2012年度アカデミー賞外国語映画賞:各国から出品作 正式発表

映画芸術科学アカデミーは2012年度(第85回)アカデミー賞外国語映画賞の各国から出品作のリストを発表しました。71ヶ国の作品が受理されました。これは過去最高の出品数となります。なお、ケニアは初出品となります。(ちなみに、昨年度〔2011年度〕は63ヶ国からの出品でした。)

【参照】 映画芸術科学アカデミー公式サイト内 プレスリリース (2012/10/08付け)
71 Countries Vie for 2012 Foreign Language Film Oscar[レジスタードトレードマーク]

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アカデミー賞外国語映画賞:各国から出品作一覧 (71ヶ国)


アフガニスタンからの出品作
The Patience Stone
監督 アティーク・ラヒーミー Atiq Rahimi


アルバニアからの出品作
Pharmakon
監督 Joni Shanaj


アルジェリアからの出品作
Zabana!
監督 Said Ould Khelifa


アルゼンチンからの出品作
Clandestine Childhood 
原題:Infancia clandestina
監督 ベンハミン・アヴィラ Benjamin Avila


アルメニアからの出品作
If Only Everyone 
原題:Yet’ye bolory
監督 Nataliya Belyauskene


オーストラリア(豪州)からの出品作
さよなら、アドルフ
英題:Lore
監督 ケイト・ショートランド Cate Shortland


オーストリアからの出品作
愛、アムール
英題:Love 
原題:Amour  
監督 ミヒャエル・ハネケ  Michael Haneke


アゼルバイジャンからの出品作
Buta (2011年)
監督 Ilgar Najaf


バングラディシュからの出品作
Pleasure Boy Komola
原題:Ghetuputra Kamola
監督 フマユーン・アハメド Humayun Ahmed


ベルギーからの出品作
Our Children (別英題:Loving Without Reason)
原題:A Perdre La Raison (Aimer A Perdre La Raison)
監督 ヨアヒム・ラフォーズ Joachim Lafosse


ボスニア・ヘルツェゴビナからの出品作
Children of Sarajevo 
原題:Djeca
監督 アイーダ・ベジック Aida Begic


ブラジルからの出品作
The Clown (2011年) 
原題:O Palhaco
監督 セルトン・メロ Selton Mello


ブルガリアからの出品作
Sneakers 
原題:Kecove
監督 Ivan Vladimirov
    Valeri Yordanov


カンボジアからの出品作
Lost Loves
監督 Chhay Bora


カナダからの出品作
魔女と呼ばれた少女
英題:War Witch 
原題:Rebelle
監督 キム・グエン Kim Nguyen


チリからの出品作
NO
英題:No
監督 パブロ・ラライン Pablo Larrain


中国からの出品作
Caught In The Web 
原題:捜索
監督 チェン・カイコー(陳凱歌) Chen Kaige(Kaige Chen)


コロンビアからの出品作
The Snitch Cartel
原題:El Cartel de los Sapos
監督 カルロス・モレノ Carlos Moreno


クロアチアからの出品作
Cannibal Vegetarian
原題:Ljudožder vegetarijanac
監督 ブランコ・シュミット Branko Schmidt


チェコ共和国からの出品作
In the Shadows 
原題:Ve stinu
監督 ダビド・オンドリチェク(デヴィッド・オンドリチェク) David Ondricek


デンマークからの出品作
ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮
英題:A Royal Affair 
原題:En kongelig affare
監督 ニコライ・アーセル Nikolai Arcel


ドミニカ共和国からの出品作
Check Mate 
原題:Jaque Mate
監督 Jose Maria Cabral


エストニアからの出品作
Mushrooming 
原題:Seenelkaik
監督 Toomas Hussar


フィンランドからの出品作
Purge 
原題:Puhdistus
監督 アンティ・ヨキネン (アンティ・J・ヨキネン) Antti Jokinen (Antti J. Jokinen)


フランスからの出品作
最強のふたり 
英題:Untouchable  
原題:Intouchables
監督 エリック・トレダノ Eric Toledano
    オリヴィエ・ナカシュ Olivier Nakache


グルジアからの出品作
Keep Smiling
監督 Rusudan Chkonia


ドイツからの出品作
東ベルリンから来た女
原題:Barbara
監督 クリスティアン・ペツォールト Christian Petzold


ギリシャからの出品作
Unfair World 
原題:Adikos Kosmos
監督 フィリッポス・ツィトス Filippos Tsitos


グリーンランドからの出品作
Inuk
監督 Mike Magidson


香港からの出品作
奪命金
英題:Life Without Principle
原題:奪命金 / Dyut meng gam
監督 ジョニー・トー Johnnie To


