2016年(第69回)ロカルノ国際映画祭 受賞結果発表

2016年(第69回)ロカルノ国際映画祭の受賞結果が発表されました。

映画『ディストラクション・ベイビーズ』で現代の映画人(シネアスツ・オブ・ザ・プレゼント)部門へ選出されていた真利子哲也監督が新進監督賞を受賞しています。



● 公式サイト内 発表 (2016/08/13付け)
Palmarès 2016( ttp://www.pardolive.ch/pardo/pardo-live/today-at-festival/2016/day-11/loc-69-palmares/palmares-2016.html )



【参照】
● Screendaily.com  2016/08/13付け
'Godless' triumphs in Locarno( ttp://www.screendaily.com/news/godless-triumphs-in-locarno/5108445.article?blocktitle=LATEST-FILM-NEWS&contentID=40562 )


● indiewire.com  2016/08/13付け
Locarno Film Festival 2016: ‘Godless’ Wins Top Jury Prize, ‘I, Daniel Blake’ Takes Audience Award( ttp://www.indiewire.com/2016/08/locarno-film-festival-2016-palmares-godless-i-daniel-blake-audience-award-1201716588/ )



2016年(第69回)ロカルノ国際映画祭は2016年8月3日から8月13日まででした。



● ロカルノ国際映画祭 公式サイト(トップページ) Festival del film Locarno


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◆◆2015年(第68回)ロカルノ国際映画祭|審査員◆◆


【インターナショナル・コンペティション部門】

審査員

アルトゥーロ・リプスタイン Arturo Ripstein ※審査員長
(メキシコの映画監督)

ケイト・モラン Kate Moran
(フランスの女優)

Rafi Pitts
(イランの映画監督)

ホドリゴ・テイシェイラ Rodrigo Teixeira
(ブラジルの映画プロデューサー)

ワン・ビン(王兵) Wang Bing
(中国の映画監督)


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2016年(第69回)ロカルノ国際映画祭 受賞結果
(Locarno International Film Festival / Festival internazionale del film di Locarno)

他の部門の受賞結果は公式サイトの発表をご覧ください。



【インターナショナル・コンペティション部門】
International Competition / Concorso internazionale


金豹賞 Pardo d'oro(Golden Leopard)

Godless
ブルガリア題|Bezbog
監督|Ralitza Petrova
製作国|ブルガリア / デンマーク / フランス



審査員特別賞 Premio speciale della giuria(Special Jury Prize)

Scarred Hearts
原題|Inimi Cicatrizate
監督|ラドゥ・ジュデ Radu Jude
製作国|ルーマニア / ドイツ



監督賞 Pardo per la migliore regia(Best Director/Best direction)
ジョアン・ペドロ・ロドリゲス João Pedro Rodrigues
  作品|鳥類学者(←2016年東京国際映画祭での邦題)
  (原題)|O Ornitólogo
  (英題)|The Ornithologist
  製作国|ポルトガル / フランス / ブラジル



女優賞
Pardo per la miglior interpretazione femminile(Best Actress)

イレーナ・リヴァノヴァ Irena Ivanova
  作品(英題)|Godless
  監督|Ralitza Petrova
  製作国|ブルガリア / デンマーク / フランス



男優賞
Pardo per la miglior interpretazione maschile(Best Actor)

アンジェイ・セヴェリン Andrzej Seweryn
  作品|最後の家族(←ポーランド映画祭2016での邦題)
  原題|Ostatnia Rodzina
  英題|The Last Family
  監督|ヤン・P・マトゥシンスキ Jan P. Matuszyński
  製作国|ポーランド



スペシャル・メンション Special mention

Mister Universo(原題)
監督|Tizza Covi
   Rainer Frimmel
製作国|オーストリア / イタリア



インターナショナル・コンペティション部門へは富田克也監督作『バンコクナイツ』と塩田明彦監督作品『風に濡れた女』が選出されていました。

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【現代の映画人(シネアスツ・オブ・ザ・プレゼント)部門】
Cineasts Of The Present


金豹賞 
Pardo d’oro Cineasti del presente – Premio Nascens(Golden Leopard in the Filmmakers of the Present)

El Auge Del Humano(原題)
監督|Eduardo Williams
製作国|アルゼンチン / ブラジル / ポルトガル



審査員特別賞 
Premio speciale della giuria Ciné+ Cineasti del presente(Special Jury Prize)

The Challenge   http://www.imdb.com/title/tt5943708/
監督|Yuri Ancarani
製作国|イタリア / フランス / スイス



新進監督賞
Premio per il miglior regista emergente(Best Emerging Director)

真利子哲也 Mariko Tetsuya
  作品|ディストラクション・ベイビーズ
  英題|Destruction Babies
  製作国|日本



スペシャル・メンション Special Mention

Viejo Calavera(原題)
監督|Kiro Russo
製作国|ボリビア / カタール


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【オペラ・プリマ(新人監督賞)】 Opera prima(First Feature)


新人監督:金豹賞
Swatch First Feature Award (Prize for Best First Feature)

El Futuro Perfecto(原題)
監督|Nele Wohlatz
製作国|アルゼンチン



アート・ピース・ホテル賞 Swatch Art Peace Hotel Award

Maud Alpi
  作品(原題)|Gorge coeur ventre
  製作国|フランス



スペシャル・メンション Special mention

El Auge Del Humano(原題)
監督|Eduardo Williams
製作国|アルゼンチン / ブラジル / ポルトガル


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NHKニュース   2016年8月14日(3時10分)
ロカルノ映画祭 真利子哲也監督など日本の3作品が受賞
( ttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20160814/k10010635031000.html?utm_int=news-culture_contents_list-items_001 )

