2013年カンヌ国際映画祭:受賞作のトレーラー&ビデオクリップ(メイン・コンペティション)

● カンヌ国際映画祭 公式サイト(日本語ページ)
  http://www.festival-cannes.com/jp.html


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2013年(第66回)カンヌ国際映画祭 受賞作のトレーラー&ビデオクリップ
(Le Festival International du Film de Cannes / Festival de Cannes)
(Cannes International Film Festival)


【コンペティション部門】 In Competition

パルム・ドール (=カンヌ国際映画祭の最高賞) Palme d'Or
アデル、ブルーは熱い色
英題:The Life of Adele
別英題:Blue Is the Warmest Color(読み|ブルー・イズ・ザ・ウォーメスト・カラー)
原題:La Vie d'Adèle - Chapitre 1&2 (Le bleu est une couleur chaude)
監督:アブドゥラティフ・ケシシュ Abdellatif Kechiche
製作国:フランス
撮影:Sofian El Fani
出演:レア・セドゥ、アデル・エグザルチョプロス、Jeremie Laheurte、  
    Catherine Salée、オーレリアン・ルコワン、Sandor Funtek、他

(シネマトゥデイの作品紹介より)こちら) 【ストーリー】 愛する人と出会うことを夢見る15歳の少女アデル(アデル・エグザルチョプロス)は、ボーイフレンドとのデート中に青い髪の女を見掛け、それが運命の出会いだと感じる。そしてアデルは青い髪の女、エマ(レア・セドゥ)と愛し合うことで女となり、大人になっていく。 / 【ここに注目】 長編3作目の『ラ・グレーヌ・エ・ル・ミュレ(原題) / La graine et le mullet』でベネチア国際映画祭審査員特別賞、セザール賞監督賞を受賞したチュニジア系フランス人のアブデラティフ・ケシッシュ監督。長編5作目の本作でカンヌ国際映画祭初参加となる。繊細で刺激的な作風のケシッシュ監督が取り上げるのは、フランスのコミックを原作にした同性愛に目覚める少女の物語。少女にとっての運命の女を『マリー・アントワネットに別れをつげて』のレア・セドゥが演じる。

Blue Is the Warmest Color - Official International Trailer (1分48秒)


ランタイムが187分(3時間強)で、なんでも「人物のクローズアップ映像が作品の8割がたを占める」とか。・・・・・・それを聞いただけでもう「ワタクシ、ちょっとご遠慮いたします」という感じなのですが・・・。


※ 『The Life of Adele』(Blue Is the Warmest Color)のビデオクリップはカンヌ国際映画祭公式サイト内でも見ることが出来ます。 こちら → http://www.festival-cannes.com/jp/trailers.html




審査員特別グランプリ Grand Prix
Inside Llewyn Davis (読み|インサイド・ルウェイン・デイヴィス)
監督:イーサン・コーエン Ethan Coen
    ジョエル・コーエン Joel Coen
製作国:アメリカ
撮影:ブリュノ・デルボネル
出演:オスカー・アイザック、キャリー・マリガン、ジャスティン・ティンバーレイク、
   ギャレット・ヘドランド、ジョン・グッドマン、F・マーレイ・エイブラハム、他

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) 1961年、グリニッチビレッジで音楽の世界に身を置く若きフォーク歌手の人生。Llewyn Davis(オスカー・アイザック)は交差点にいました。厳しい冬がニューヨークを包み、ギターを手にした若き男がミュージシャンとして生活するために闘い、彼自身の一部となる乗り越えられそうにない障害に立ち向かいます。どんな小さな仕事もやり、友人や見知らぬ人の協力を得て生きていきます。ビレッジのカフェからシカゴの寂れたクラブまで、災難を経験して音楽の巨匠Bud Grossman(F・マーレイ・エイブラハム)のオーディションにたどり着きます。自分が来た道を振り返る前に…

(シネマトゥデイの作品紹介より)こちら) 【ストーリー】 1960年代のニューヨーク。グリーンウィッチ・ビレッジでシンガー・ソングライターとしての成功を夢見るルウェイン・デイヴィス(オスカー・アイザック)の物語。 / 【ここに注目】 ボブ・ディランの憧れの存在でもあったデイヴ・ヴァン・ロンクの自伝に着想を得て、鳴かず飛ばずのシンガー・ソングライターの姿から1960年代のフォークシーンをコーエン兄弟が描く。主演は、『エンジェル ウォーズ』『10イヤーズ(原題)/ 10 Years』で歌声を披露しているオスカー・アイザック。『バートン・フィンク』でパルムドールに輝いているコーエン兄弟だけに、パルムドール候補の上位に当然挙げられるだろう。

Inside Llewyn Davis - Trailer (2分11秒)
※ BGMの歌はボブ・ディランの「Farewell(フェアウェル)」だそうです。2010年リリースの『ザ・ブートレッグ・シリーズ第9集:ザ・ウィットマーク・デモ』(英題: The Bootleg Series Vol. 9 – The Witmark Demos: 1962–1964)に収録されています。







審査員賞 Prix du Jury (The Jury Prize)
そして父になる  
英題:Like Father, Like Son
監督:是枝裕和 Hirokazu Koreeda
製作国:日本
撮影:瀧本幹也
出演:福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、
    二宮慶多、黄升炫、風吹ジュン、國村隼、樹木希林、夏八木勲、他

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) 仕事で成功することばかりを考えている建築家の良多(福山雅治)は、若い妻(尾野真千子)と6歳の息子とともに理想的な家庭を築いています。しかし、息子の生まれた病院の産科から、出生時に赤ん坊の取り違えがあったことを告げられ、全ての価値基準はこっぱみじんに飛び散ってしまいます。育ててきた男の子は自分の子ではなく、本当の息子はずっと質素な家庭で成長していたのです...