ハンガリーからの出品作
Just the Wind 
原題:Csak a szel
監督 ベネデク・フリーガウフ(ベンス・フリーガウフ) Benedek Fliegauf


アイスランド(Iceland)からの出品作
ザ・ディープ
英題:The Deep 
原題:Djupid
監督 バルタザール・コルマウクル Baltasar Kormakur


インドからの出品作
バルフィ!人生に唄えば
原題:Barfi!   原題(ヒンディー語):Barfee
監督 アヌラーグ・バス Anurag Basu


インドネシアからの出品作
The Dancer (別英題:Tiny Dancer) 
原題:Sang Penari
監督 Ifa Isfansyah


イスラエルからの出品作
Fill the Void 
原題:Lemale Et Ha’Chalal
監督 Rama Bursztyn
    Yigal Bursztyn


イタリアからの出品作
塀の中のジュリアス・シーザー
英題:Caesar Must Die 
原題:Cesare deve morire
監督 パオロ・タヴィアーニ Paolo Taviani
    ヴィットリオ・タヴィアーニ Vittorio Taviani


日本からの出品作
かぞくのくに 
英題:Our Homeland
監督 ヤン・ヨンヒ Yong-hi Yang


カザフスタン共和国からの出品作
Myn Bala (Myn Bala: Warriors of the Steppe )
監督 Akan Satayev


ケニアからの出品作
Nairobi Half Life
監督 David 'Tosh' Gitonga


キルギス共和国からの出品作
The Empty Home
監督 ヌルベク・エゲン Nurbek Egen


ラトビアからの出品作
Gulf Stream Under the Iceberg 
原題:Golfstrim pod aysbergom
監督 エフゲニー・パシケビッチ Yevgeni Pashkevich


リトアニアからの出品作
Ramin (ドキュメンタリー作品)
監督 オードリュス・ストーニス Audrius Stonys


マケドニア共和国からの出品作
The Third Half
原題:Treto poluvreme
監督 Darko Mitrevski


マレーシアからの出品作
Bunohan (2011年)
監督 ダイン・サイド(デイン・セッド / デイン・イスカンダー・セッド) 
    Dain Said (Dain Iskandar Said)


メキシコからの出品作
父の秘密
英題:After Lucia 
原題:Despues de Lucia
監督 マイケル・フランコ Michel Franco


モロッコからの出品作
Death for Sale (2011年)
監督  Faouzi Bensaidi


オランダからの出品作
しあわせのカラス (← 2012年東京国際映画祭での邦題)
君がくれた翼 (←2012年大阪ヨーロッパ映画祭での邦題)
Kauwboy
監督 バウデワイン・コーレ(バウデウェイン・コーレ) Boudewijn Koole


ノルウェイからの出品作
コン・ティキ
Kon-Tiki
監督 ヨアヒム・ローニング Joachim Roenning
    エスペン・サンドベリ Espen Sandberg


パレスチナからの出品作
When I Saw You  
原題:Lamma Shoftak
監督 アンマリー・ジャシル Annemarie Jacir


ペルーからの出品作
The Bad Intentions (2011年) 
原題:Las Malas Intenciones
監督 Rosario Garcia-Montero


フィリピンからの出品作
ブワカウ (← 2012年東京国際映画祭での邦題)
Bwakaw (タガログ語作品)
監督 ジュン・ラナ(ジュン・ロブレス・ラナ) Jun Lana


ポーランドからの出品作
80 Million  
原題:80 milionow
監督 Waldemar Krzystek


ポルトガルからの出品作
Blood of My Blood 
原題:Sangue do meu Sangue
監督 ジョアオ・カニージョ Joao Canijo


ルーマニアからの出品作
汚れなき祈り
英題:Beyond the Hills 原題:După dealuri
監督 クリスティアン・ムンジウ Cristian Mungiu


ロシアからの出品作
White Tiger 
原題:Belyy tigr
監督 カレン・シャフナザーロフ Karen Shakhnazarov


セルビアからの出品作
When Day Breaks
原題:Кад сване дан / Kad svane dan
監督 ゴラン・バスカリェーヴィチ Goran Paskaljevic(Goran Paskaljevi? )


シンガポールからの出品作
Already Famous (2011年) 
原題:一泡而紅
監督 ミシェル・チョン(庄米雪 / 莊米雪) Michelle Chong


