2012年ベルリン映画祭:受賞作のトレーラー

メイン・コンペティション部門

金熊賞 Golden Bear
塀の中のジュリアス・シーザー
Caesar Must Die  原題:Cesare deve morire
  監督:パオロ・タヴィアーニ、ヴィットリオ・タヴィアーニ Paolo Taviani, Vittorio Taviani
  製作国:イタリア 
  出演:ファビオ・カヴァリ、サルヴァトーレ・ストリアーノ、ほか
※ 北米配給権をアドプト・フィルムズ(Adopt Films)が獲得。 (2012/02/20)
※ 日本での劇場公開、決定。 2013年01月26日より(予定)。 配給はスターサンズ。 (2012/10/04)

(シネマトゥデイの作品紹介より) 【ストーリー】シェイクスピア劇「ジュリアス・シーザー」が幕を閉じ、演者は万雷の拍手に包まれる。そして受刑者である演者は、重警備刑務所レビッビアの官房へと戻っていく。ある者は「芸術に接したことで、本当の監獄を知った」と嘆く。/イタリアの映画監督・脚本家ユニットであるタヴィアーニ兄弟は、翻案作品では文豪トルストイ作品が最も多く、本作ではシェイクスピア作の悲劇を取り入れた。リハーサルに半年を費やし、役者がキャラクターを理解するためにシェイクスピアの語彙がいかに有用か、そして友情と裏切りの相互作用などを実証しようとしたドキュメンタリー作品。『父/パードレ・パドローネ』でカンヌ映画祭のパルムドール賞を、そして『サン★ロレンツォの夜』で同映画祭審査員特別グランプリを受賞している。鋭い着眼点がもたらす、古典演劇と現代の比較がどんな影響を与えるのか。 

映画.comより 実際の刑務所を舞台に、囚人たちを起用して撮影されたフィクションだ。シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」を囚人たちが演じるという大胆なアイデアで、彼らのライバル意識が現場にもたらすサスペンス。暴君のもとで自由を求めるキャラクターたちと、彼ら自身の境遇の共通性など、随所にフィクションと現実がオーバーラップし、金熊賞に相応しい見応えのある作品である。 


Caesar Must Die (原題:Cesare deve morire) - Trailer (1分30秒)






銀熊賞(審査員特別賞) Silver Bear, Jury Grand Prix
Just the Wind 原題:Csak a szél
  監督:ベンス・フリーガウフ(ベネデク・フリーガウフ) Benedek Fliegauf
  製作国:ハンガリー / ドイツ / フランス
  出演:Lajos Sarkany、Katalin Toldi、ほか

(シネマトゥデイの作品紹介より) 【ストーリー】ハンガリーの森の小屋で病弱な父と二人の子どもとひっそり暮らすロマ人のマリ。最近、近くに住むロマ人の家族が次々と銃殺され、不安の中で過ごしていた。そんな中、息子のリオはあることの準備に夢中になっていた。/2008年から2009年にかけて、ハンガリーで実際にあったレイシストによるロマ人殺害事件を基に映画化。監督のベンス・フリーガウフは、本映画祭で上映された『レンゲテグ(原題) / Rengeteg』『ディーラー(原題) / Dealer』の2本がコンペ外ではあるものの受賞経験のあるハンガリーの逸材だ。主演には、6か月をかけて探したロマ人のアマチュア俳優を起用している。ロマ人の人権がテーマだけに、社会派で知られる審査委員長マイク・リーが注目しないはずがない。 


Just the Wind (原題:Csak a szél) - Trailer (2分14秒)






銀熊賞(監督賞) Silver Bear, Best Director
クリスティアン・ペツォールト Christian Petzold
  作品:東ベルリンから来た女  原題:Barbara
  製作国:ドイツ
  出演:ニーナ・ホス、ロナルド・ツェァフェルト、ほか
※ 北米配給権をアドプト・フィルムズ(Adopt Films)が獲得。 (2012/02/20)

