2012年アブダビ映画祭:メイン・コンペティションのラインナップ

日本映画もエントリーされています。2012年アブダビ映画祭(アラブ首長国連邦 / The Abu Dhabi Film Festival)のメイン・コンペティションのラインナップです。 アブダビ映画祭は2007年に創立。今回で6回めです。

● 公式サイト内 ラインナップ一覧

国際映画祭である東京国際映画祭のメイン・コンペよりよほどメジャー感のあるラインナップ。メイン・コンペ以外の、New Horizons 部門や Showcase 部門やSpecial Programsなどもなかなかの品揃え。お金の有るところ&ロケーションの良いところで開催される映画祭にはたとえ後発の映画祭でも作品が集まりますね。(でも今年の東京国際映画祭も WORLD CINEMA 部門はメジャー感がありかなり充実していますよ。)

2012年(第6回)アブダビ映画祭は(現地日付で)2012年10月11日から10月20日までです。


● アブダビ映画祭 公式サイト(トップページ) The Abu Dhabi Film Festival

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2012年(第6回)アブダビ映画祭 (メイン)コンペティション ラインナップ
(6th Abu Dhabi Film Festival - Narrative Competition)


After the Battle
原題:Baad el mawkeaa
監督 ユスリー・ナスラッラー(ユスリ・ナスララ) Yousry Nasrallah
製作国 エジプト


Araf/Somewhere in Between
原題:Araf
監督 イェシム・ウスタオウル Yesim Ustaoglu(Yeşim Ustaoğlu)
製作国 トルコ / フランス / ドイツ


Betrayal
原題:Izmena
監督 キリル・セレブレンニコフ Kirill Serebrennikov
製作国  ロシア


いとしきエブリデイ
英題:Everyday
監督 マイケル・ウィンターボトム Michael Winterbottom
製作国 イギリス


家族の灯り
英題:Gebo and the Shadow
原題:Gebo et l'ombre / Gebo et l'Ombre
監督 マノエル・デ・オリヴェイラ Manoel de Oliveira
製作国 ポルトガル / フランス


ジンジャーの朝 さよならわたしが愛した世界
英題:Ginger and Rosa
監督 サリー・ポッター Sally Potter
製作国 イギリス
※ A24が北米での配給権を獲得。 (2012/09/25付け)


Harraga Blues
監督 ムーサ・ハッダート Moussa Haddad
製作国  アルジェリア


Hidden Beauties
原題:Manmoutesh
監督 Nouri Bouzid
製作国 チュニジア / アラブ首長国連邦 / フランス


危険なプロット
英題:In the House
原題:Dans La Maison  
監督 フランソワ・オゾン François Ozon
製作国   フランス


It Was the Son(The Son Did It)
原題:E' stato il figlio
監督 ダニエーレ・チプリ Daniele Ciprì
製作国 イタリア / フランス


The Last Supper
監督 ルー・チュアン(陸川) Lu Chuan
製作国 中国


Lore
監督 ケイト・ショートランド Cate Shortland
製作国 豪州 / イギリス / ドイツ


愛さえあれば
英題:Love Is All You Need
原題:Den skaldede frisør
監督 スサンネ・ビア Susanne Bier
製作国 デンマーク / スウェーデン / イタリア / フランス / ドイツ


NO (←2012年東京国際映画祭での邦題)
原題:No
監督 パブロ・ラライン Pablo Larraín
製作国 チリ / アメリカ


アウトレイジ ビヨンド
英題:Outrage Beyond
監督 北野武 Takeshi Kitano
製作国  日本


Perfumes of Algiers
原題:Parfums d'Alger
監督 Rachid Benhadj
製作国  アルジェリア


以上



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2012アカデミー賞外国語映画賞:イタリアからの出品作が決定(『塀の中のジュリアス・シーザー』)

イタリア代表作は2012年ベルリン国際映画祭金熊賞受賞のパオロ・タヴィアーニ監督&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督の『塀の中のジュリアス・シーザー』に決まりました。