スロバキアからの出品作
Made in Ash 
原題:Až do mesta Aš
監督 Iveta Grofova


スロベニアからの出品作
A Trip 
原題:Izlet
監督 ネイツ・ガズヴォダ Nejc Gazvoda


南アフリカからの出品作
Little One 
原題:Umfaan
監督 ダレル・ルート(ダレル・ジェームズ・ルート) Darrell Roodt(Darrell James Roodt)


韓国からの出品作
嘆きのピエタ 
英題:Pieta
監督 キム・ギドク Kim Ki-duk


スペインからの出品作
ブランカニエベス
英題:Snow White 
原題:Blancanieves
監督 パブロ・ベルガー Pedro Berger


スウェーデンからの出品作
ヒプノティスト-催眠-
英題:The Hypnotist 
原題:Hypnotisoren
監督 ラッセ・ハルストレム Lasse Hallstrom


スイスからの出品作
シモンの空 
英題:Sister 
原題:L'enfant d'en haut
監督 ウルスラ・メイヤー Ursula Meier


台湾からの出品作
光にふれる
英題:Touch of the Light 
原題:逆光飛翔
監督 チャン・ロンジー(張榮吉) Chang Jung-Chi


タイからの出品作
ヘッドショット 
英題:Headshot
監督 Pen-Ek Ratanaruang ペンエーグ・ラッタナルアーン


トルコからの出品作
Where The Fire Burns 
原題:Atesin dustugu yer
監督 Ismail Gunes(Ismail Gunes)


ウクライナからの出品作
Firecrosser 
原題:Той, хто пройшов крізь вогонь
監督 Mykhailo Illienko


ウルグアイからの出品作
マリアの選択 (← 第9回ラテンビート映画祭での邦題)
The Delay 
原題:La Demora
監督 ロドリゴ・プラ Rodrigo Pla


ベネズエラからの出品作
Rock, Paper, Scissors  
原題:Piedra, papel o tijera
監督 Hernan Jabes


ベトナムからの出品作
The Scent of Burning Grass (別英題:The Smell of Burned Grass)
原題:Mùi cỏ cháy
監督 Nguyen Huu Muoi (Nguy?n H?u M??i)


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【参考】 今年、イランは同部門出品をボイコットしました。
09月24日にイランの同部門代表作選定委員会は代表作として『花嫁と角砂糖』(英題:A Cube of Sugar)を選出したと発表。しかし同日、イラン政府はアメリカ映画芸術アカデミーがYoutube上に登場した反イスラム映画『イノセンス・オブ・ムスリム(The Innocence of Muslims)』を非難しない限りアカデミー賞参加をボイコットするように要求し選定委員会に迫りました。その後の報道では、イラン文化大臣 Mohammad Hosseini 氏はアカデミー賞をボイコットすることを確認したとされています。

イラン代表作として出品予定だった作品
  花嫁と角砂糖 (←2011年〔第12回〕NHKアジア・フィルム・フェスティバルでの邦題)
  A Cube of Sugar 原題:Ye habe ghand
  監督 レザ・ミルキャリミ Reza Mirkarimi


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アカデミー賞外国語映画賞

まず、映画芸術科学アカデミーから各国へ外国語映画賞部門への出品要請が行われます。アカデミー賞外国語映画賞のコンペティションに参加する意志のある国は、それぞれの国の代表作品(1作品)を選出し、出品します。その際には映画芸術科学アカデミーにより決められた外国語映画賞部門の出品規定をクリアしていることが前提です。(出品後、映画芸術科学アカデミーにより出品規定が守られているかどうかが審査され、規定をクリアできていない作品は受理されません。)

各国からの出品の締め切りは9月末。各国代表作のフルリストが映画芸術科学アカデミーから正式発表されるのは例年10月です。

このあと、まず第一段階として「外国語映画賞部門の最終選考に進む9作品」が選ばれます。この9作品のリストは翌1月(ノミネーション発表の一週間~数日前)に発表されます。この9作品の中からノミネート作5作品が選ばれます。本年度(2012年度)ノミネーション発表は、(現地日付で)2013年01月10日です。

そして、授賞式にて受賞作(1作品)が発表・表彰されます。本年度(2012年度)の授賞式は(現地日付で)2013年02月24日です。


外国語映画賞部門受賞作決定までの流れ
各国からの出品の締め切り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2012年09月末日
各国からの出品作全リスト発表・・・・・・・・・・・・・2012年10月(2012年度は10月08日でした)
「外国語映画賞部門の最終選考に進む9作品」のリスト発表・・・・・・・2013年01月(予定)
アカデミー賞各部門へのノミネーション発表・・・・(2012年度は)2013年01月10日(予定) 
アカデミー賞授賞式 (受賞作発表)・・・・・・・・・・(2012年度は)2013年02月24日(予定)