(シネマトゥデイの作品紹介より)こちら) 【ストーリー】 学歴、仕事、家庭、全てにおいて申し分のない良多(福山雅治)だったが、突然、自分の息子が生まれた病院内で取り違えられていたことを知る。良多の家族、そして相手の家族は、究極の選択を迫られる。 / 【ここに注目】 柳楽優弥がカンヌ国際映画祭史上最年少で男優賞を受賞したことでも話題になった是枝裕和監督の『誰も知らない』。是枝監督はその第57回以来、3度目のコンペ部門ノミネートとなる。主演は福山雅治。また、その妻を演じる尾野真千子といえばデビュー作『萌の朱雀』がカメラドールを受賞、さらに『殯(もがり)の森』が審査員特別グランプリに輝き、主演に抜てきされた2本がカンヌの名誉ある賞を獲得。尾野のパワーでパルムドールを引き寄せられるか!?

『そして父になる』 予告編 (1分43秒)
Soshite Chichi ni Naru (Like Father, Like Son) (2013) - Theatrical Trailer
directed by Hirokazu Kore-eda (Japan)







監督賞 Prix de la mise en scène (The Best Director Award)
エリ(←2013東京国際映画祭時の邦題)
英題:Heli
監督:アマト・エスカランテ Amat Escalante
製作国:メキシコ
撮影:Lorenzo Hagerman
出演:Armando Espitia、リンダ・ゴンザレス、Juan Eduardo Palacios、他

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) メキシコ。12歳の少女Estelaはドラッグの横領に巻き込まれた若き警察官に恋をしてしまい、彼女の家族が暴力の連鎖にはまります。

(シネマトゥデイの作品紹介より)こちら) 【ストーリー】 市民のほとんどが自動車の組み立て工場か麻薬カルテルで働くしかない小さな町。長男のエリは、突然行方知れずになった父を捜すうちに警官の汚職、麻薬の密売、性的搾取といった暗部に直面し絶望する。 / 【ここに注目】 アマト・エスカランテ監督はスペイン、バルセロナ生まれ。メキシコ、グアナフアトで育ち、出自を生かした題材に臨んできた。長編デビュー作『サングレ(原題) / Sangre』がカンヌ国際映画祭ある視点部門で上映され国際批評家連盟賞を受賞、東京国際映画祭でも上映された。そして続く『Los bastardos』がラテンビート映画祭で上映されるなど、日本でも注目されている。本作はサンダンス・NHK国際映像作家賞を獲得した脚本作品である。


Heli (2013) - Clip 1 (1分04秒)



Heli (2013) - Clip 2 (1分13秒)






脚本賞 Prix du scénario (The Best Screenplay Award)
ジャ・ジャンクー(賈樟柯) JIA Zhangke(Jia Zhang Ke)
作品:罪の手ざわり
英題:A Touch of Sin  原題:Tian Zhu Ding / 天注定
監督:ジャ・ジャンクー(賈樟柯) JIA Zhangke(Jia Zhang Ke)
製作国:中国 / 日本
製作会社;オフィス北野
撮影:ユー・リクウァイ Yu Likwai 

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) 村の指導者たちの腐敗に激怒した鉱夫Dahai(Jiang Wu)は行動を起こす決心をします。出稼ぎ労働者のSan'erは、自分の銃がもたらす無限の可能性に気付きます。サウナの受付係のXiaoyuは、裕福な顧客のしつこい嫌がらせによって追い詰められていきます。Xiaohuiは仕事を転々とし、ますます卑しい状況へと堕ちていきます。4人の登場人物、4つの地方、たったひつとの同じ現代中国の姿。暴力が徐々に蝕む、急激な経済成長の遂げている社会の姿。

(シネマトゥデイの作品紹介より)こちら) 【ストーリー】 四つの町を舞台に主人公も4名というスタイルで、各自が何かしらの問題に直面し、解決を試みるという四つのストーリーが展開される。 / 【ここに注目】 本映画祭の出品歴に『青の稲妻』『四川のうた』がある中国のジャ・ジャンクー監督が、野心作で勝負に出る。「言葉では言い表せないストーリー」だと公言し、これまでのイメージを一新して武侠(ぶきょう)映画へのオマージュとして、初のアクションシーンにも臨んだという。なお監督作の常連で、本国では御用達女優と表現されるチャオ・タオと昨年、結婚。公私共にパートナーとなり気合も十分に、改めて大舞台に臨む。

