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2014年トロント国際映画祭 受賞結果発表

2014年(第39回)トロント国際映画祭の受賞結果が発表になりました。ベネディクト・カンバーバッチ主演作が観客賞を受賞しています。また、ドキュメンタリー作品の観客賞 次点の第二席には俳優イーサン・ホークの監督作が入っています。


【参照記事】
● The Hollywood Reporter 2014/09/14付け
Toronto: Winners Announced at Annual Awards Luncheon

● indiewire 2014/09/14付け
'The Imitation Game' Wins the People's Choice Award at the Toronto International Film Festival


● 公式サイト内の発表  Festival Awards 2014




トロント国際映画祭は審査員が居て賞を決めるというコンペティション(競争)形式ではありません。 一応、『観客賞(ピープルズ・チョイス・アワード)』が同映画祭の最高賞とみなされています。【News!!】(2015/07/18 記) トロント国際映画祭は2015年度よりコンペティションを行う部門を創設することになったそうです。コンペを行うのは「Platform(プラットフォーム)」という名称の部門で、作家性の強い映画/アート・シネマのコンペになる模様。 【参照】tiff.(トロント国際映画祭)2015年5月21日付け Platform programme to shine spotlight on artistically ambitious international films( ttp://tiff.net/whats-on/news-events/platform-festival )



なお、観客賞には
 ●「ドキュメンタリー作品に対する観客賞」
 ●「ミッドナイト・マッドネス部門へエントリーされた作品に対する観客賞」
 ●(ドキュメンタリー作品&ミッドナイト・マッドネス部門エントリー作品以外の)
  「(長編作品に対する)観客賞」
の3種があり、通常、トロント国際映画祭の最高賞とみなされるのは(ドキュメンタリー作品&ミッドナイト・マッドネス部門エントリー作品以外の)「(長編作品に対する)観客賞」になります。

国際映画批評家連盟賞 等の併設賞は、それぞれの賞を授与している団体に所属しているメンバーにより選出されます。



2014年(第39回)トロント国際映画祭(Toronto International Film Festival)は、(現地日付で)2014年9月04日から9月14日まででした。



● トロント国際映画祭 (Tiff.'14) 公式サイト
 http://tiff.net/thefestival

● You-Tube トロント国際映画祭 (Tiff.'14) チャンネル
 http://www.youtube.com/user/tiff/featured

● You-Tube トロント国際映画祭出品作トレーラー一覧
 http://www.youtube.com/playlist?list=PLPJzOOpIAFE_uhlMUXeyViO2LGPJHmViZ


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2014年(第39回)トロント国際映画祭 受賞結果
(Toronto International Film Festival)



(ドキュメンタリー作品&ミッドナイト・マッドネス部門エントリー作品以外の長編作品が対象の)
観客賞(一般的に、トロント映画祭の最高賞とみなされている)
Grolsch People’s Choice Award 〔Grolsch はスポンサー名〕

イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
(スペシャル・プレゼンテーション部門エントリー作品)
英題:The Imitation Game
監督 モルテン・ティルドゥム Morten Tyldum
製作国 イギリス / アメリカ


今年はスペシャル・プレゼンテーション部門からでした。




次点 Runners-up

次点|第一席 First Runner-up
しあわせへのまわり道(スペシャル・プレゼンテーション部門エントリー作品)
英題:Learning to Drive
監督 イザベル・コイシェ Isabel Coixet
製作国 アメリカ



次点|第二席 Second Runner-up
ヴィンセントが教えてくれたこと (スペシャル・プレゼンテーション部門エントリー作品)
英題:St. Vincent
監督 セオドア・メルフィ Theodore Melfi
製作国 アメリカ



次点もスペシャル・プレゼンテーション部門からでした。

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ドキュメンタリー作品 観客賞
Grolsch People’s Choice Award For Documentary
〔Grolsch はスポンサー名〕
Beats of the Antonov
監督 Hajooj Kuka
製作国 スーダン / 南アフリカ




次点 Runners-up

次点|第一席 First Runner-up
Do I Sound Gay?
監督 デイヴィッド・ソープ David Thorpe
製作国 アメリカ


次点|第二席 Second Runner-up
Seymour: An Introduction
監督 イーサン・ホーク Ethan Hawke
製作国 アメリカ


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ミッドナイト・マッドネス部門 観客賞
Grolsch People’s Choice Award For Midnight Madness
〔Grolsch はスポンサー名〕
What Do We Do in the Shadows
監督 タイカ・ワイティティ Taika Waititi
   ジェマイン・クレメント Jemaine Clement
製作国 ニュージーランド / アメリカ




次点 Runners-up
次点|第一席 First Runner-up
Tusk
監督 ケヴィン・スミス Kevin Smith
製作国 アメリカ


次点|第二席 Second Runner-up
ビッグゲーム 大統領と少年ハンター
英題:Big Game
監督 ヤルマリ・ヘランダー Jalmari Helander
製作国 フィンランド / イギリス / ドイツ


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【カナダ製作映画関連】


カナダ製作映画賞
Canada Goose Award for Best Canadian Feature Film
〔Canada Goose はスポンサー名〕
Felix and Meira
仏題:Félix et Meira
監督 マキシム・ジロー(マキシム・ジルー) Maxime Giroux
製作国 カナダ