ヨーロッパの伝統ある映画祭の1つ、スイスの「ロカルノ映画祭」で、日本の映画監督、真利子哲也さんが「新鋭監督賞」に選ばれるなど、日本の3つの作品が賞を受賞しました。スイス南部の保養地ロカルノで毎年開かれているこの映画祭は、若手の映画監督の登竜門とも言われていて、13日、ことしの受賞作品の発表などが行われました。このうち「新鋭監督コンペティション部門」では、けんかを繰り返す若者と、そのカリスマ性に引き込まれ、ともに凶行に及んでいく若者たちを描いた作品、「ディストラクション・ベイビーズ」の真利子哲也さんが新鋭監督賞に選ばれました。新鋭監督賞はこの部門で贈られる3つの賞のうちの1つで、真利子さんは、社会の中に存在するさまざまな形の暴力を描いたことが高く評価されたということです。

「この映画祭は、若手の映画監督の登竜門と言われ……」まぁそうなんでしょうけど、ベテラン監督の作品もかなりピックアップされているのが実情。昨年の同映画祭最高賞の金豹賞を獲ったのはホン・サンスだし。(今年は新人が受賞) 今回、インターナショナル・コンペティション部門で受賞した人の中には以前にもロカルノ国際映画祭で受賞した経験がある監督もいて、なんというか…常連さんでぐるぐる回している感じもなきにしもあらず。


また、若い映画ファンが審査員を務める「若手審査員部門」では、アジアと日本との歴史的なつながりを元自衛官の目から描いた、富田克也監督の「バンコクナイツ」が、最優秀作品に選ばれたほか、恋の駆け引きを情熱的に描いた、塩田明彦監督の「風に濡れた女」も入賞しました。

「若手審査員賞(Youth Jury Award)は併設賞で、(真利子哲也監督が受賞したような)オフィシャルの賞とは違うはず。


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ロカルノ国際映画祭の4大主要スポンサーのひとつである Azienda Elettrica Ticinese(AET)が今年いっぱいでロカルノ国際映画祭のスポンサーを降りることを決定した、とのこと。AET社は2002年より15年に渡りスポンサーを務めてきました。


【参照】 Screendaily.com  2016/08/13付け
Locarno sponsor to pull out after 15 years( ttp://www.screendaily.com/news/locarno-sponsor-to-pull-out-after-15-years/5108438.article?blocktitle=LATEST-FILM-NEWS-HEADLINES&contentID=44435 )


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(2016/08/15 追記)


ロカルノ国際映画祭に関するNHKでの報道(↑上にリンクと引用を載せてあります)ですが、日本人の受賞者にしか触れておらず最高賞受賞者への言及が無いという批判を見かけました。


確かに、14日(日)朝6時台のNHK総合の報道でも最高賞の受賞作が何であったのかは触れていませんでした。(上記の NHK NEWS WEB のロカルノ国際映画祭に関する記事は14日朝のニュース内で読み上げられた原稿を記載していると思われます。)


ですが私は、ロカルノ国際映画祭の受賞結果の報道がTVで行われたこと自体にむしろ驚いたくらいでした。というのも、ロカルノ国際映画祭というのは一般的にメジャーな映画祭ではありませんしNHKの朝のニュースで取り上げられるほどのニュースバリューがあるとは思っていなかったからです。


NHKが毎回ロカルノ国際映画祭の受賞結果をTVニュースの中で報道しているのかどうか……今回、日本人監督がオフィシャルな賞を受賞したからこその報道であったのかもしれません。金豹賞を受賞した監督がそこそこ有名な監督であれば言及したかもしれませんが、今回の金豹賞受賞者は長編映画初監督という新人監督で、名前の日本語表記も確定していないような無名な監督でしたので、触れず終いになったのも無理からぬことかもしれません。


そもそもロカルノ国際映画祭は日本で映画なりエンタメなりに関わっている方々の中においてもそれほど関心を持たれているという気もしませんが、そのへんはどうでしょうか?


今回はメインのコンペティション部門へ2名が、キャリアの浅い監督作が選出される部門へ1名がエントリーされました。それらの監督たちに直接関わりを持っている方もしくは直接の関わりはないものの関心を抱いている方はロカルノ国際映画祭の受賞結果に反応したでしょうが、ツイッターで「ロカルノ国際映画祭」というキーワードで検索をかけてみても日本人監督の受賞に言及し称賛しているものが大半を占めています。


もしHNKの報道に不満があるのであれば、貴方がたがツイッターなり自分の関わっている告知媒体なりでロカルノ国際映画祭の最高賞やその他のオフィシャルの賞について書けばいいではないですか。先ほども言いましたが、そもそも自分たちはロカルノ国際映画祭にそこまで関心あるのでしょうか?毎年の結果を気にしていますか?


ツイッターのTLにロカルノの話題が流れてきて初めて「ああ、ロカルノ映画祭やっていたんだ」と気づいただけじゃないのですか?映画祭の結果も他人様が書いた記事なりツイートなりをリツイートして済まし、いかにも「私はこういう催し物にも関心があるんですよ」と意識高いところをアピールして終わっているだけじゃないのですか?どうなのよ?


メジャーの報道機関を批判だけしてドヤ顔している不遜な様は滑稽です。(いや、映画祭の受賞結果を報道するのに自国の監督の受賞だけを報道し最高賞を報道しないという報道機関としての姿勢を非難しているだけ、とおっしゃるのかもしれませんけどもね。)



タグ:映画祭 邦画

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