A Touch of Sin (天注定) (2013) - Trailer (2分01秒)




A Touch of Sin (天注定) (2013) - Clip (2分24秒)




A Touch of Sin (天注定) (2013) - Clip (47秒)







男優賞 Prix d'interprétation masculine (The Best Actor Award)
ブルース・ダーン Bruce Dern
作品:ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
英題:Nebraska
監督:アレクサンダー・ペイン Alexander Payne
製作国:アメリカ
撮影:フェドン・パパマイケル
出演:ブルース・ダーン、ウィル・フォーテ、ステイシー・キーチ、
   ボブ・オデンカーク、デヴィン・ラトレイ、ランス・ハワード、他

(シネマトゥデイの作品紹介より)こちら) 【ストーリー】 酒ばかり飲んでいる初老のウッディ(ブルース・ダーン)だったが、雑誌の宝くじで100万ドルが当選。当選金を受け取るためにモンタナからネブラスカへ行くウッディに、疎遠になっていた息子のデイヴィッド(ウィル・フォーテ)がしぶしぶ付き添うことになる。 / 【ここに注目】 『サイドウェイ』『ファミリー・ツリー』でアカデミー賞脚色賞に輝いたアレクサンダー・ペイン監督の新作は、アルコール中毒の頑固おやじと息子の旅をモノクロ映像でつづるロードムービー。ペイン監督がカンヌ国際映画祭のコンペ部門に登場するのは、2002年の『アバウト・シュミット』以来2度目。クセのある父親を演じる『ジャンゴ 繋がれざる者』などのブルース・ダーンの演技も見どころとなりそう。

Nebraska (2013) - Clip (1分54秒)






女優賞 Prix d'interprétation féminine (The Best Actress Award)
ベレニス・ベジョ Bérénice Bejo 
作品:The Past (読み|ザ・パスト) 
原題:Le Passé     
監督:アスガー・ファルハディ Asghar Farhadi
製作国:フランス
撮影:マームード・カラリ
出演:ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム、ババク・カリミ、
   アリ・モサファ、ポリーヌ・ビュルレ、他

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) 4年間の別居の後、離婚の手続きを踏もうとするフランス人の妻Marie(ベレニス・ベジョ)の頼みによりAhmad(アリ・モサファ)がテヘランからパリに到着します。 短い滞在の間、AhmadはMarieが娘Lucie(ポリーヌ・ビュルレ)と対立しているのに気づきます。関係改善を試みる彼の努力は過去の秘密のベールをめくるのでした。

(シネマトゥデイの作品紹介より)こちら) 【ストーリー】 フランス人の妻マリー(ベレニス・ベジョ)と別れて4年、テヘランに住むアフマド(アリ・モサファ)は正式な離婚手続きを取るためにパリへと戻ってくる。マリーと娘ルーシー(ポリーヌ・ビュルレ)の不和に気付いたアフマドは仲を取り持とうとするものの、思いがけず過去の秘密が暴かれてしまう。 / 【ここに注目】 前作『別離』(2011)でベルリン国際映画祭金熊賞やアカデミー賞外国語映画賞など、世界中の映画賞を席巻したイランのアスガー・ファルハディ監督。新作は国籍の異なる家族が登場する複雑な心理ドラマで、夫婦をメインにイラン社会の縮図を描いた『別離』を思わせる内容。国際的地位を高めたファルハディ監督がフランスでメガホンを取り、『アーティスト』のベレニス・ベジョや『預言者』のタハール・ラヒムが出演していることにも注目だ。

Le passé (The Past) - Trailer (1分44秒)


Le passé (The Past) - Clip 1 (英語字幕付き) (1分43秒)




Le passé (The Past) - Clip 2 (英語字幕付き) (2分09秒)






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カメラ・ドール(新人監督賞) Caméra d'Or
イロイロ ぬくもりの記憶 ※ 「監督週間」エントリー作品。
英題:Ilo Ilo
原題:爸媽不在家
監督:アンソニー・チェン Anthony Chen
製作国:シンガポール
※ 2010年東京フィルメックス "ネクスト・マスターズ最優秀企画賞" 受賞作。

Cannes 2013: Ilo Ilo - Official Trailer (1分49秒)





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2013年カンヌ国際映画祭:受賞作のトレーラー&ビデオクリップ(ある視点部門)

● カンヌ国際映画祭 公式サイト(日本語ページ)
 http://www.festival-cannes.com/jp.html

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2013年(第66回)カンヌ国際映画祭 ある視点部門 受賞作トレーラー&ビデオクリップ
(Le Festival International du Film de Cannes / Festival de Cannes)
(Cannes International Film Festival - Un Certain Regard)



ある視点部門賞 Prix Un Certain Regard (Prize of Un Certain Regard)
消えた画 クメール・ルージュの真実
英題:The Missing picture 
原題:l'image manquante
監督  リティー・パニュ Rithy Panh
製作国 フランス / カンボジア
撮影  リティー・パニュ