本作はイタリア版アカデミー賞と呼ばれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞でも8部門ノミネート、作品賞や監督賞を含む5部門を受賞しています。2012年ヨーロッパ映画賞の作品賞候補47作品の中にも入っています。



イタリア国内の最終選考に残っていたとされる作品たちの受賞歴を見ても代表作選定の激戦は想像にかたくありません。2008年度に『ゴモラ』で同国代表作となり有力作として注目されていたにもかかわらず一次審査の段階で落選し物議を醸したマッテオ・ガローネ監督のリベンジが期待された『リアリティー』も国内選考で落選。



イタリア代表作は過去10回同部門を受賞しています(名誉賞時代は除く)。ノミネートも数知れず。しかし、1999年度以降はノミネートが1回・「最終選考に残った9作品」入りが1回と、かつての栄光からすると寂しい状況となっています。



イタリアからの出品作
塀の中のジュリアス・シーザー
(堀の中のジュリアス・シーザー』→『鏡の中のジュリアス・シーザー』→結局『塀の中のジュリアス・シーザー』のようです。)
英題|Caesar Must Die
原題|Cesare deve morire
監督|パオロ・タヴィアーニ Paolo Taviani
   ヴィットリオ・タヴィアーニ Vittorio Taviani


IMDb|Cesare deve morire
http://www.imdb.com/title/tt2177511/


(シネマトゥデイの作品紹介より)【ストーリー】シェイクスピア劇「ジュリアス・シーザー」が幕を閉じ、演者は万雷の拍手に包まれる。そして受刑者である演者は、重警備刑務所レビッビアの官房へと戻っていく。ある者は「芸術に接したことで、本当の監獄を知った」と嘆く。/イタリアの映画監督・脚本家ユニットであるタヴィアーニ兄弟は、翻案作品では文豪トルストイ作品が最も多く、本作ではシェイクスピア作の悲劇を取り入れた。リハーサルに半年を費やし、役者がキャラクターを理解するためにシェイクスピアの語彙がいかに有用か、そして友情と裏切りの相互作用などを実証しようとしたドキュメンタリー作品。『父/パードレ・パドローネ』でカンヌ映画祭のパルムドール賞を、そして『サン★ロレンツォの夜』で同映画祭審査員特別グランプリを受賞している。鋭い着眼点がもたらす、古典演劇と現代の比較がどんな影響を与えるのか。


映画.comより 実際の刑務所を舞台に、囚人たちを起用して撮影されたフィクションだ。シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」を囚人たちが演じるという大胆なアイデアで、彼らのライバル意識が現場にもたらすサスペンス。暴君のもとで自由を求めるキャラクターたちと、彼ら自身の境遇の共通性など、随所にフィクションと現実がオーバーラップし、金熊賞に相応しい見応えのある作品である。 




Caesar Must Die (Cesare deve morire) - Trailer(英語字幕付き)





映画『塀の中のジュリアス・シーザー』 日本版予告編


(2012/11/22 記)洋画の場合日本版トレーラーは海外のものと比べると劣化していいるケースが多いのですが、これは日本版トレーラーのほうが内容が分かりやすくていいですね。


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イタリアは、最終選考に残った10作品のショートリストを発表していました。
最終選考に残っていた作品は以下のとおり。


  ・ The Big Heart of the Girls (2011年) 原題:Il cuore grande delle ragazze  
    プピ・アヴァティ監督 Pupi Avati


  ・ 塀の中のジュリアス・シーザー
    Caesar Must Die  原題:Cesare deve morire
    監督:パオロ・タヴィアーニ監督&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督
    ※ 2012年ベルリン国際映画祭 金熊賞受賞


