2014年カンヌ国際映画祭 併催:批評家週間 受賞結果

カンヌ国際映画祭と平行して開催された「批評家週間」(The Critics’ Week)の受賞結果が発表されました。

「批評家週間」はカンヌ映画祭と同時期に開催されますが、カンヌ映画祭主催とは別の組織が運営し表彰します。2014年カンヌ国際映画祭併催の「批評家週間」は、2014年5月15日から5月23日まででした。



【参照】 
● The Hollywood Reporter  2014/05/22付け記事
 Cannes: 'The Tribe' Tops Critics' Week Awards

● The Wrap  2014/05/22付け記事
 Cannes: ‘The Tribe’ Wins Critics’ Week Awards

● indiewire  2014/05/22付け記事
 'The Tribe' Wins Big at 53rd Cannes' Critics Week



※ 公式サイト内での発表
53rd Semaine de la Critique:Prizes List



● Semaine de la Critique (批評家週間) 公式サイト(英語サイト)
 http://www.semainedelacritique.com/EN/index.php


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◆◆◆批評家週間:審査員◆◆◆
 

【大賞(グランプリ)】 Nespresso Grand Prize
審査委員長
アンドレア・アーノルド Andrea Arnold
(イギリスの映画監督 / 脚本家 / 女優)
審査員
ダニエラ・ミッシェル Daniela Michel
(メキシコ:映画批評家 / モレリア国際映画祭 ディレクター / TV司会者)

フェルナンド・ガンゾ Fernando Ganzo
(スペイン:映画批評家 / 映画雑誌の編集長)

ジョーダン・ミンツァー Jordan Mintzer
(アメリカ:映画批評家 / パリ在住)

ジョナサン・ロムニー Jonathan Romney
(イギリス:映画批評家)



【ディスカバリー賞/ヴィジョナリー賞】 
the Sony CineAlta Discovery Prize and the France 4 Visionary Award
審査委員長
レベッカ・ズロトヴスキ Rebecca Zlotowski
(フランスの映画監督 / 脚本家)

ディスカバリー賞 審査員 the Sony CineAlta Discovery Prize
Tine Fischer
(デンマーク:コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭 ディレクター)

坂本安美 Abi Sakamoto
(日本:アンスティチュ・フランセ東京 プログラム主任)

ベニー・ドレクセ Benny Drechsel
(ドイツ:プロデューサー Producer, Rohfilm)

パブロ・ジョルジェッリ Pablo Giorgelli
(アルゼンチン:映画監督)



ヴィジョナリー賞 審査員 the France 4 Visionary Award
Louise RIOUSSE
(フランス:27歳:Cinématraque, Binge)

Sergio HUIDOBRO
(メキシコ:25歳:Corre Cámara)

Andrei RUS
(ルーマニア:28歳:Film Menu Magazine)

Guido SEGAL
(アルゼンチン:30歳:Buendiario)


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(2014年カンヌ国際映画祭 併催) 第53回 批評家週間 受賞結果
La Semaine Internationale de la Critique / Semaine de la Critique
(The International Critics’ Week / The Critics’ Week)

● 2014年「批評家週間」のラインナップは こちら に載せてあります。



【長編作品】 Feature film prizes

Nespresso(ネスプレッソ) 大賞(グランプリ) Nespresso Grand Prize
※ 賞金10,000-Euroが授与される。Nespresso(ネスプレッソ)はスポンサー名。
ザ・トライブ
英題:The Tribe
原題:Plemya
監督:ミロスラヴ・スラボシュピツキー Myroslav Slaboshpytskiy
製作国:ウクライナ
日本配給:彩プロ、ミモザフィルムズ
※ 長編映画初監督作(カメラ・ドール 対象者) 1st Film

The Tribe (2014) - Trailer



The Tribe (2014) - Clip



映画『ザ・トライブ』日本版特報






France 4 ヴィジョナリー賞 France 4 Visionary Award
※ 賞金4,000 Euroが授与される。France 4 はスポンサー名。
ザ・トライブ
英題:The Tribe
原題:Plemya
監督:ミロスラヴ・スラボシュピツキー Myroslav Slaboshpytskiy
製作国:ウクライナ
日本配給:彩プロ、ミモザフィルムズ




SACD賞(劇作家・監督・作曲家協会賞)
The Society of Dramatic Authors, Directors and Composers Prize(Prix SACD/SACD Prize)
※ 賞金4,000 Euroが授与される。
Hope
監督:Boris Lojkine
製作国:フランス


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【短編・中編作品】 Short / Medium Length Films