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) 世界には多くの画像があり、私たちは全て見尽くし、考え尽くしたと思い込んでいます。私は数年前から失くした画像を探しています。カンボジアを統治していたクメールルージュによって1975年から1979年の間に撮られたものを。写真一枚だけでは大量犯罪を証明できなませんが、私たちに考え、瞑想させてくれます。歴史の構築。アーカイブや、書類、私の国の田舎で探しても無駄でした。今なら知っています、この画像が足りないことを。そして探しません。わいせつで意味がないのでしょうか。だから私が製作します。今日あなた方に私が与えるのは画像や、一枚の画像の追求でなく、追及の画像です。映画がそれを可能にしてくれます。いくつかの画像はいつまでも足りないままですが、他のもので間に合わせられます。このムーブメントの中には人生、戦い、苦しみ、美しさ、失くした顔の悲しみ、理解、そしてたまに気高さ、勇気までもがあります。しかし忘却は永遠にあり得ません。

The Missing picture - Trailer (1分30秒)



『消えた画 クメール・ルージュの真実』日本版予告編








審査員賞 Prix du jury (Jury Prize)
オマール、最後の選択 
原題:Omar
監督   ハニ・アブ・アサド Hany Abu-Assad
製作国 パレスチナ
撮影  Ehab Assal
出演  アダム・バクリ、ワリード・ズエイター、他

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) 占領下のパレスチナ、3人の幼馴染と1人の若い娘が、自由を求める闘いの中で傷ついていきます...

Omar - Trailer







演出賞(監督賞) Directing Prize
湖の見知らぬ男(←2014年(第17回)カイエ・デュ・シネマ週間での邦題)
英題:Stranger by the Lake
原題:L'inconnu du lac
監督  アラン・ギロディ Alain Guiraudie
製作国 フランス
撮影  クレール・マトン  
出演  ピエール・ドィラドンシャン、クリストフ・パウ、
    パトリック・ダスマサオ、ジェローム・シャパット、
    マチュー・ヴェルヴィッシュ、他

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) ある夏。湖畔に隠れたナンパの場所。FranckはMichelに恋します。美しく強く、死ぬほど危険な男。そうとは知りながらもこの情熱に生きたいのでした。

Stranger by the Lake (L'Inconnu du lac) - Trailer (1分29秒)







ある才能賞 A Certain Talent Prize
『La jaula de oro』のアンサンブル・キャスト(出演者たち)
作品:La jaula de oro
監督  ディエゴ・ケマダ・ディエス Diego Quemada-Diez
製作国 メキシコ
撮影  マリア・セッコ
出演  ラモン・メディナ、Rodolfo Dominguez、
    ブランドン・ロペス、他

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) 15歳のJuan、 SaraとSamuelはアメリカに行くためグアテマラを逃げ出します。メキシコ横断の際、スペイン語も話さず身分証明書も持たずに旅するTzotzil語を話すインディアン Chaukに出会いました。彼らはメキシコ国境よりも良い世界に憧れますが、すぐに全く別の現実と立ち向かわなければなりません。

La jaula de oro (2013) - Trailer  (1分35秒)







未来に向けた視点賞(未来賞 / アヴニール賞) Avenir Prize
フルートベール駅で
英題:Fruitvale Station  旧英題:Fruitvale
監督  ライアン・クーグラー Ryan Coogler
製作国 アメリカ
脚本  ライアン・クーグラー
撮影  レイチェル・モリソン
出演  マイケル・B・ジョーダン、オクタヴィア・スペンサー、
    メロニー・ディアス、アーナ・オライリー、
    ジョーイ・オグレスビー、チャド・マイケル・マーレイ、
    ケヴィン・デュランド、リーサ・コーエン、
    アレックス・アレッサンドロ・ガルシア、他

(カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より) 2009年1月1日、22歳のOscar Grant(マイケル・B・ジョーダン)はサンフランシスコの地下鉄の駅Fruitvaleで警察官らとすれ違います。この出会いにより、ある見知らぬ者が三面記事になりました。映画はこの出会いから24時間前を描きます。

Fruitvale Station (2013) - Official Trailer #1 (2分12秒)



『フルートベール駅で』 日本版予告編






共通テーマ:映画

2013年カンヌ国際映画祭|受賞結果|パルム・ドールはどの作品?

2013年(第66回)カンヌ国際映画祭の授賞式が行われ、受賞結果が発表されました。是枝裕和監督作『そして父になる』が審査員賞(Prix du Jury /The Jury Prize)を受賞しました。


【参照記事】 indiewire
'Blue is the Warmest Color' Wins the Palme d'Or at the 2013 Cannes Film Festival; Berenice Bejo and Bruce Dern Win Acting Honors

● 2013年カンヌ国際映画祭 公式サイト内での発表
 (日本語ページ) 受賞作 - 第66回カンヌ映画祭全受賞作


2013年(第66回)カンヌ国際映画祭は2013年05月15日から05月26日まででした。


メイン・コンペティション部門 
審査員長
  スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg 
  (アメリカの映画監督 / プロデューサー)

