アニー賞とディズニー&ピクサー

ディズニー/ピクサーは、2008年度の「カンフー・パンダ vs. WALL・E/ウォーリー問題」を発端に、アニー賞サイドと揉めています。(というか、決裂状態です。今年8月に「アニー賞には協力しない。出品を控える」と宣言しました。)

アニー賞に出品していないにも係わらず「トイ・ストーリー3」「塔の上のラプンツェル」「デイ&ナイト」がノミネートされたということは、驚くべきことなのかもしれません。(アニー賞に出品されていないアニメ作品であっても投票はしてもいい、らしいです。)

ノミネートされたディズニー/ピクサー作品の関係者たちは授賞式にくるのでしょうかねえ。もしも受賞したらどうするのでしょうか。「協力はしないが、賞をくれると言うならもらう」のか?「アニー賞なんて、いらん!」と拒否するのか?

まぁ、ディズニー/ピクサーがアニー賞側に対して決別宣言をしたこと、「ヒックとドラゴン」が大量15ノミネートで「トイ・ストーリー3」がわずか3ノミネートにとどまったことを思えば、「トイ・ストーリー3」がアニー賞を受賞する可能性は低いでしょう。

いまやディズニー/ピクサーは、アカデミー賞で長編アニメ映画賞受賞のみならずアニメ作品初の作品賞受賞を目指している会社です。(特に今年は、そのチャンス有りとみて狙っているらしいですよ。) ですから今となっては、アニメ専門賞のアニー賞にさほど価値を見出してはいないかもしれません。ましてや、完全に公正とはいえないような会員登録許可システムになっていたり、会員構成のバランスがとれていない(ドリームワークス・アニメーションに所属している会員が突出して多い、らしい。)賞ですし。

アニメ業界全体で働くアニメーター数に対するドリームワークス・アニメーションで働くアニメーター数の割合と、アニー賞会員全体数に対するドリームワークス・アニメーション所属のアニー賞会員の割合がほぼ合致していればいいのですが、どうもそういうことではないようです。ドリームワークス・アニメーションは、アニー賞の会員となったときの会費を会社持ちとしすべての雇用者をアニー賞会員として登録していたらしく、そういう会員ならば自身の嗜好ではなく会社の意向通りに投票したりすることもあると考えるのがまず妥当です。

参考記事 The Wrap.com(2010年12月06日付け記事) Annie Awards Embrace - and Then Ignore - Defectors Disney and Pixar

もしも「トイ・ストーリー3」が受賞するようなことになったら……ディズニー/ピクサーの対応が見ものです。

2008年度の「カンフー・パンダ圧勝、WALL・E/ウォーリー惨敗」劇の裏事情を知ったあとでは、アワードウォッチャーたちのアニー賞に対する信頼度はガタ落ち状態。ディズニー/ピクサーの「アニー賞決別宣言」の後のノミネーションなので、その影響がアニー賞にどれくらい出ているのかを確認する程度、といったところでしょうか。


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2010年度(第38回)アニー賞 ノミネーション発表

監督賞に「サマーウォーズ」の細田守監督がノミネートされています。

2010年度アニー賞(The Annie Awards)ノミネーション発表(公式サイト内) → こちら

アニー賞は表彰部門数が多いので、ここにすべての部門は載せられません。
興味のある方は The Annie Awards でご確認ください。


【アニメーション映画賞】 Best Animated Feature
 ・怪盗グルーの月泥棒 Despicable Me - Illumination Entertainment

 ・ヒックとドラゴン How to Train Your Dragon - DreamWorks Animation

 ・塔の上のラプンツェル Tangled - Disney

 ・イリュージョニスト The Illusionist - Django Films

 ・トイ・ストーリー3 Toy Story 3 - Disney/Pixar


【監督賞】 Directing in a Feature Production
 ・シルヴァン・ショメ Sylvain Chomet
      イリュージョニスト “The Illusionist” - Django Films

 ・ピアー・コフィン Pierre Coffin
      怪盗グルーの月泥棒 “Despicable Me” - Illumination Entertainment

 ・細田守 Mamoru Hosoda
      サマーウォーズ “Summer Wars” - Madhouse/Funimation

 ・クリス・サンダース、ディーン・デュボア Chris Sanders, Dean DeBlois
      ヒックとドラゴン “How To Train Your Dragon” - DreamWorks Animation

 ・リー・アンクリッチ Lee Unkrich
      トイ・ストーリー3 “Toy Story 3” - Disney/Pixar


【脚本賞】 Writing in a Feature Production
 ・マイケル・アーント Michael Arndt
       トイ・ストーリー3 “Toy Story 3” - Disney/Pixar

 ・シルヴァン・ショメ Sylvain Chomet
      イリュージョニスト “The Illusionist” - Django Films

 ・ウィル・デイヴィス、ディーン・デュボア、クリス・サンダース 
      William Davies, Dean DeBlois, Chris Sanders
      ヒックとドラゴン “How to Train Your Dragon” - DreamWorks Animation

 ・ダン・フォーゲルマン Dan Fogelman
      塔の上のラプンツェル “Tangled” - Disney

 ・アラン・スクールクラフト、ブレント・サイモンズ Alan J. Schoolcraft, Brent Simons
      メガマインド “Megamind” - DreamWorks Animation


【短編アニメ映画賞】 Best Animated Short Subject 
 ・ルーニー・テューンズ ロード・ランナーとワイリー・コヨーテ 
   Coyote Falls - Warner Bros. Animation

 ・デイ&ナイト  Day & Night - Pixar

 ・Enrique Wrecks the World - House of Chai

 ・The Cow Who Wanted To Be A Hamburger - Plymptoons Studio

 ・The Renter - Jason Carpenter


ヒックとドラゴン ・・・・・・ 15ノミネート
イリュージョニスト ・・・・・・ 5ノミネート
トイ・ストーリー3 ・・・・・・ 3ノミネート
※ 数字は部門数ではなく、ノミネート数でした。 失礼しました。

2010年度(第38回)アニー賞受賞発表は、2011年02月05日 (現地時間) です。


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