  ・ 闇に葬られた狂気(←2012年大阪ヨーロッパ映画祭での邦題)
    Diaz - Don't Clean Up This Blood
    ダニエレ・ヴィカリ(ダニエーレ・ヴィカリ)監督
    ※ 2012年ベルリン国際映画祭 パノラマ部門観客賞(フィクション映画)第2位受賞


  ・ 眠れる美女
    Dormant Beauty 原題:Bella addormentata
    マルコ・ベロッキオ監督
    ※ 2012年ベネチア国際映画祭 マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)、Brian Award受賞


  ・ それは息子だった(←2013年イタリア映画祭での邦題)
    It Was the Son(The Son Did It) 原題:E' stato il figlio
    ダニエーレ・チプリ監督
    ※ 2012年ベネチア国際映画祭 金オゼッラ賞(撮影賞)、
      マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)受賞


  ・ 天国は満席(←2013年イタリア映画祭での邦題)
    A Flat for Three 原題:Posti in piedi in paradiso
    カルロ・ヴェルドーネ監督 Carlo Verdone


  ・ 幸せのバランス 父の居場所 
    別邦題:綱渡り(←2013年イタリア映画祭での邦題)
    英題:Balancing Act  原題:Gli equilibristi
    イヴァーノ・デ・マッテオ監督 Ivano De Matteo


  ・ Là-bas(2011年) 原題:Là-bas: A Criminal Education
    グイド・ロンバルディ監督 Guido Lombardi
    ※ 2011年ベネチア国際映画祭 ルイジ・デ・ラウレンティス賞(新人監督賞)受賞


  ・ 素晴らしき存在(←2013年イタリア映画祭での邦題)
    Magnificent Presence 原題:Magnifica Presenza
    フェルザン・オズペテク監督 Ferzan Ozpetek


  ・ リアリティー
    Reality
    マッテオ・ガローネ監督
    ※ 2012年カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ受賞




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2012アカデミー賞外国語映画賞:アルジェリアからの出品作が決定

アルジェリア代表作は2012年トロント国際映画祭コンテンポラリー・ワールド・シネマ部門に選出された Saïd Ould Khelifa 監督作『Zabana!』に決まりました。


フランス支配からの独立を目指して起こったアルジェリア戦争(1954年~1962年)の闘士であったアフメド・ザバナ(Ahmed Zabana)の伝記もの映画。

アフメド・ザバナは1956年05月19日にギロチンにより処刑されました。アルジェリア戦争に関する博物館「アフメド・ザバナ・国立記念館(Ahmed Zabana National Museum)」や多目的スタジアム「スタッド・ アフメド・ザバナ(Stade Ahmed Zabana)」に国民的英雄のザバナを記念して名が付けられています。



アルジェリアは断続的ではありますがこれまでに15回出品し、受賞1回(1969年度|コンスタンタン・コスタ=ガヴラス監督作『Z』)、4回ノミネートをしています。(2000年以降に限っても2回もノミネート) 出品回数からしてみればかなりの高確率です。



アルジェリアからの出品作
Zabana!
監督|Saïd Ould Khelifa


IMDb|Zabana!
http://www.imdb.com/title/tt2379344/



Zabana! - Trailer


日本映画よりよほどハイレベル(……な感じがする)。役者も国際的知名度のある人は出ていませんがそれぞれに実在感もあるし演技の質も悪くなさそう。アルジェリアは毎年必ず出品してくるわけではありませんが、出してくるものはモダンでそれなりに高品質。




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2012アカデミー賞外国語映画賞:ペルーからの出品作が決定

ペルー代表作は2011年ベルリン国際映画祭 ジェネレーション Kplus 部門へ選出された Rosario García-Montero 監督作『The Bad Intentions(英題)』に決まりました。


ペルーは1967年度より断続的に出品。2009年度にクラウディア・リョサ監督作『悲しみのミルク』が同部門へノミネートしています。



ペルーからの出品作
The Bad Intentions(2011年)
原題|Las Malas Intenciones
監督|Rosario García-Montero