審査員
  ヴィディヤ・バラン Vidya Balan
    (インドの女優)
  河瀬直美 Naomi Kawase
    (日本の映画監督)
  ニコール・キッドマン Nicole Kidman
    (豪州の女優 / プロデューサー)
  リン・ラムジー Lynne Ramsay
    (イギリスの映画監督 / 脚本家 / プロデューサー)
  ダニエル・オートゥイユ Daniel Auteuil
    (フランスの男優 / 映画監督)
  アン・リー Ang Lee
    (台湾の映画監督 / プロデューサー / 脚本家)
  クリスティアン・ムンジウ Cristian Mungiu
    (ルーマニアの映画監督 / 脚本家 / プロデューサー)
  クリストフ・ヴァルツ Christopher Waltz
    (オーストリアの男優)



短編映画部門 (シネフォンダシヨン部門審査員と兼任)
審査委員長
  ジェーン・カンピオン Jane Campion 
  (ニュージーランドの映画監督 / 脚本家)

審査員
  Maji-da Abdi
    (エチオピアの女優 / 監督 / プロデューサー)
  ニコレッタ・ブラスキ Nicoletta Braschi
    (イタリアの女優 / プロデューサー)
  Nandita Das 
    (インドの女優 / プロデューサー)
  セミフ・カプランオール Semih Kaplanoglu(Semih Kaplanoğlu)  
    (トルコの監督 / 脚本家 / プロデューサー)



カメラ・ドール(=新人監督賞)
審査員長
  アニエス・ヴァルダ Agnès Varda  
  (フランスの映画監督)

審査員
  イザベル・コイシェ Isabelle Coixet
    (スペインの映画監督)
  レジス・ヴァルニエ Régis Wargnier
    (フランスの映画監督)
  クロエ・ロランド Chloé Rolland
    (映画批評家〔Syndicat Français de la Critique de Cinéma〕)
  ミシェル・アブラモヴィッチ Michel Abramowicz
    (フランスの撮影監督 / 写真家)
  エリック・ギラ Eric Guirado
    (スペインの映画監督 / 脚本家)
  Gwénolé Bruneau
    (コダック・エンターテインメント社映画部門
     フランス&ベネルクスのセールス・マネージャー)



● カンヌ国際映画祭 公式サイト(日本語ページ)
  http://www.festival-cannes.com/jp.html


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2013年(第66回)カンヌ国際映画祭 受賞結果
(Le Festival International du Film de Cannes / Festival de Cannes)
(Cannes International Film Festival)

なお、各賞の記述順を修正しました。順番はカンヌ国際映画祭公式サイトの発表に準じてあります。(2013/05/28 記)


【コンペティション部門】 In Competition

パルム・ドール (=カンヌ国際映画祭の最高賞) Palme d'Or
アデル、ブルーは熱い色
英題:The Life of Adele 
別英題:Blue Is the Warmest Color(読み|ブルー・イズ・ザ・ウォーメスト・カラー)
原題:La Vie d'Adèle - Chapitre 1&2 (Le bleu est une couleur chaude)
監督:アブドゥラティフ・ケシシュ Abdellatif Kechiche
出演者:アデル・エグザルチョプロス、レア・セドゥ
製作国:フランス 
脚本:アブドゥラティフ・ケシシュ
   ガーリア・ラクロワ  
原作:Julie Maroh
撮影:Sofian El Fani 
出演:アデル・エグザルチョプロス、レア・セドゥ、Jeremie Laheurte、  
   Catherine Salée、オーレリアン・ルコワン、Sandor Funtek、他
北米配給:サンダンス・セレクツ
映画.comのこの記事によると主演の女優ふたりもパルムドール受賞扱いとのこと。へえー。スピルバーグ監督が授賞式でこの二人の女優さんに対しても言及したとのことでしたが・・・・・・。こういう手があったか・・・。(去年のベネチア国際映画祭でもこの手を使えば・・・そうすれば金獅子賞受賞作は変ってたね。)

(記事より) スティーブン・スピルバーグ審査委員長の特別な配慮により、ケシシュ監督とともに、主演のレア・セドゥーとアデル・エグザルショプロの3人がそろってパルムドールを受賞する形となった。俳優がパルムドールを授与されるのは、カンヌ史上初めて。思春期の少女がレズビアンの女性と出会って恋に落ちる様子を、ハードなベッドシーンも交えて描いた物語で、ふたりの熱演なくしては映画が成り立たなかったという理由から、スピルバーグ審査委員長が「3人のアーティストへ捧げる」と授賞を発表した。




審査員特別グランプリ Grand Prix
インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
英題:Inside Llewyn Davis
監督:イーサン・コーエン Ethan Coen
   ジョエル・コーエン Joel Coen
製作国:アメリカ
脚本:イーサン・コーエン
   ジョエル・コーエン
撮影:ブリュノ・デルボネル
出演:オスカー・アイザック、キャリー・マリガン、ジャスティン・ティンバーレイク、
   ギャレット・ヘドランド、ジョン・グッドマン、F・マーレイ・エイブラハム、他
北米配給:CBSフィルムズ