(シネマトゥデイの作品紹介より) 【ストーリー】1980年、東ドイツの夏。女医のバーバラは、西側への移住申請をしたが、小さな村の診療所への左遷の命が下される。彼女は郊外の生活に魅力を感じられないまま、西側にいる恋人の手引きによる国外逃亡を計画していた。/ハルーン・ファロッキ監督とハルトムート・ビトムスキー監督の下でアシスタントを経験した「ベルリン派」のクリスティアン・ペツォルト監督。本映画祭コンペ部門への出品は『幻影』『イェラ』に次ぐ3作目となる。リアルさと政治色にこだわる作風で、女性主人公の「監視されることに対する恐れ」という人間心理を突く意欲作だ。ニーナ・ホスは『イェラ』で本映画祭主演女優賞に輝き、昨年の審査員を務めた。監督と女優のコラボはベネチア映画祭に出品した『ジェリコ(原題) / Jerichow』も含め5度目ゆえ、地元ベルリンの期待値は高い。 


Barbara (2012) - Trailer (1分56秒)






銀熊賞(女優賞) Silver Bear, Best Actress
レイチェル・ムワンザ Rachel Mwanza
  作品:魔女と呼ばれた少女 英題:War Witch 原題:Rebelle
  監督:キム・グエン Kim Nguyen
  製作国:カナダ 
  出演:レイチェル・ムワンザ、アラン・バスティアン、ほか
※ トライベッカ・フィルム(Tribeca Film)が北米での配給権を獲得。
  (2012/06/13付け)
 
(シネマトゥデイの作品紹介より) 【ストーリー】内戦中のアフリカの村で、突然現れた反乱軍によって少女の村は焼き払われ、両親も殺されてしまう。さらわれてジャングルに連行された彼女は、無理やり子ども兵としての訓練を受けさせられ、さらには血も涙もない指揮官の夜の相手まで務めさせられていた。/気鋭のキム・グエン監督は、監督だけでなく脚本やプロデューサーまでこなす器用さを持ち合わせている。まだ世界的認知度は低いものの、これまで『グレート・ブルー』で有名なジャン=マルク・バール出演の『ラ・シエ(原題) / La cite』や、『アサインメント』のセリーヌ・ボニアーが出演する『トリュフ(原題) / Truffe』などの作品を手掛けてきた。アフリカの内戦の過酷さを見据えた本作で、初めてベルリン映画祭の大舞台に立つことになるが、社会派作品に重点を置く本映画祭の話題をさらうことは間違いない。

War Witch (2012) - Official Trailer (1分31秒)






銀熊賞(男優賞) Silver Bear, Best Actor
ミケル・ボー・フォルスガード Mikkel Boe Følsgaard (Mikkel Følsgaard)
  作品:ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮
       英題:A Royal Affair 原題:En kongelig affære

銀熊賞(脚本賞) Silver Bear, Best Screenplay
ニコライ・アーセル Nikolaj Arcel
ラスマス・ヘイスターバング Rasmus Heisterberg
  作品:ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮
       英題:A Royal Affair 原題:En kongelig affære
 ※ ニコライ・アーセルとラスマス・ヘイスターバングは、
   『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009年)の脚本家コンビ。

A Royal Affair (原題:En kongelig affære)
  製作国:デンマーク / チェコ共和国 / ドイツ / スウェーデン
  出演:マッツ・ミケルセン、トリーヌ・ディルホム、ミケル・ボー・フォルスガード、ほか
※ マグノリア・ピクチャーズ(Magnolia Pictures)が北米での配給権を獲得。
  (2012/08/02付け)

(シネマトゥデイの作品紹介より) 【ストーリー】クリスチャン7世の侍医としてデンマーク宮廷に入ったドイツ人のストルーエンセ。王の信頼の厚いストルーエンセは摂政となり、一方で王妃カロリーネを愛人にしていた。貴族政治の改革を行おうとするストルーエンセだったが、それが原因で悲劇を招くこととなり……。/デンマーク王クリスチャン7世の王妃カロリーネと王の侍医ストルーエンセの、国家をも揺るがす禁じられた恋を描いた恋愛ドラマ。『アフター・ウェディング』『タイタンの戦い』といったデンマーク国内外の作品に出演するマッツ・ミケルセンが、ストルーエンセ役を演じる。ニコライ・アーセル監督は『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の脚本を担当したということもあり、本作のコンペ出品でさらに知名度を高めることができそうだ。


A Royal Affair (原題:En kongelig affære)
Official UK Trailer (1分48秒)






銀熊賞(芸術貢献賞) Silver Bear, Extraordinary Artistic Achievement
ルッツ・ライテマイヤー (撮影) Lutz Reitemeier
  作品:White Deer Plain  原題:白鹿原 / Bai lu yaun
  監督:ワン・チュエンアン (ワン・チュアンアン / 王全安) Wang Quan'an
  出演:チャン・フォンイー、キティ・チャン、ほか

