2015年カンヌ国際映画祭|受賞結果|パルム・ドールはどの作品?

2015年(第68回)カンヌ国際映画祭の授賞式が行われ、受賞結果が発表されました。



【参照記事】
● The Wrap  2015/05/24付け記事
Cannes Film Festival Winners: The Complete List
( ttp://www.thewrap.com/cannes-awards-ceremony-updating-the-winners-live )


● indiewire  2015/05/24付け記事
The 2015 Cannes Film Festival Winners
( ttp://www.indiewire.com/article/the-2015-cannes-film-festival-winners-live-as-they-come-in-20150524 )


● 2015年カンヌ国際映画祭 公式サイト内での発表(2015/05/24付け)
 受賞作品 2015 : コンペティション部門(日本語ページ)
( ttp://www.festival-cannes.com/jp/archives/awardCompetition.html )




● カンヌ国際映画祭 公式サイト(日本語ページ)
 http://www.festival-cannes.com/jp.html



2015年(第68回)カンヌ国際映画祭は2015年5月13日(水)から5月24日(日)まででした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆◆2015年(第68回)カンヌ国際映画祭|審査員◆◆


【コンペティション部門】
 
審査員長
ジョエル・コーエン Joel Coen
イーサン・コーエン Ethan Coen
(アメリカの映画監督 / プロデューサー / 脚本家)


審査員
ロッシ・デ・パルマ Rossy de Palma
(スペインの女優)

ソフィー・マルソー Sophie Marceau
(フランスの女優 / 映画監督)

シエナ・ミラー Sienna Miller
(イギリスの女優)

ロキア・トラオル Rokia Traoré(Rokia Traore)
(マリ共和国出身の作曲家 / シンガーソングライター) ※ フランスを拠点に活動。

ギレルモ・デル・トロ Guillermo del Toro
(メキシコの映画監督 / 脚本家 / プロデューサー)

グザヴィエ・ドラン Xavier Dolan
(カナダの映画監督 / 脚本家 / プロデューサー / 男優)

ジェイク・ギレンホール Jake Gyllenhaal
(アメリカの男優)




【短編映画部門】 (シネフォンダシヨン部門審査員と兼任)

審査委員長
アブデラマン・シサコ Abderrahmane Sissako
(モーリタニアの映画監督)


審査員
ジョアナ・ハッジトーマス Joana Hadjithomas
(レバノンの映画監督 / 脚本家 / プロデューサー)

レベッカ・ズロトヴスキ Rebecca Zlotowski
(フランスの映画監督 / 脚本家)

セシル・ドゥ・フランス Cécile de France
(ベルギーの女優)

ダニエル・オルブリフスキー Daniel Olbrychski
(ポーランドの男優)




【カメラ・ドール】(=新人監督賞)

審査員長
サビーヌ・アゼマ Sabine Azéma(Sabine Azema)
(フランスの女優)


審査員
デルフィーヌ・グレイズ Delphine Gleize
(フランスの映画監督 / 脚本家)

メルヴィル・プポー Melvil Poupaud
(フランスの男優)

クロード・ガルニエ Claude Garnier
(撮影監督 / AFC〔French Association for Cinematographers〕代表)

Didier Huck
(FICAM〔Federation of Cinema, Audiovisual and Multimedia Industries〕代表)

ヤン・ゴンザレス Yann Gonzalez
(SRF〔Society of Film Directors〕代表)

Bernard Payen
(SFCC〔French Union of Cinema Critique〕代表)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


2015年(第68回)カンヌ国際映画祭 受賞結果
(Le Festival International du Film de Cannes / Festival de Cannes)
(Cannes International Film Festival)

※ 各賞の記載順番はカンヌ国際映画祭公式サイトの発表(こちらの表示)に準じました。



【コンペティション部門】  Competition

パルム・ドール (=カンヌ国際映画祭の最高賞) Palme d'Or

ディーパンの闘い
原題:Dheepan
監督:ジャック・オーディアール Jacques Audiard
製作国:フランス




グランプリ(審査員特別グランプリ) Grand Prix

サウルの息子
英題:Son of Saul
原題:Saul fia
監督:ネメシュ・ラースロー Laszlo Nemes
製作国:ハンガリー




監督賞 Prix de la mise en scène (The Best Director Award)

ホウ・シャオシェン(侯孝賢) Hou Hsiao-hsien
作品:黒衣の刺客
英題:The Assassin
原題:Nie yin niang / 聶隱娘(聶隱娘刺客)
製作国:台湾




脚本賞 Prix du scénario (The Best Screenplay Award)

脚本:ミシェル・フランコ Michel Franco
作品:或る終焉
英題:Chronic
監督:ミシェル・フランコ Michel Franco
製作国:アメリカ




女優賞 Prix d'interprétation féminine (The Best Actress Award)
※ 2名のタイ受賞

エマニュエル・ベルコ Emmanuelle Bercot
  作品:Mon roi(原題)
  監督:マイウェン Maïwenn(Maiwenn)
  製作国:フランス


ルーニー・マーラ Rooney Mara
  作品:キャロル
  英題:Carol
  監督:トッド・ヘインズ Todd Haynes
  製作国:イギリス / アメリカ




男優賞 Prix d'interprétation masculine (The Best Actor Award)