監督賞 Prix de la mise en scène (The Best Director Award)
エリ(←2013東京国際映画祭時の邦題)
原題:Heli
監督:アマト・エスカランテ Amat Escalante
製作国:メキシコ
撮影:Lorenzo Hagerman
編集:ナタリア・ロペス
出演:Armando Espitia、リンダ・ゴンザレス、
   Juan Eduardo Palacios、他




審査員賞 Prix du Jury (The Jury Prize)
そして父になる
英題:Like Father, Like Son
監督:是枝裕和 Hirokazu Koreeda
製作国:日本
脚本:是枝裕和
撮影:瀧本幹也
出演:福山雅治、尾野真千子、真木よう子、
   リリー・フランキー、二宮慶多、黄升炫、
   風吹ジュン、國村隼、樹木希林、夏八木勲、他
日本配給:ギャガ
※ 『そして父になる』 公式サイト http://soshitechichininaru.gaga.ne.jp/
※ 劇場公開は2013年 10月05日 09月28日より(予定)。 また、09月24日~27日は先行上映予定。




脚本賞 Prix du scénario (The Best Screenplay Award)
ジャ・ジャンクー(賈樟柯) JIA Zhangke(Jia Zhang Ke)
作品:罪の手ざわり
英題:A Touch of Sin
原題:Tian Zhu Ding / 天注定
監督:ジャ・ジャンクー(賈樟柯) JIA Zhangke(Jia Zhang Ke)
製作国:中国 / 日本
製作会社:オフィス北野
脚本:ジャ・ジャンクー(賈樟柯)
撮影:ユー・リクウァイ Yu Likwai 




女優賞 Prix d'interprétation féminine (The Best Actress Award)
ベレニス・ベジョ Bérénice Bejo 
作品:ある過去の行方
英題:The Past 
原題:Le Passé     
監督:アスガー・ファルハディ Asghar Farhadi
製作国:フランス
脚本:アスガー・ファルハディ
撮影:マームード・カラリ
出演:ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム、ババク・カリミ、
   アリ・モサファ、ポリーヌ・ビュルレ、他
北米配給:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス




男優賞 Prix d'interprétation masculine (The Best Actor Award)
ブルース・ダーン Bruce Dern
作品:ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
英題:Nebraska
監督:アレクサンダー・ペイン Alexander Payne
製作国:アメリカ
脚本:ボブ・ネルソン
撮影:フェドン・パパマイケル
編集:ケヴィン・テント
出演:ブルース・ダーン、ウィル・フォーテ、ステイシー・キーチ、
   ボブ・オデンカーク、デヴィン・ラトレイ、ランス・ハワード、他
北米配給:パラマウント・ピクチャーズ



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ヴァルカン賞(アーティスト・テクニシャン / 芸術技巧者のために) 
Vulcain Prize for an artist technician, awarded by the C.S.T.
※ ヴァルカン(Vulcain)はスポンサー名。
Grigris (読み|グリグリス)
監督  マハマト=サレ・ハルーン Mahamat-Saleh Haroun
製作国 チャド / フランス 
撮影  アントワーヌ・エベルレ  
編集  マリー=エレーヌ・ドゾ
出演  Soulémane Démé、Cyril Guei、Anaïs Monory、他



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【短編映画部門】  Short Films

パルム・ドール Palme d'Or du court métrage (The Short Film Palme d'Or)
Safe (13分)
  監督:Moon Byounggon
  製作国:韓国



スペシャル・メンション Mention Spéciale (The Short Film - Special Mention)
※ 2作品のタイ受賞
● Hvalfjordur  (15分)
  英題:Whale Valley
  監督:Gudmundur Arnar Gudmundsson
  製作国:アイスランド Iceland
        デンマーク Denmark

● 37°4 S (11分)
  監督:Adriano Valerio
  製作国:フランス France



佐々木想監督の『隕石とインポテンツ』は残念ながら受賞なりませんでした。

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カメラ・ドール(新人監督賞) Caméra d'Or
イロイロ ぬくもりの記憶
英題:Ilo Ilo
監督:アンソニー・チェン Anthony Chen
製作国:シンガポール
※ 2010年東京フィルメックス "ネクスト・マスターズ最優秀企画賞" 受賞作。


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昨年の『愛、アムール』同様、下馬評でトップだった作品がパルムドールを受賞しました。(ランタイムが187分・・・長い映画だ・・・) 批評家たちの評価が割れ気味だった『Heli』(監督賞受賞)以外はほぼ前評判通り・予想通りで、順当といってよいのではないでしょうか。批評家の評判もよく且つ受賞予想で名が挙がったのに何も受賞できず終いだったのはパオロ・ソレンティーノの『The Great Beauty』くらいで(スピルバーグが感激したということで名が挙がった『The Immigrant』は批評家たちの評価が良くないので・・・)あとは"きちんと割り振った"という感じ。バランス感覚が発揮された結果が出たという印象。今回のコンペティションは常連や著名な監督がずらりと並びそもそもちょっと刺激の少ないラインナップだったし審査員長がスピルバーグ監督ということで(あの方はこういう場面で冒険心を出す人ではないでしょうから。)、攻撃的・意外性のある結末は出にくい環境にあったと思います。