IMDb|Las malas intenciones
http://www.imdb.com/title/tt1696181/




Las Malas Intenciones (2011) - Trailer(英語字幕付き)



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ペルーは最終選考に残った6作品(うち、アニメーション作品が2作品)のショートリストを発表していました。最終選考に残っていた作品は以下のとおり。

 
  ・ The Bad Intentions

  ・ Cielo oscuro

  ・ El buen Pedro and Reshinn

  ・ sangre de anaconda

  ・ Lars y el misterio del portal(アニメーション作品)
 
  ・ Los ilusionautas(アニメーション作品)




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2012アカデミー賞外国語映画賞:トルコからの出品作が決定

トルコ代表作は2012年モントリオール世界映画祭最優秀作品賞(=グランプリ)と同映画祭併設の国際批評家連盟賞の2賞を受賞した Ismail Gunes 監督作『Where The Fire Burns(英題)』に決まりました。


トルコは、1999年度より毎年出品(それ以前は断続的に)していますが、2008年度にヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作『スリー・モンキーズ』が「選考最終選考に残る9作品」入りをしたのみ。ここのところノミネート有力作とみられるような作品を出品してきているのですが落選の憂き目をみています。



トルコからの出品作
Where The Fire Burns
原題|Atesin düstügü yer
監督|Ismail Günes(Ismail Gunes)


IMDb|Atesin düstügü yer
http://www.imdb.com/title/tt2207439/




Ateşin Düştüğü Yer (Atesin düstügü yer) - Trailer


寂しげな作品……。周囲の厳格な倫理観によって抹殺されそうな若い娘の物語のようですが。




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2012アカデミー賞外国語映画賞:台湾からの出品作が決定(『光にふれる』)

台湾の代表作は2012年東京国際映画祭 アジアの風 - 中東パノラマ部門でも上映予定のチャン・ロンジー監督作『光にふれる』に決まりました。


台湾は2000年度にアン・リー監督作『グリーン・デスティニー』でアカデミー賞外国語映画賞部門を受賞、ノミネート2回。(どちらもアン・リー監督作)

昨年度(2011年度)も「最終選考に残る作品」入りをしています。



台湾からの出品作
光にふれる
英題|Touch of the Light
原題|逆光飛翔 / Ni guang fei xiang
監督|チャン・ロンジー(張榮吉) Chang Jung-Chi


IMDb|Ni guang fei xiang(Touch of the Light)
http://www.imdb.com/title/tt2368920/


(2012年東京国際映画祭の作品紹介より)視覚障害の天才少年ピアニストが、ダンサー志望のチエ(サンドリーナ・ピンナ)と出会って夢に向かう。盲目のピアニスト、ホアン・ユィシアン(黄裕翔)が本名のまま「ユィシアン」を演じる。台北映画祭で最優秀主演女優賞と観客賞をダブル受賞。/目が不自由なユィシアンは希望や情熱をピアノにのせて表現する非凡な才能を持っている。その才能を磨くため、それまで支えてくれた家族のもとを離れて都会に住み、音楽大学に通い始める。そんなある日、ダンサーをめざしながら挫折しかかっているシャオジエに出会う。ユィシアンと交流するうちにシャオジエに前向きな気持ちが芽生え、やがて彼女はダンスの国際コンクールに挑戦する。ユィシアンもまた仲間たちと夢に向かって飛翔していく…。盲目の天才ピアニストとして知られ、日本公演もおこなっているホアン・ユィシアンが本名のままユィシアンを演じている。シャオジエ役のサンドリーナ・ピンナは『ヤンヤン』(TIFF09出品)などの人気女優。チャン・ロンジー監督は『ぼくのフットボールの夏』(06)で台湾金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した俊英。本作は短編“The End of the Tunnel”(黒天)(08)をもとに長編化した作品である。




Touch of the Light (逆光飛翔) - Official Trailer





映画『光にふれる』予告編





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