ヴァンサン・ランドン Vincent Lindon
作品:ティエリー・トグルドーの憂鬱
英題:The Measure of a Man
原題:La loi du marché
監督:ステファヌ・ブリゼ Stéphane Brizé(Stephane Brize)
製作国:フランス




審査員賞 Prix du Jury (The Jury Prize)

ロブスター
英題:The Lobster
監督:ヨルゴス・ランティモス Yorgos Lanthimos
製作国:ギリシャ / イギリス / アイルランド / オランダ / フランス



------------------------------------------------------------------------------------------

【短編映画部門】  Short Films


パルム・ドール Palme d'Or du court métrage (The Short Film Palme d'Or)

Waves '98
監督:Ely Dagher
製作国:レバノン / カタール
ランタイム:14分



------------------------------------------------------------------------------------------

【カメラ・ドール】(=新人監督賞) Caméra d'Or

Land and Shade ※「批評家週間」エントリー作品
原題:La tierra y la sombra
監督:セサル・アウグスト・アセベド César Augusto Acevedo(Cesar Augusto Acevedo)
製作国:コロンビア / フランス / オランダ / チリ / ブラジル
※「批評家週間」ヴィジョナリー賞とSACD賞の2賞を受賞。



------------------------------------------------------------------------------------------

【名誉パルム・ドール】 Palme d'honneur

アニエス・ヴァルダ Agnès Varda



++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

第二席であるグランプリを『Son of Saul』が獲った時点で「こりゃ、パルムドールはパオロ・ソレンティーノ監督作『Youth』対ナンニ・モレッティ監督作『My Mother』(原題:Mia madre)のイタリア対決か!?」なーんて思ってたら、あらまあ、フランスへ……。今回、フランスはコンペへ沢山ピックアップされたうえに最高賞は獲るわ男優賞と女優賞も獲るわで、なんだかなあ。審査員長の出身国アメリカも2賞獲ったし、お手盛り感満点の「フランス&アメリカ、万歳」大会だった!?

オープニング上映作品に自身の監督作『Standing Tall(英題)』が選ばれたエマニュエル・ベルコは、別の出演作品で女優として受賞。わが世の春、ですなあ。


---

(2015/06/11 追記)

結果としてお手盛り感があるものの、審査員団は当然自己判断で賞を決定した、と。「批評家のために決めているんじゃない」ってのはその通り。ただ、近年、審査員のメンツにちょっと偏りがあるような気はする。

産経新聞  2015/05/31付け記事
カンヌ最高賞に「驚きとブーイング」…審査員長のコーエン兄弟は批判一蹴 評価基準で沸騰する映画界( ttp://www.sankei.com/premium/news/150531/prm1505310016-n1.html )
この判断をめぐり、批評家やメディアが続々と批判の声をあげ、授賞式は荒れ模様に。審査員長を務めた米ハリウッドの奇才コーエン兄弟は「批評家ではなく作り手のために審査した結果だ」と真っ向から反論し、芸術性や話題性など映画の評価基準をめぐる論議を沸騰させている。 <中略> 9人の審査員を束ねる審査員長のジョエル監督(60)とイーサン監督(57)のコーエン兄弟は、授賞式後、審査員を務めたメキシコのギジェルモ・デル・トーロ監督(50)や米俳優、ジェイク・ギレンホールさん(34)らとともに記者会見し、「審査員全員、これが素晴らしい作品だと思った」と述べ、全員一致で「ディーパン」を選んだと明言。審査員たちは口々に、難民という時事問題に絡んだメッセージよりも、作品全体が持つ力強さで選んだと説明した。さらにコーエン兄弟は「(カンヌ国際映画祭の)審査は批評家のためではない。作り手であるアーティストのために行っているものだ」と言い切り、批評家やメディアの批判を真正面から退けた。




MovieWalker 2015年6月8日付け記事
“女性”を讃えた第68回カンヌ国際映画祭を振り返る( ttp://news.walkerplus.com/article/59675/ )
今年の第68回カンヌ国際映画祭は、カンヌ叩き上げの会長ジル・ジャコブが勇退し大手ケーブルテレビ局の元CEOピエール・レスキュールが新会長になって初めての映画祭だった。まずはアカデミー賞のようにパフォーマンスを入れるなどセレモニーのテレビ中継を意識したショーアップが図られ、さらに今年のテーマというものが発表された。「映画は女性です」と女性映画人たちを支え讃えることを宣言したのだ。これは来年から創設される新しい賞“Women in Motion”を見据えてのもの。この賞をスポンサードするのは総合ファッションブランド企業ケリングだが、実業界にも顔の利く新会長の色がよく出た試みではあった。カンヌは社会の雰囲気に敏感で、集められたコンペ作品にはその年の傾向というもの、世界や社会の動きが反映されてきた。その中から審査員たちが選ぶ賞は必ずしも傾向に従ったものではないところがカンヌの面白さでもある。

国も宗教も人種や老若男女すべてを越えて心に触れることができる、それが、映画の力というものである。そしてカンヌはそんな力を信ずる者たちの祭りの場なのだ。

女性監督のものを積極的に取り上げたいというカンヌ映画祭側の意思は特にここ数年明らかだと思うけれど(「女性監督を取り上げないのだ」と非難されるし。)でも ”実際のところ、なかなかレベルの高いものが見つからない” というところなのかも。それは良い題材は男性監督へ回っていってしまうという現実があって、女性監督のキャリアと映画製作に関する技量がうまく積み上げられないということかもしれないね。




共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。