2010年度 アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作(トレーラーあり)
2010年度 アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作 5作品
Biutiful ビューティフル (原題:Biutiful) (メキシコ)
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督 Alejandro González Iñárritu
ヨーロッパ映画賞
2003年 『21グラム』 インターナショナル(非ヨーロッパ)作品賞ノミネート
カンヌ国際映画祭
2006年 『バベル』 監督賞受賞
アカデミー賞
2000年 『アモーレス・ペロス』 外国語映画賞ノミネート
2006年 『バベル』 作品賞・監督賞ノミネート
Biutiful -Official Trailer
籠の中の乙女 (英題:Dogtooth 原題:Kynodontas) (ギリシャ)
ヨルゴス・ランティモス監督 Giorgos Lanthimos (Yorgos Lanthimos)
カンヌ国際映画祭
2009年 『Dogtooth』 「ある視点」賞受賞
裕福な両親と暮らす3人の子供たち。彼らは「この家の外は恐ろしい場所だ」と教えられ、外界と接することを禁じられて屋敷から出ることなく育った。やがて子供たちは思春期を迎え…。
Dogtooth - Official Trailer
未来を生きる君たちへイン・ア・ベター・ワールド
(英題:In a Better World/原題:Hævnen) (デンマーク)
スサンネ・ビア監督 Susanne Bier
ヨーロッパ映画賞
2005年 『ある愛の風景』 監督賞ノミネート
2006年 『アフター・ウェディング』 監督賞ノミネート
アカデミー賞
2006年 『アフター・ウェディング』 外国語映画賞ノミネート
難民キャンプで活動するため、デンマークの田舎町にある自宅とアフリカを行ったり来たりしている医師。彼には妻と二人の子供がいるが、妻とは離婚の危機にあった。夫妻の長男は学校でいじめにあっていたが、そんな彼のことを母親を病気で亡くしたばかりのロンドンからの転校生がかばうようになった。彼らは友情を深めていったが……。
In A Better World (Hævnen) - Trailer
Outside the Law (原題:Hors-la-loi) (アルジェリア)
ラシッド・ブシャール監督 Rachid Bouchareb
アカデミー賞
2006年 『デイズ・オブ・グローリー』 外国語映画賞ノミネート
第2次大戦後のフランスからの独立戦争を背景にしたアルジェリア人3兄弟のドラマ。アルジェリアで住む場所を失い、母と3人の息子達はばらばらに暮らすようになる。兄弟のうち一人はインドシナで戦っているフランス軍に加わり、一人はフランスでのアルジェリアの独立運動のリーダーになり、もう一人はクラブとボクシングホールで財を成そうとしてパリへ移る。やがて3兄弟はパリで再会する……。
Outside The Law - Trailer
灼熱の魂 Incendies (カナダ)
デニ・ヴィルヌーヴ監督 Denis Villeneuve
ベルリン国際映画祭
2001年 『渦』 国際映画批評家連盟賞受賞
カンヌ国際映画祭
2008年 『Next Floor』 Canal+賞受賞
亡くなった母親の最期の望みを叶えるため、遺された双子のきょうだいが中東への旅に出る。―母親の遺言書を預かっていた弁護士から、死んだものと思っていた彼ら双子の父親が生きていると、そして母親には彼らとは別にもうひとり子供がいた、と知らされる。さらに、母親が中東へ残してきた子供と父親を探し出し彼らに宛てた母親の手紙を手渡すことが亡くなった母親の望みであると告げられる。まだ見ぬきょうだいを、そして父親を探しにいくことになったが、それは彼らが知らされていなかった母親の過去を探ることでもあった……。
Incendies - Trailer
『灼熱の魂』 日本版予告編 (2分34秒)
なんとなんと、5作品すべて「家族問題」がテーマ(もしくは題材)ですよ。これ、ちょっと偏り過ぎではないの?審査に携わった人々は家族や家庭になにかトラブルでもあって家族問題に関心が高いのでしょうか。
ミステリアスな外国語映画賞部門……なぜそうなるのかと言えば、それはこの部門は作品賞のようにアカデミー会員の全員投票ではないからです。受賞を決定する投票において全員投票ではない部門は5つ。短編映画3賞(短編実写映画賞、短編アニメーション映画賞、短編ドキュメンタリー映画賞)、長編ドキュメンタリー映画賞、そして外国語映画賞です。
数十ヶ国へ出品依頼を出しそのうち65ヶ国からの出品を得て審査するのに審査方法や選出方法が万全でなく、問題点が多い部門であり、年によっては外国語映画賞部門のノミネーション結果が波紋を呼ぶこともあるのですが、この部門の問題点を継続的に指摘し話題にする人が少ないのも事実。一般観客もアカデミー会員の多くも外国語映画にさほど関心を持っていないのでしょう。小手先の規則改正はしても抜本的な改革は一向に行われません。短編映画賞部門や長編ドキュメンタリー映画賞部門においても同様のことが言えると思いますが。
さて、今年は一体どの作品が選ばれるでしょうか。
アカデミー賞外国語映画賞部門の問題点に対して継続的に関心を寄せている方もいます。 こちら
このスティーヴ・ポンド(Steve Pond)氏は今年に入ってからこの記事をはじめとして外国語映画賞関連の記事をいくつか書いています。また、この部門へ出品された65作品のうち38作品(全体の約58%)を見て、その短評を載せています。