The Sony CineAlta ディスカバリー賞 The Sony CineAlta Discovery Award
※ ソニー(The Sony CineAlta) はスポンサー名。
Young Lions of Gyps
原題:A Ciambra
監督:Jonas Carpignano



カナル・プリュス(Canal+)賞 Canal+ Award
※ カナル・プリュス(Canal+)はスポンサー名。
Crocodile
監督:Gaëlle Denis



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【その他の賞】 Other Awards

Gan基金からの配給援助 Distribution Grant from Foundation Gan
ザ・トライブ
英題:The Tribe
原題:Plemya
監督:ミロスラヴ・スラボシュピツキー Myroslav Slaboshpytskiy
製作国:ウクライナ
日本配給:彩プロ、ミモザフィルムズ




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2014年カンヌ国際映画祭:シネフォンダシヨン部門 受賞発表|平柳敦子監督作(桃井かおり主演)が第二席を受賞

シンガポールで映画制作をしている日本人監督、平柳敦子さんの『Oh Lucy!』(主演:桃井かおり)が第二席(Second Prize)を受賞しています。 また、第一席から第三席まですべて女性監督が賞を獲得しています。


シネフォンダシヨンは新しい才能を発掘するために1998年に設立された部門で、世界中の映画学校が出品した短・中編映画15~20作品が選出されコンペが行われます。映画製作を専攻している学生たちの作品ということになります。


今年は457校の映画学校から1,631作品が出品され、16作品(フィクション14作品、アニメーション2作品)がピックアップされました。また、16作品のうち9作品が女性による監督作だそうです。



【参照記事】 
・The Wrap  2014/05/22付け記事
 Student Film From U of Texas Wins Cannes’ Cinefondation Prize

・MSN産経ニュース 2014/05/23付け記事
 カンヌ映画祭 学生部門で平柳監督が2位 日本人初
フランス南部で開催中の第67回カンヌ国際映画祭で22日(日本時間23日)、各国の映画学校が推薦する学生映画を集めた「シネフォンダシオン」部門の授賞式が開かれ、平柳敦子監督(38)の「Oh Lucy!」が2位に選ばれた。1998年創設の同部門で日本人が受賞するのは初めて。 平柳監督は長野県生まれ、千葉県育ち。「Oh Lucy!」はシンガポールにあるニューヨーク大大学院ティッシュ・アジア校での卒業製作映画で、22分間の短編。監督から出演を熱望された女優の桃井かおりさんが主演した。 55歳の独身OLが英会話学校に入り、ルーシーという名前と金髪のかつらを与えられて授業を受けるうちに、自分の中に眠っていた欲望が目をさます物語。 授賞式で平柳監督は「撮影のときに子供の面倒を見てくれた家族に感謝したい」と話した。

平柳敦子監督の『Oh, Lucy』はシンガポールからの出品です。平柳敦子監督は17才の時、俳優を志すためにロサンゼルスへ渡って高校を卒業しサンフランシスコの大学で演劇を学び、結婚出産を経て、そののちニューヨーク大学を受験。シンガポールのキャセイ財団から3年間奨学金をもらえることとなり2009年にシンガポールへ渡りニューヨーク大大学院ティッシュ・アジア校で映画制作を学んでいる方なので、日本の映画学校出身ではありません。

【参照】AsiaX(アジアエックス) 2012年08月23日付け 記事(平柳敦子監督に関する記事)
シンガポールから世界へ羽ばたく日本人映画監督が誕生




● 2014年カンヌ国際映画祭 公式サイト内での発表(2014/05/22付け)
アッバス キアロスタミ委員長と審査員が第17回シネフォンダシヨン受賞者発表
なお第一位の受賞者には、(学校卒業後)その初めての長編映画作品がカンヌ映画祭で上映されることが約束されます。




● カンヌ国際映画祭 公式サイト(日本語ページ)
 http://www.festival-cannes.com/jp.html


2014年(第67回)カンヌ国際映画祭は、2014年05月14日から05月25日まで。


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◆◆◆シネフォンダシヨン部門 審査員◆◆◆

審査委員長
アッバス・キアロスタミ Abbas Kiarostami 
(イランの映画監督 / 脚本家)

審査員
ノエミ・ルボフスキー Noémie Lvovsky
(フランスの女優 / 脚本家 / 映画監督)

ダニエラ・トマス Daniela Thomas
(ブラジルの映画監督 / 脚本家 / 造形アーティスト)

マハマト=サレ・ハルーン Mahamat-Saleh Haroun
(チャドの映画監督 / 脚本家)

ヨアキム・トリアー Joachim Trier 
(ノルウェーの映画監督 / 脚本家)


