記をもれなく記載する&予告動画には英語字幕を付ける」ってことですね。(日本映画はそれすら出来てないんだからオスカー・キャンペーンどころの話じゃないって気がします)




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