世界各地で同性婚の法制化が進んでいる中で「同性愛もの映画」が最高賞を受賞したのは時代の空気を反映していて良いと思います。(今回の審査員の一人、アン・ーリーは同性愛もの映画でアカデミー賞作品賞受賞を逃した経験がある。) 今回のカンヌでアジア地域の作品が好結果を出したのは審査員にアジア人が3名入っていたことの影響もあったのではないでしょうか。カメラドールもシンガポールの映画へいきました。(カメラドールを決定する審査員はコンペの審査員とは別ですが。) ああそうだ、ある視点部門の受賞作もアジア地区の作品でした。 日本からはコンペへ2作品もエントリーされ短編部門にもエントリーされ、是枝監督とオフィス北野が製作にかかわっているジャ・ジャンクー監督がオフィシャルの賞を受賞したということで、日本関連作は今回大成功だったのではないでしょうか。審査員にも日本人が選ばれましたしね。

福山さんは一部で男優賞候補に挙げられてもいましたが、『そして父になる』の批評家のレビューでは(子役でなく)大人の俳優に関しては特に言及はなかったし、レビュー内で「日本のTVスター」「J-POPスター」という表現を使って福山さんの紹介をしていたところから察するに福山さんの男優賞受賞など到底望むべくこともない状況だったでしょう。報道により『そして父になる』のパルムドール受賞や福山さん男優賞受賞を本気で期待した方にとっては物足りない結果だったかもしれませんが、特に日本のTVでの報道は"盛ってある"ので・・・・・・。

『そして父になる』は、カンヌでのレビューを読むと抑制が効いた演出で真っ当な作品だけれど見ていて話の中に巻き込まれていく感覚が持ちにくく、また道徳面で一方的なオチがついているようで(道徳的だからこそエキュメニカル審査員賞のスペシャル・メンションを受賞したのでしょう)、その「道徳面で一方的」という点でカンヌのパルムドール向きではないような気が・・・。"父子の関係"が自身の作品作りの一大テーマになっているスピルバーグが審査員長でなければパルムドール受賞有望作のひとつにはならなかったのではないでしょうか。逆に、道徳的で心温まるオチというのは一般観客にはアピール度は高いし受賞効果もあって興行的には良い結果が出るのでは。 このまま10月公開じゃ今年のアカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表作にはなれない(自国の映画館で9月末までに一週間以上公開した作品でないと同部門へ出品資格が無い)けど、いいの? 道徳的で心温まるオチというのはアカデミー賞外国語映画賞向きだし、各国から出品されてくるたくさんの候補作の中でカンヌでの受賞歴が有る作品は一目置いてもらえるというアドバンテージがあるのに。9月あたりに一週間~10日間先行上映をやればいいのにね。 (2013/07/02 記) 『そして父になる』の公開日は9月28日に変更されました。また、9月24~27日の4日間は全国の劇場で先行上映されます。



シネマトゥデイ 2013年05月28日付け記事
是枝監督が凱旋帰国!受賞後のオファーは「殺到」ならず?【第66回カンヌ国際映画祭】
是枝監督は「本当は自分の中だけにとっておきたいが」と言いながら、審査委員長を務めたスティーヴン・スピルバーグ監督から「作品を観て、賞から外すつもりはなかった。なんらかの賞を与えようと思っていた」「子どもを遊ばせながらの撮り方について、自分も同じような撮り方をしている」と声を掛けられたことを明かし、授賞式では「あのスピルバーグが自分の名前を呼んでいることに感動した」と振り返った。また、涙を流しながら同作を観ていたという審査員のニコール・キッドマンからも「心に届く作品でした。自分も養子を育てているので」と共感を打ち明けられ、「主演の女優二人がよかった」と感想をもらったそう。

「作品を観て、賞から外すつもりはなかった。なんらかの賞を与えようと思っていた」って・・・・・・世界中の多くの人々が予想した通りのスピルバーグ監督の発言。スピルバーグさん、ナイス。分かりやすい。


Sponichi Annex 2013年05月31日付け
「そして父になる」カンヌ効果で公開前倒し検討 フジ亀山氏明かす


映画.com  2013年07月02日付け記事
福山主演カンヌ審査員賞受賞作「そして父になる」公開日繰り上げ決定!
是枝裕和監督の最新作で、第66回カンヌ映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞した「そして父になる」の公開日が、10月5日から1週間繰り上げて9月28日に変更されることが決定した。1日も早く劇場で観賞したいというファンからの要望に応え、9月24~27日の4日間は全国の劇場で先行上映されることも発表された。