カナダ製作映画賞(第一回監督作品限定)  
City of Toronto Award For Best Canadian First Feature Film
〔City of Toronto はスポンサー名〕
Bang Bang Baby
監督 ジェフリー・セント・ジュールズ Jeffrey St. Jules
製作国 カナダ


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【短編映画関連】


カナダ製作短編映画賞 Award for Best Canadian Short Film
The Weatherman and the Shadow Boxer
監督 ランダル・オキタ Randall Okita
製作国 カナダ



国際短編映画賞 Award for Best International Short Film
A Single Body
監督 Sotiris Dounoukos
製作国 豪州 / フランス


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以下の賞は観客の投票ではなく、それぞれ「国際映画批評家連盟」「NETPAC」 という組織に所属しているメンバーにより選出されています。

国際映画批評家連盟賞 ←←← 国際映画批評家連盟
NETPAC(ネットパック)賞 ←←← NETPAC(Network for the Promotion of Asian Cinema)



トロント国際映画祭:国際映画批評家連盟賞(スペシャル・プレゼンテーション部門限定)
Prizes of the International Critics (FIPRESCI Prize) for Special Presentations Section
ロスト・イン・マンハッタン
英題:Time Out of Mind
監督  オーレン・ムーヴァーマン Oren Moverman
製作国 アメリカ




トロント国際映画祭:国際映画批評家連盟賞(ディスカバリー部門限定)
Prizes of the International Critics (FIPRESCI Prize) for Discovery Section
May Allah Bless France!
仏題:Qu'Allah bénisse la France!
監督 アブダル・マリック Abd Al Malik
製作国 フランス




トロント国際映画祭:NETPAC(ネットパック)賞 - (最優秀アジア映画)
NETPAC Award for Best Asian Film(アジア映画が対象)
〔NETPAC = Network for the Promotion of Asian Cinema の略〕

マルガリータで乾杯を!(コンテンンポラリー・ワールド・シネマ部門エントリー作品)
英題:Margarita, with a Straw
監督 ショナリ・ボーズ Shonali Bose
製作国 インド



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【トロント国際映画祭 観客賞(People's Choice Award)受賞作一覧】
http://en.wikipedia.org/wiki/Toronto_International_Film_Festival


これを見ると分かる通り、観客賞を受賞した作品が必ずしもアカデミー賞作品賞を受賞しているわけではないのです。2000年以降昨年度までにトロント映画祭観客賞を受賞し同時にアカデミー賞作品賞も受賞した作品は3作品のみ(=14回のうち3回)です。「トロント映画祭観客賞受賞→アカデミー賞作品賞受賞」という作品ばかりが強調されますが、毎年必ずしも受賞に直結しているわけではありません。ただし、ここ6年に限定してみると、作品賞ノミネート数が最大10作品にまで拡大した影響もあって、トロント観客賞受賞作は(アカデミー賞作品賞受賞は無理でも)かなりの高確率でノミネートを果たしています。


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トロント国際映画祭は賞を授与して受賞作を表彰することを目的にしている映画祭ではなく、基本的には「世界に向けた顔見世興行・更なる配給先を求めての見本市的映画祭」でしょう。 この映画祭の受賞結果は北米での賞レースの成り行きを追いかけるという点では当然注目しなければならないものですし、この映画祭自体の重要度はたいへん高いですが、トロント国際映画祭を "アカデミー賞の前哨戦" と呼ぶことには違和感があります。或る時から誰かがアカデミー賞作品賞との連動性に気づきオスカー・レースの行方を占う場として注目を集めるようになって、特に北米の映画マスコミでは観客賞の受賞結果には関心が高くなっているのですが、だとしてもこの映画祭を "アカデミー賞の前哨戦" って呼ぶのは……なんかしっくりこないなぁ。(個人的な意見です。)

『The Imitation Game』の北米配給は賞獲りキャンペーンに長けたワインスタイン・カンパニーなので、これからぐいぐいプッシュしてくることでしょう。北米の劇場公開は11月21日の予定。(日本の配給はギャガ) ノミネート/受賞に向けて万全のスケジュールです。ベネディクト・カンバーバッチもいよいよ米国アカデミー賞主演男優賞ノミネートが現実味を帯びてきました。(カンバーバッチ・ファンのみなさま、おめでとうございます。) 英国アカデミー賞のほうでも今の時点では『The Imitation Game』がフロントランナーになっていることには間違いないでしょう。

……ただ、今年、トロント国際映画祭では目玉作品となる映画いくつかに逃げられていて、それらはニューヨーク映画祭やテルライド映画祭へ出品されています。賞レースの目玉作品の中にはまだ予告編すら出ていない作品もありますので、それら目玉作品が公開される/試写が始まるまでは情勢はどうなるか分からないというのがオスカー・ウォッチャーさんたちの冷静な判断のようです。

in-contention のこの記事によると『The Imitation Game』は『アルゴ』や『英国王のスピーチ』のようなタイプの作品とのこと。つまり「作品内容は一般的な観客が飲み込みやすいもので、しかもその内容に同意できる作品(反発/反感/違和感を感じない)」ということらしいです。また、『The Imitation Game』はこの映画祭で観客賞を受賞しましたが、予告編からは”どちらかというと少し前の時代のオスカー受賞作品みたい(演出や映像のテイストに今を反映している雰囲気がない)”という印象を受けるという声もあります。




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