ジャパンプレミアでの不手際|ドウェイン・ジョンソン主演『ヘラクレス』(2014年)|配給:パラマウント・ジャパン

ひどい話。このプレミアのために上京したという大阪の方があまりにも気の毒。


togetter
2014年10月19日 ジャパンプレミアでのトラブルまとめ 配給パラマウントジャパン
http://togetter.com/li/734447


地方在住者としては、この大阪の方の心の痛みと財布の痛みが身に沁みますよ。洋画の日本国内興行が落ち込んでいるという状況でもこういう殿様商売でいまだにやっていけてるんだから、困った困ったと言いながら大手の洋画配給会社はご安泰ということでしょうなあ。結構なご身分だ。

イベント自体は広告代理店やイベント会社の仕切りだったのではないかと推測されるような状況だそうですが、そういう業界内の事情は見に行ったお客さんやこのニュースを読む一般観客には分からないことだし、仕切りがどこだったかなんて関係無いこと。一般観客にとっては「日本での配給権を持つ配給会社が行うプレミア」でしかないし、イメージの好悪はすべて配給会社に対してのものになる。たとえ広告代理店やイベント会社が仕切っていようとも、自社配給作品のジャパンプレミアに配給会社の担当もいるはずでしょう。何していたの?丸投げなの?(丸投げだとして)宣伝を丸投げでいいの?


洋画ファンをこんなナメた態度で扱っておいて「もっと映画館に洋画を見に来い」と言う。日本語字幕/日本語吹替を付け、ド田舎にまで洋画を配給しているのだ、エンタメ乞食ども、有り難く拝観せよ!国際的有名人も見せてやるんだぞ、感謝せよ!だから、もっとお布施を持ってこい!(=どんどん映画館へ見に来い。関連グッズも買え。)……そういうことなんでしょうか。客を神様扱いしろとは思わない。けれど、今いる洋画ファンをもうちょっと大切に考えないと……洋画ファンが見放したらもう日本での洋画の劇場興行はアウト、じゃないのか?

配給会社側はこの騒ぎは知っているはずだけれど、パラマウント・ジャパン(@Paramount_Japan)もパラマウント・ジャパンのマーケティング本部長(@yuka2119)も無反応(2014年10月21日午後2:30現在)。マーケティング本部長は「ファッションブランドの来年度用の展示会に行った」というツイートはしておるのに。無視する構えか。


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togetter
くろす君の『映画配給さんに聞いたよ!』
http://togetter.com/li/661487


(ここに登場してくる方はパラマウントの人なのかどうかは分かりませんが)洋画の宣伝もこんな調子。「映画ファンは放っておいても見に来るので、宣伝のターゲットにしていない」……で、映画ファン/洋画ファンじゃない人たち用にワイドショーに取り上げてもらえるようタレント使った宣伝するんだそうで。(そもそも、今どき、ワイドショーなんかそんなに視聴されているもんなのかねえ。)

”20億、30億円の興行を目指すとなると、年に一度も映画館に来ない「普通の人」の「(映画館へやってくる)その年の一回」を狙う必要がある”ということでやっているタレント起用の宣伝を見た「映画ファン/洋画ファンじゃない人」がどれくらい洋画を見に来ているのか?そういう意図で行っている宣伝の挙句に上げられる興行収入は10億円が精いっぱい、ということではタレント起用宣伝の効果は無いということじゃないの?ワイドショー等で新作洋画のタイトルを知った人が見に来ていればもっと入るはずなんじゃないの?映画リテラシーの低い人向けに広報している宣伝を見た(配給会社が想定しているであろう)「(映画リテラシーの低い)バカな 一般観客」は ”バカにされてる” ”くだらない” と感じ、見に来ないんじゃないの? タイトルを見知ったところで、それだけは見に行かないよ。

こういう宣伝の効果を細かく検証しているんですかね。つまりは、効果のほども不明な宣伝を延々と続けられるほど余裕のある業界だ、ということなのでしょ。大手洋画配給会社の人たちは日本での劇場興収がじりじりと下がっている状態でも特に困っていない、ってことでしょ。(……という厭味のひとつも言ってみたくなる状態だわね。)


『映画配給さんに聞いたよ!』を読んで思うのは、「(配給会社は)広告代理店側にいいように搾取されているだけではないのか?」「配給会社/広告代理店の分析は果たして合っているのか?」ということ。『アナ雪』の特大ヒットは”気分を売った”から売れたんじゃないよ。そうでしょ?気分で見に行った客もいたかもしれない。でもそういう客はリピート鑑賞しないし、ソフトも買わない。





こうしてタレント起用して行った映画イベントの記事も、(一応「映画ポータルサイト」を名乗っている)エンタメ専門サイトですら、映画の名が記事のヘッドラインに入らないという始末。

シネマトゥデイ  2014年9月22日付け記事
ゴスペラーズ、グループ円満の秘訣はギャラの5分割(映画『ジャージー・ボーイズ』イベント)

映画.com  2014年10月16日付け記事
デヴィ夫人、泣きじゃくる「ますおか」岡田に「ね?野々村議員」とキラーパス(映画『泣く男』イベント)

起用したタレント自身の宣伝にしかなってない。なんのための宣伝か?



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