2015年度(第88回)アカデミー賞外国語映画賞|日本からの出品作が決定(『百円の恋』)|日本代表作選考への出品作リスト、選考者名等は公表されず。選考過程は毎度不透明|Trailer - "100 Yen Love"|Japan has selected Masaharu Take’s "100 Yen Love" for the Best Foreign-Language Film category at the 88th Academy Awards

日本代表作は2014年東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門作品賞受賞の『百円の恋』に決まりました。



日本からの出品作
百円の恋(2014年)
英題|100 Yen Love
監督|武 正晴 Masaharu Take
配給|株式会社スポッテッドプロダクションズ
製作|東映ビデオ


IMDb|Hyakuen no koi
http://www.imdb.com/title/tt4080598/



stupid 過ぎて、言葉を失うわ。 これが昨年(2014年)10月から今年(2015年)9月末までの間に公開された日本映画のうちで最も優れた作品である(……と日本の選考委員が見なしている)、と対外的に認識されるわけです。カンヌ国際映画祭のコンペにピックアップされた作品を選ばずに出品させてきた『百円の恋』という映画を、国際的知名度殆ど無しの映画をアカデミー賞外国語映画賞部門の(米国での)選考委員たちはどう捉えるのか? はてさて。各国はかなり戦略的になってきているのに、日本は……。是枝監督の『海街diary』も、仮に日本代表になったとしても、最終選考に進む9作品リストに入るのも難しいかもしれないけれど、少なくとも”カンヌのコンペに選ばれた作品”という知名度におけるアドバンテージはあったはず。そういうアドバンテージを活かすこともなく、結局日本代表作はまたもや相当厳しい戦いを強いられる。

それから。インディペンデント映画がアカデミー賞外国語映画賞日本代表になったのはこれが初めてじゃない。

アカデミー賞外国語映画賞部門の日本代表作になることに重きを置きたがっている、映画ジャーナリズムに何らかの関わりを持っている人たち。何故彼らは日本代表作の選考過程が明らかになっていない現実を指摘しないのか?(日本代表作選考には他にどんな作品が出品されたのか/誰が選んでいるのか等は公表されない) 不透明な選考で選出された日本代表作をただ「自分がその作品を気に入っているから」という理由で持ち上げ、快挙だとか言っているだけでは話にならんよ。(そんなにまで褒めそやされるほど良い作品で、且つ”世界で通用する映画” であるのであれば、なぜトロント国際映画祭のいずれかの部門、例えば新人監督向けのディスカバリー部門で選出されないのよ。 ”映画広告屋”タイプの映画業界人の言う事は割り引かないとね。)


(2015/11/23 追記) 『百円の恋』、有料配信で見ました。個人的には、今作が各国代表作と競い合うコンペティションを勝ち抜けるという気はしないけどなあ。他国の作品がによほどめぼしいものがなければ9作品リスト入りする!?…か。ここまで平明な物語でシンプルな展開では……それに突出した作家性も無いし。そういうことを鑑みるに、ちょっと厳しいんじゃないかなあ。 ―これ、もしも作品内にセックス描写さえ無ければ、(単館系扱いでなく)メインストリームの映画として中程度の規模で公開出来たような内容だし、スマッシュヒットが狙えるような大衆性のあるストーリーでしょ。そういう作品が昨今のアカデミー賞外国語映画賞部門で評価されるとは思えないんだけどなあ。さて、どうなるでしょうね。一次予選突破の9作品のリスト入りでもすれば注目され、安藤さくらさんはじめ今作出演の俳優たちの奮闘ぶりを目撃する人も増えるでしょうから、その点において期待したいとは思うけども……。

(2016/03/04 追記) やっぱり『海街diary』を日本代表作として送るべきだった。演出/撮影/美術等を含め総合的には『海街diary』のほうがはるかに上だった。




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