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Biutiful ビューティフル (原題:Biutiful) (メキシコ)
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督 Alejandro González Iñárritu
ヨーロッパ映画賞
2003年 『21グラム』 インターナショナル(非ヨーロッパ)作品賞ノミネート
カンヌ国際映画祭
2006年 『バベル』 監督賞受賞
アカデミー賞
2000年 『アモーレス・ペロス』 外国語映画賞ノミネート
2006年 『バベル』 作品賞・監督賞ノミネート
(シネマトゥデイより) バルセロナを舞台に、闇社会に生きる男が末期がんで余命いくばくもないことを知り、愛する子どもたちのために精いっぱい尽くそうと奮起する……。
Biutiful -Official Trailer
籠の中の乙女 (英題:Dogtooth 原題:Kynodontas) (ギリシャ)
ヨルゴス・ランティモス監督 Giorgos Lanthimos (Yorgos Lanthimos)
カンヌ国際映画祭
2009年 『Dogtooth』 「ある視点」賞受賞
裕福な両親と暮らす3人の子供たち。彼らは「この家の外は恐ろしい場所だ」と教えられ、外界と接することを禁じられて屋敷から出ることなく育った。やがて子供たちは思春期を迎え…。
Dogtooth - Official Trailer
未来を生きる君たちへ
(英題:In a Better World/原題:Hævnen) (デンマーク)
スサンネ・ビア監督 Susanne Bier
ヨーロッパ映画賞
2005年 『ある愛の風景』 監督賞ノミネート
2006年 『アフター・ウェディング』 監督賞ノミネート
アカデミー賞
2006年 『アフター・ウェディング』 外国語映画賞ノミネート
難民キャンプで活動するため、デンマークの田舎町にある自宅とアフリカを行ったり来たりしている医師。彼には妻と二人の子供がいるが、妻とは離婚の危機にあった。夫妻の長男は学校でいじめにあっていたが、そんな彼のことを母親を病気で亡くしたばかりのロンドンからの転校生がかばうようになった。彼らは友情を深めていったが……。
In A Better World (Hævnen) - Trailer
Outside the Law (原題:Hors-la-loi) (アルジェリア)
ラシッド・ブシャール監督 Rachid Bouchareb
アカデミー賞
2006年 『デイズ・オブ・グローリー』 外国語映画賞ノミネート
第2次大戦後のフランスからの独立戦争を背景にしたアルジェリア人3兄弟のドラマ。アルジェリアで住む場所を失い、母と3人の息子達はばらばらに暮らすようになる。兄弟のうち一人はインドシナで戦っているフランス軍に加わり、一人はフランスでのアルジェリアの独立運動のリーダーになり、もう一人はクラブとボクシングホールで財を成そうとしてパリへ移る。やがて3兄弟はパリで再会する……。
Outside The Law - Trailer
灼熱の魂 Incendies (カナダ)
デニ・ヴィルヌーヴ監督 Denis Villeneuve
ベルリン国際映画祭
2001年 『渦』 国際映画批評家連盟賞受賞
カンヌ国際映画祭
2008年 『Next Floor』 Canal+賞受賞
亡くなった母親の最期の望みを叶えるため、遺された双子のきょうだいが中東への旅に出る。―母親の遺言書を預かっていた弁護士から、死んだものと思っていた彼ら双子の父親が生きていると、そして母親には彼らとは別にもうひとり子供がいた、と知らされる。さらに、母親が中東へ残してきた子供と父親を探し出し彼らに宛てた母親の手紙を手渡すことが亡くなった母親の望みであると告げられる。まだ見ぬきょうだいを、そして父親を探しにいくことになったが、それは彼らが知らされていなかった母親の過去を探ることでもあった……。
Incendies - Trailer
『灼熱の魂』 日本版予告編 (2分34秒)
なんとなんと、5作品すべて「家族問題」がテーマ(もしくは題材)ですよ。これ、ちょっと偏り過ぎではないの?審査に携わった人々は家族や家庭になにかトラブルでもあって家族問題に関心が高いのでしょうか。
ミステリアスな外国語映画賞部門……なぜそうなるのかと言えば、それはこの部門は作品賞のようにアカデミー会員の全員投票ではないからです。受賞を決定する投票において全員投票ではない部門は5つ。短編映画3賞(短編実写映画賞、短編アニメーション映画賞、短編ドキュメンタリー映画賞)、長編ドキュメンタリー映画賞、そして外国語映画賞です。
数十ヶ国へ出品依頼を出しそのうち65ヶ国からの出品を得て審査するのに審査方法や選出方法が万全でなく、問題点が多い部門であり、年によっては外国語映画賞部門のノミネーション結果が波紋を呼ぶこともあるのですが、この部門の問題点を継続的に指摘し話題にする人が少ないのも事実。一般観客もアカデミー会員の多くも外国語映画にさほど関心を持っていないのでしょう。小手先の規則改正はしても抜本的な改革は一向に行われません。短編映画賞部門や長編ドキュメンタリー映画賞部門においても同様のことが言えると思いますが。
さて、今年は一体どの作品が選ばれるでしょうか。
アカデミー賞外国語映画賞部門の問題点に対して継続的に関心を寄せている方もいます。 こちら
このスティーヴ・ポンド(Steve Pond)氏は今年に入ってからこの記事をはじめとして外国語映画賞関連の記事をいくつか書いています。また、この部門へ出品された65作品のうち38作品(全体の約58%)を見て、その短評を載せています。
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2011-02-03 21:23