2012年ベネチア国際映画祭:受賞作のトレーラー

宗教絡みの作品が多い。


2012年(第69回)ベネチア国際映画祭 メイン・コンペティション部門

金獅子賞 Golden Lion (Leone d'Oro)
嘆きのピエタ Pieta
監督:キム・ギドク Kim Ki-duk
製作国:韓国
(シネマトゥデイの作品紹介より) 頼る者もなく孤独に生きてきたカンドは、手段を選ばず債務者たちから借金を取り立てる悪魔のような男として悪名をはせていた。ある日、突然彼の前に母親だと名乗る謎の女性が姿を現し、カンドの運命は思わぬ方向へと向かうことになる。/オダギリジョー主演の『悲夢(ヒム)』以来、監督としては表舞台から遠ざかっていた韓国の鬼才キム・ギドクの最新作。同監督の本映画祭への招待は『魚と寝る女』『受取人不明』『うつせみ』に続いて4度目となる。『サマリア』で第54回ベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)、『うつせみ』でベネチア国際映画祭銀獅子賞を獲得し、『アリラン』で第64回カンヌ映画祭ある視点部門最優秀作品を受賞と、三大映画祭を制覇した監督が、本作で最高賞の金獅子賞の栄冠を手にするか期待が高まる。


Pieta (2012) - Trailer  (1分52秒)
directed by Kim Ki-duk (South Korea)






銀獅子賞(監督賞) Silver Lion (Leone d’Argento)
ポール・トーマス・アンダーソン Paul Thomas Anderson
作品:ザ・マスター The Master
製作国:アメリカ
北米配給 ワインスタイン・カンパニー The Weinstein Company
日本配給 ファントム・フィルム
(シネマトゥデイの作品紹介より) 1950年代、第2次世界大戦から生還し、カリスマ的な魅力で独自の信仰を広めたマスターこと教祖のランカスターは、放浪者のフレディを弟子とし自分の右腕にした。やがて教団の規模は大きくなり、信者も増えていくが……。/映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以来のポール・トーマス・アンダーソン監督による新作は5度目のタッグとなるフィリップ・シーモア・ホフマンを主演に迎えた。音楽はレディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが担当。教祖と弟子の関係を描く作品だが、主人公の設定がサイエントロジーの創始者L・ロン・ハバード氏と酷似していることから、全米では9月公開を目前に控え注目度は急上昇中だ。


The Master (2012) - Official Trailer  (2分38秒)







審査員特別賞 Special Jury Prize (Gran premio della giuria)
ウルリヒ・ザイドル Ulrich Seidl
作品:パラダイス 神  英題:Paradise: Faith 原題:Paradies: Glaube
製作国 オーストリア / ドイツ / フランス
※ ストランド・リリーシング(Strand Releasing)が北米での配給権を獲得。
  (「Paradise trilogy(パラダイス三部作)」3作すべての配給権を獲得)
  (2012/09/09付け)
(シネマトゥデイの作品紹介より) アナ・マリアの楽園はイエスと共にあった。休暇を布教活動にささげ、どこに行くにも30センチほどのマリア像を抱えていた。そんなある日、エジプトから夫が帰ってくる。アナとイスラム教徒の夫はそれぞれ賛美歌を歌い、祈り、そして戦った。/5月のカンヌ国際映画祭のコンペティション出品作『パラダイス:ラブ(英題) / Paradise: Love』に続き、オーストリアの鬼才ウルリヒ・ザイドル監督が「パラダイス3部作」としておくる第2弾。前作の主人公テレザの姉妹、アナが体験する結婚の受難が描かれる。『ドッグ・デイズ』が第58回の本映画祭審査員特別賞を受賞しているザイドル監督。宗教と結婚との確執をあぶり出す本作は、宗教が身近なイタリアでも話題を呼びそうだ。


Paradise: Faith (Paradies: Glaube) - Trailer (2分02秒)







ヴォルピ杯(男優賞) Coppa Volpi for the Best Actor
フィリップ・シーモア・ホフマン Philip Seymour Hoffman
ホアキン・フェニックス Joaquin Phoenix
作品:ザ・マスター The Master
製作国 アメリカ
 





ヴォルピ杯(女優賞) Coppa Volpi for the Best Actress
ハダス・ヤロン Hadas Yaron
  作品:Fill The Void (原題:Lemale Et Ha’Chalal)
  製作国 イスラエル
※ ソニー・ピクチャーズ・クラシックス(Sony Pictures Classics)が北米での配給権を獲得。
  (2012/10/02付け)
(シネマトゥデイの作品紹介より) メンデルマン家はイスラエルのテルアビブで暮らす典型的なユダヤ人ファミリーだ。18歳の末っ子シーラは同い年の青年と結婚の約束を交わしていたが、28歳の姉エスターの初めての子どもが出産中に亡くなったことに家族は大きなショックを受け、シーラの結婚話は棚上げになる。/イスラエルで監督や脚本家、プロデューサーとしても活躍するYigal Bursztynと、今回が初メガホンとなるRama Burshteinが監督としてタッグを組んでおくる人間ドラマ。イスラエル映画といえば戦争ものやシリアスドラマなどがメインを占める中、テルアビブに住むごく普通のユダヤ人一家にスポットを当てたところに新味が見られる。欧米の作品が中心の今回のコンペ部門では珍しいイスラエルの新人監督の入魂作が、賞レースにどのように迎えられるのかに注目。