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 (2013/05/28 記) カンヌ国際映画祭の受賞結果の発表で、TVでは日本映画の受賞のことばかり報道し最高賞であるパルムドールを何が獲ったのかを報道しなかったと言われていますが、私は民放地上波の朝のニュース・バラエティ番組(5時半ごろから8時までやっているヤツね)で「パルムドールは"ブルー・イズ・ザ・ウォーメスト・カラー"」と画面に文字表示を付けて報道をしているのを見ました。どこのTV局だったか・・・はっきりとは覚えていませんが多分フジテレビだったと思います。TV局すべてがパルムドールはじめ審査員賞以外の各賞の報道をしたかどうかはわかりませんが、少なくとも一社は行っていた。どうもNHKではパルムドールをどの映画が獲ったを報道をしなかったらしく、だからこういうふうにブツブツ言われるのでしょう。

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(2013/05/28 記) 今年、授賞式での各賞の発表順が例年とは異なったらしいですね。(こちらを参考に。) 各賞の順位付け、特に今回、日本映画が受賞した審査員賞(Prix du Jury)は事実上第何位なのか?に注意が集まっているようです。私はこの賞を事実上の第三席(第三位)だと思っていましたが、「そのとおり、3位だ」「いや、第4位だ」とか「例年は第5位で、今年に関しては第4位扱いだ」と言う人もいて、 なんだかよく分かりません。とにかく、賞をもらえるなんて、それ以前にオフィシャル・セレクションとして選出されカンヌ国際映画祭で公式上映されていること自体も滅多にないことなんだし、「すごいぞ!おめでとう!」でいいんじゃないでしょうかね。


(2013/05/29 記)
シネマトゥデイ 2013年05月29日付け記事
パルムドールは満場一致で決定!河瀬直美監督がカンヌの審査を振り返る【第66回カンヌ国際映画祭】

パルムドール以下受賞作を決定した日は、朝から携帯など、全ての連絡ツールを結果発表後まで預けさせられ、「審査会場もどこか教えてもらっていなかったので、ドライバーに行き先も告げられずに連れていかれました」と徹底した管理下で審査がなされたという。最高賞のパルムドールを受賞したのは、フランス映画『ブルー・イズ・ザ・ウォームスト・カラー(英題) / Blue is the Warmest Colour』。河瀬監督は「(審査委員長のスティーヴン・)スピルバーグから、投票の前にパルムドールの意義について、技術がどうとかではなく、自分の心に一番残った感動作を選びましょうという話がありました」と審査を振り返る。 その後、全員がパルムドールにふさわしいと思った作品を紙に書いて提出。国籍も映画との関わり方も多種多様な審査員たちだったが、なんと主要3部門は全員一致という結果となった。 河瀬監督は「もう今思い出しても泣けてくる」と感動的な一場面だったことを明かした。 今年は、是枝裕和監督の『そして父になる』が日本映画としては26年ぶりに審査員賞を受賞するという快挙もあった。審査員賞については「主要3部門ではなくても、審査員の心を揺さぶった作品」として選出されたとのこと。

ということは「審査員賞は第三席(第三位)ではない」ということですね。なるほど。 全員一致したのかそれとも紛糾したのかどちらなのかとかそういうことは例年話題になり報道されますが、(「紙に書いて「いっせーのせ」で提出し開けてみる」とか「行き先も知らされないまま審査会場へ連れて行かれる」とか)具体的な「賞の決定の仕方」はなかなか知る機会がありませんでした。とても興味深いですね。


CinemaCafe.net 2013年05月30日付け記事
カンヌ帰りの河瀬直美、スティーヴン・スピルバーグは「真面目だった」と報告
中でも審査員長を務めたスピルバーグについては、「彼は真面目だから審査の方法も公平で、意見の発表についても空きビンをルーレットにしてました(笑)」と話し驚きと笑いを誘っていた。

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(2013/05/28 記) このキモチワルイ記事はなんなの?
Sponichi Annex 2013年05月28日付け
獲った!カンヌ審査員賞!福山雅治、世界進出へ

『そして父になる』の海外での配給が決まったというだけで「福山、世界進出」とか言うのはいくらなんでもおかしな表現ではないでしょうかねえ。是枝監督作は今までにも海外で配給されているのでこれが初めての海外配給でもないし、主演した作品が海外配給になったとしてそれを「世界に進出」とは普通言わないよ。(そういうことまで「世界に進出」扱いにしたらもう・・・収拾つかない(笑)。それにカンヌ映画祭で審査員賞を獲ったのははっきり言って福山さんではない。是枝監督です。

俳優、歌手として絶大な人気を誇る福山だが、不思議と大きな賞には手が届かなかった。「そういうのには縁がないんだよなあ」と関係者に漏らしたこともある。

本当にこういうこと言ったのでしょうかねえ。本人がこう語ったというのが本当だとしても、『そして父になる』出演以前の福山さんのフィルモグラフィーでは賞に縁が無くて当然だと思いますけどねえ。こういうヨイショは珍しいことではないとはいえ、ここまで持ち上げなければならないのか。大変なことだね。 あと、デヴィッド・ボウイに似ていると報じられたのは、「所詮、彼は兼業俳優」と"演劇界でのイロモノ"扱いされたということではないの?私はこの「デヴィッド・ボウイに似ている」という報道をそう受け取りました。




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