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2012アカデミー賞外国語映画賞:シンガポールからの出品作が決定

シンガポール代表作は女優ミシェル・チョン(莊米雪)の初監督作であるラブコメ映画『Already Famous(英題)』(原題|一泡而紅)に決まりました。ミシェル・チョンは監督・製作・主演を務めています。なお、本作は中国語作品です。


シンガポールは過去に5回出品(うち、1回は不受理)されていますが、ノミネートはまだありません。



シンガポールからの出品作
スター誕生(2011年)(←アジア・フォーカス福岡国際映画祭2013での邦題)
英題|Already Famous
原題|一泡而紅 / Yi Pao Er Hong
監督|ミシェル・チョン(庄米雪 / 莊米雪) Michelle Chong


IMDb|Yi Pao Er Hong
http://www.imdb.com/title/tt2323453/




Already Famous (一泡而紅) - Trailer


こういうタイプの作品はまず出品されてきません。東南アジア地区からは時折、他地区からは出品されないようなタイプの作品が出品されてきます。




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2012アカデミー賞外国語映画賞:マレーシアからの出品作が決定

マレーシア代表作は昨年(2011年)のトロント国際映画祭ディスカバリー部門へ選出された『Bunohan(原題)』に決まりました。本作は2011年台湾金馬賞にてNETPAC賞を受賞しています。

マレーシアからの出品は2004年度に続き今回で2度目です。


マレーシアからの出品作
Bunohan(2011年)(←2013年 ”シネ・マレーシア2013★マレーシア映画の現在” での邦題)
英題|Return to Murder
別英題|Bunohan: Return to Murder
原題|Bunohan
監督|デイン・サイード(デイン・イスカンダー・サイード) Dain Said(Dain Iskandar Said)


IMDb|Bunohan(2011年)
http://www.imdb.com/title/tt2041321/


(「シネ・マレーシア2013★マレーシア映画の現在」の作品紹介(こちら)より)久しぶりに故郷へ舞い戻った殺し屋イルハムは、タイ人の手配屋デーンより、ブンガ・ラランという男を殺すよう指令を受ける。都会で学校教師をしていたバカーは、事業による成功を掴むため、父親の持つ先祖代々の土地を開発会社に売りたいと願う。二人の弟アディルは、トモイと呼ばれるマレーシアの伝統格闘技のボクサーとしてリングに立っている。実は兄イハムが殺さなければならないブンガ・ラランとは、アディルのリング・ネームであった。影絵師である父親は先祖伝来の土地を売る事を頑なに拒み、その遺産相続を巡る諍いの中で3人の出生の秘密が明かされようとしていた。/マレーシアの東海岸、タイ国境に近い架空の街ブノハンを舞台に、殺し屋、ビジネスマン、ボクサーの三兄弟が繰り広げる、限りなく美しくも、残酷で悲劇的なドラマ。ノワール映画の枠組みを借りたマレーシア版「カラマーゾフの兄弟」と形容したくなる物語を土台に、伝統文化ワヤン・クリッの世界観とマレーシアの土着の記憶を掘り起こすような風景が重層的に紡がれている。破壊されて行く土着の文化・自然・コミュニティー…この物語を操る人物はいったい誰なのか。今までにないマレー映画の質感、重厚感に注目。



Bunohan - Trailer(英語字幕付き)





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2012アカデミー賞外国語映画賞:キルギス共和国からの出品作が決定(『誰もいない家』)

キルギス共和国代表作は現在開催中の2012年釜山国際映画祭の ”ア・ウインドウ・オン・アジアン・シネマ(アジアの窓)” 部門にも選出されている、ヌルベク・エゲン監督作『誰もいない家』に決まりました。


ヌルベク・エゲン監督作は2006年度に『婚礼の前に』(←2007年〔第20回〕東京国際映画祭での邦題 / 英題:The Wedding Chest)で同国の代表作となって出品されており、代表作選出は今回で2回めとなります。


キルギス共和国は過去5回出品されていますが、ノミネートはまだありません。



キルギス共和国からの出品作
誰もいない家(←2013年[第8回]大阪アジアン映画祭での邦題)
英題|The Empty Home
原題|Pustoy dom
監督|ヌルベク・エゲン Nurbek Egen
製作国|キルギス共和国 / ロシア / フランス / イギリス


IMDb|Pustoy dom
http://www.imdb.com/title/tt2381347/



The Empty Home (2012) - Trailer|directed by Nurbek Egen
Трейлер к фильму "Пустой Дом" Нурбека Эгена(Treyler k fil'mu "Pustoy Dom" Nurbeka Egena)





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