シーラ役の若い女優さんが受賞者のハダス・ヤロンさん。
Fill The Void (Lemale Et Ha’Chalal) - Clip (1分05秒)







マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞) Premio Marcello Mastroianni
ファブリツィオ・ファルコ Fabrizio Falco
  作品:● 眠れる美女
       英題:Dormant Beauty 原題:Bella addormentata 製作国:イタリア / フランス
      ● It Was The Son(The Son Did It)(原題:E' stato il figlio) 製作国:イタリア


Dormant Beauty 原題:Bella addormentata
(シネマトゥデイの作品紹介より) 17年も植物状態で横たわる女性エルアナ・エングラロをめぐり、イタリア中で大論争がぼっ発。ある議員は新法案に反対票を投じるべきか悩んでいた。一方、議員の娘で中絶反対の活動家のマリアは、エルアナの病院前で抗議活動をしていた。そんな中、マリアは敵であるはずの、非宗教的な主張をするデモに参加していたロベルトと恋に落ちてしまう。/2009年、イタリアで交通事故により植物状態になった女性の家族が安楽死を希望したことが大きな論争となった。その実話をヒントに、マルコ・ベロッキオ監督がメガホンを取った問題作。イザベル・ユペール、トニ・セルヴィッロと仏伊を代表する名優が共演し、群像劇を展開する。三大映画祭の常連で、代表作『夜よ、こんにちは』では本映画祭芸術貢献賞を受賞しているベロッキオ監督。地元イタリアの巨匠に熱い視線が注がれる。


このトレーラーの1:05に映っている男優さんが受賞者のファブリツィオ・ファルコさん。
Dormant Beauty (Bella addormentata) (2012) - Trailer (1分30秒)





It Was the Son(The Son Did It) 原題:E' stato il figlio
(シネマトゥデイの作品紹介より) パレルモの貧乏な一家に止められた新車のボルボ。近所のマフィアの銃撃戦で幼い娘が死亡し、その賠償金で新車を購入したのだった。そんなある日、息子が車に傷をつけて帰ってきたことに父が激怒。ところが息子は反対に父を殺してしまう。/マルコ・ベロッキオ監督の『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』ではイタリアのアカデミー賞やシカゴ国際映画祭で撮影賞を受賞し、『ドーマント・ビューティ(英題) / Dormant Beauty』では撮影監督を担当するダニエーレ・チプリ。1999年と2004年には共同監督を手掛けたドキュメンタリー作品で本映画祭に参加しているが、単独監督作かつコンペ部門は今年が初となる。撮影のみならず、監督としても才能を発揮するか?



『E' stato il figlio』は金オゼッラ賞(撮影賞)も受賞しています。
It Was the Son / The Son Did It (E' stato il figlio) - Trailer (2分06秒)







金オゼッラ賞(脚本賞) Osella for Best Screenplay
オリヴィエ・アサヤス Olivier Assayas
  作品:5月の後 英題:Something in the Air 原題:Après Mai
  製作国 フランス
  北米配給 IFCフィルムズ  IFC FIlms
(シネマトゥデイの作品紹介より) 1970年代初頭のパリ。政治闘争に巻き込まれた男子高校生のジルは、恋や芸術に憧れてイタリアへ、そしてロンドンへと向かう。しかし激動の時代に居場所を見つけるため、ジルにも決定的な選択をするときがやって来ていた。/『イルマ・ヴェップ』『夏時間の庭』と作品ごとに意外性を発揮する鬼才オリヴィエ・アサイヤス監督が、1968年の五月革命の「その後」をつづる青春映画。イギリスのカウンターカルチャーを背景に、熱狂の渦の中で青春を過ごしたヨーロッパの若者を描く。第43回の本映画祭でデビュー作『デゾルドル(原題) / Desordre』を批評家週間に出品し、国際批評家連盟賞を受賞したアサイヤス監督。今回は初コンペで金獅子賞なるか?


Something in the Air (Après Mai) - Clip (1分03秒)







金オゼッラ賞(芸術貢献賞 〔撮影賞〕) Osella for Best Cinematography
  ダニエーレ・チプリ Daniele Cipri
  作品:It Was the Son(The Son Did It) (原題:E' stato il figlio)
  製作国 イタリア






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