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excite ism(エキサイト イズム) 2014年5月20日付け記事
筆:金谷重朗
金谷重朗氏は東京フィルメックスの実行委員だそうです。(タレンツ・トーキョーは映画分野の人材育成事業として東京都とともに東京フィルメックスが主催している企画。)

「ある視点」。カンヌ映画祭コンペティション以外の部門について

「シネフォンダシヨン」部門でも短篇映画が上映されるが、こちらも1,631本の応募作品から16作品が選出されている(うち2本がアニメーション)。 <中略> シネフォンダシヨン部門には、日本から早川千絵の「ナイアガラ」(ENBUゼミナール制作)が選出されている。 <中略> さらに、学校ごとの応募のため、シンガポール枠だが、日本の平柳敦子の「Oh, Lucy」(ニューヨーク大学ティッシュ校アジア制作)も含まれている。学生映画と侮るなかれ。なんとこの「Oh, Lucy」の主演を務めるのは、あの桃井かおりである。平柳は2011年のタレンツ・トーキョー(旧称タレント・キャンパス・トーキョー)の修了者で、翌年のショートショートフィルムフェスティバルで最優秀賞を受賞した経歴の持ち主である。



平柳が参加したタレンツ・トーキョーは、ベルリン映画祭のベルリナーレ・タレンツ(旧称、ベルリン・タレント・キャンパス)の海外展開の一環でありそのアジア版なのだが、ベルリンのほかにも現在世界では多くの映画祭が新人育成の試みを行っている。カンヌの「シネフォンダシヨン」もそのひとつで、映画祭での上映のほか、若手を対象に企画を公募して選抜者はパリで企画開発のために滞在機会を提供する、文字通りアーティスト・イン・レジデンスである「レジデンス」を実施したり、映画祭期間中にプロデューサーなどとのミーティングの機会が得られる「アトリエ」とともに、上映のみならず複合的に若手育成にコミットしているのが「シネフォンダシヨン」の特徴である。ここに、「完成された映画作品のお披露目の場」に留まらず、主体的に創作にコミットしようとするカンヌの積極的姿勢がみてとれる。

レジデンス……住宅。邸宅。 〔元来は大邸宅や高級住宅の意。日本では集合住宅の名称などに用いられる〕
アトリエ…… 1)画家・彫刻家などの仕事部屋。画室。工房。スタジオ。 2)師匠とその弟子たちからなる芸術家の集団。  3)写真を撮影する部屋。スタジオ。
コミット……かかわり合うこと。関係すること。


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2014年(第67回)カンヌ国際映画祭 シネフォンダシヨン 受賞結果
(Le Festival International du Film de Cannes / Festival de Cannes)
(Cannes International Film Festival - Cinéfondation)


第一位 First Prize (賞金:15,000ユーロ)
なお第一位の受賞者には、(学校卒業後)その初めての長編映画作品がカンヌ映画祭で上映されることが約束されます。
作品:Skunk
監督:Annie Silverstein
学校名:The University of Texas at Austin
国:アメリカ




第二位 Second Prize (賞金:11,250ユーロ)
作品:Oh Lucy!
監督:平柳敦子 Atsuko Hirayanagi
学校名:ニューヨーク大大学院ティッシュ・アジア校
    (NYU Tisch School of the Arts Asia)
国:シンガポール

平柳敦子監督に関する記事
AsiaX(アジアエックス) 2012年08月23日付け記事
シンガポールから世界へ羽ばたく日本人映画監督が誕生

(『Oh Lucy!』|カンヌ国際映画祭公式サイト[日本語版]内の作品紹介より)こちら)【解説】セツ子(桃井かおり)、55歳。東京で働く独身のオフィスレディ。彼女は変わった若い英語の教師からブロンドのウッグと新しい自分“ルーシー”をもらいます。“ルーシー”はセツ子の内に彼女がそれまで知ることのなかった欲望を目覚めさせます。英語教師が急に姿を消した時、彼女は残されたもの‐彼女自身‐と向き会う必要がありました。





第三位 Third Prize (賞金:7,500ユーロ)
※ 2作品のタイ受賞
● 作品: Lievito Madre
 監督:Fulvio Risuleo
 英題:Sourdough
 学校名:Centro Sperimentale di Cinematografia
 国:イタリア


● 作品:The Bigger Picture
 監督:Daisy Jacobs
 学校名:National Film and Television School
 国:イギリス

以上


シネフォンダシヨンへエントリーされている全作品のトレーラーはこちら↓で見ることができます。(カンヌ国際映画祭公式サイト内)
http://www.festival-cannes.com/jp/trailers/cinefondation.html?year=2014




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