(シネマトゥデイの作品紹介より) 【ストーリー】中国の陝西省にある小さな村には二つの名家があり、両一族、そして各家の二人の息子たちも共に助け合いながら平和に暮らしていた。だが、ある日、土地の利権に絡んだ騒動が起こり、村に新しくやってきた若い女性がその騒動に巻き込まれる。/内モンゴルを舞台にした『トゥヤーの結婚』で、2007年の本映画祭で金熊賞の栄誉に輝いたワン・チュアンアン監督。これまであまり有名俳優を使わなかったが、今回は『運命の子』などの名優チャン・フォンイーや、『ミラクル7号』のキティ・チャンなどのスターを起用し、ちゃっかり彼女と結婚までしてしまった。中国からのコンペ部門出品作は、今年はチュアンアン監督作品1本だけになることもあり、中国・陝西省を舞台にした壮大な歴史大作が、2度目のグランプリ受賞の快挙に期待がかかる。


White Deer Plain (原題:白鹿原) - Clip (2分35秒)





アルフレード・バウアー賞 Alfred Bauer Prize
熱波 Tabu (ドラマ / モノクロ映画)
  監督:ミゲル・ゴメス Miguel Gomes
  製作国:ポルトガル / ドイツ / ブラジル / フランス
  出演:テレサ・マドゥルガ、ローラ・ソヴェラル、ほか

(シネマトゥデイの作品紹介より) 【ストーリー】ピラールの隣人の老女は、カーボベルデ人のメイドと共に暮らしていた。ある日、老女が亡くなった後、ピラールは偶然彼女の遺品の中からかつての恋人にあてた手紙を発見し、それを投函することを決意する。/当初はポルトガルで映画批評家としてキャリアをスタートさせたミゲル・ゴメスは、同時に短編映画を自分で手掛けるようになり監督としての頭角を現す。やがて2008年に『私たちの好きな八月』を発表し、南米で最大規模のサンパウロ国際映画祭で批評家賞を受賞するほか、同作はカンヌ映画祭の監督週間にも出品されて大きな反響を呼ぶ。1972年生まれの新鋭監督がモノクロームの映像で紡ぐ、ノスタルジックな回想録の不思議な魅力に引き込まれる。


Tabu - Clip 2 (2分49秒)






スペシャル・メンション Special Mention
シモンの空  シスター(←第19回大阪ヨーロッパ映画祭時の邦題)
英題:Sister  原題:L'enfant d'en haut
  監督:ウルスラ・メイヤー(ウルスラ・メイエ) Ursula Meier
  製作国:スイス / フランス
  出演:レア・セドゥー、ケイシー・モテ・クライン(ケイシー・モッテ=クライン)、
     マーティン・コムストン、ジリアン・アンダーソン、ほか
※ 北米配給権をアドプト・フィルムズ(Adopt Films)が獲得。 (2012/02/20)

(シネマトゥデイの作品紹介より) 【ストーリー】スイスのスキーリゾート地。12歳のシモンは金持ちの観光客のスキーや用具を盗み、子どもたちに転売していた。姉のルイーズは仕事を失ったばかりでシモンの稼ぎに依存していたが、シモンが取り返しのつかない事件を起こしてしまい……。/『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』で女殺し屋を演じたレア・セドゥーと、ケイシー・モテ・クラインが主演。長編劇映画デビュー作『ホーム 我が家』が2008年カンヌ映画祭批評家週間で上映されたウルスラ・メイヤー監督は、東京国際映画祭でも紹介されて評価が高かった。2作目となる本作が今後のキーポイントとなりそう。



Sister (原題:L'enfant d'en haut) - Clip (1分12秒)





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短編映画部門

短編映画 金熊賞 Golden Bear for the Best Short Film 2012
Rafa (製作国:ポルトガル / フランス)
  監督:João Salaviza

Rafa - Clip (46秒)






短編映画 銀熊賞(審査員賞) Jury Prize (Silver Bear) 2012
グレートラビット 英題:The Great Rabbit (製作国:フランス)
  監督:和田淳 Atsushi Wada

グレートラビット 'The Great Rabbit' - Trailer  (54秒)





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