2017年(第70回)カンヌ国際映画祭 併催|批評家週間 受賞結果

カンヌ国際映画祭と平行して開催された「批評家週間」(The Critics’ Week)の受賞結果が発表されました。


● 公式サイトでの発表  2017/05/26付け
Winners 2017( ttp://www.semainedelacritique.com/en/news/winners-2017 )



● Semaine de la Critique (批評家週間) 公式サイト(英語ページ)
 Semaine de la Critique


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◆【批評家週間|大賞(グランプリ)|審査員団】◆ The jury

Kleber Mendonça Filho (※ 審査員長)
(ブラジルの映画監督)


Diana Bustamante Escobar
(コロンビアの映画プロデューサー / FICCI 芸術監督)


Eric Kohn
(アメリカの映画評論家)


Hania Mroué
(レバノン「Metropolis Cinema」ディレクター)


ニールス・シュナイダー Niels Schneider
(フランス / カナダの俳優 [男優] )


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(2017年カンヌ国際映画祭 併催) 第56回 批評家週間 受賞結果
La Semaine Internationale de la Critique / Semaine de la Critique
(The International Critics’ Week / The Critics’ Week)



【長編作品】 Feature film prizes

Nespresso(ネスプレッソ) 大賞(グランプリ) Nespresso Grand Prize
※ Nespresso(ネスプレッソ)はスポンサー名。

Makala
監督|Emmanuel Gras
製作国|フランス




France 4 ヴィジョナリー賞 France 4 Visionary Award

Gabriel and the Mountain
原題|Gabriel e a montanha
監督|Fellipe Gamarano Barbosa
製作国|ブラジル / フランス




SACD賞(劇作家・監督・作曲家協会賞)
The Society of Dramatic Authors, Directors and Composers Prize(Prix SACD/SACD Prize)

Ava
監督|Léa Mysius
製作国|フランス


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【短編作品】 Short Length Films

Leica Cine ディスカバリー賞 The Sony CineAlta Discovery Award
※ Leica Cine はスポンサー名。

Los Desheredados(原題)
監督|Laura Ferrés
製作国|スペイン




カナル・プリュス(Canal+)賞 Canal+ Award
※ カナル・プリュス(Canal+)はスポンサー名。

The Best Fireworks Ever
原題|Najpiękniejsze fajerwerki ever
監督|Aleksandra Terpińska


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【その他の賞】 Other Awards

Gan基金からの配給援助 Distribution Grant from Foundation Gan

Gabriel and the Mountain
原題|Gabriel e a montanha
監督|Fellipe Gamarano Barbosa
製作国|ブラジル / フランス


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寺島しのぶ主演の平柳敦子監督長編作『Oh Lucy!』は受賞ならず……。




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2017年(第70回)カンヌ国際映画祭 併催|監督週間 受賞発表

2017年カンヌ国際映画祭と併催されていた「監督週間」の受賞結果です。



【参照記事】 
● The Hollywood Reporter 2017/05/26付け記事
Cannes: 'The Rider' Tops Directors' Fortnight Awards( ttp://www.hollywoodreporter.com/news/cannes-rider-tops-directors-fortnight-awards-1007579 )


● Screen Daily 2017/05/26付け記事
'The Rider', 'A Ciambra' among Cannes Directors’ Fortnight winners( ttp://www.screendaily.com/festivals/cannes/the-rider-a-ciambra-among-directors-fortnight-winners/5118562.article?blocktitle=LATEST-FILM-NEWS&contentID=40562 )



● The Directors' Fortnight(監督週間) 公式サイト(英語サイト)
 http://www.quinzaine-realisateurs.com/en/


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(2017年カンヌ国際映画祭 併催) 監督週間 受賞結果
Quinzaine des Réalisateurs (Directors Fortnight)



【長編作品】 Features

アート・シネマ・アワード Art Cinema Award

The Rider
監督|クロエ・ジャオ Chloe Zhao
製作国|アメリカ




SACD賞(劇作家・監督・作曲家協会賞)
Prix SACD(SACD Prize / The Society of Dramatic Authors, Directors and Composers Prize)

Lover for a Day
原題|L’Amant d’Un Jour
監督|フィリップ・ガレル Philippe Garrel
製作国|フランス



Bright Sunshine In
原題|Un Beau Soleil Interieur
監督|クレール・ドニ Claire Denis
製作国|フランス




レーベル・エウロパ・シネマズ 2017 Label Europa Cinemas 2017
(※ この賞の表彰団体は Europa Cinemas Label 。受賞作は Europa Cinemas Label からヨーロッパでの配給拡大のためのサポートを受けることになります。)

Young Lions of Gypsy
原題|A Ciambra
監督|ジョナス・カルピニャーノ Jonas Carpignano
製作国|イタリア / フランス / ドイツ


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【短編作品】 Short Film

短編映画:第一位
Premier Prix Illy for Short Filmmaking(First Prize for Short Filmmaking Illy / Illy Prize)
※ Illy はスポンサー名。

Back to Genoa City
原題|Retour à Genoa City
監督|Benoit Grimalt
製作国|フランス




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R.I.P.  ロジャー・ムーア Roger Moore(1927 - 2017)

ロジャー・ムーア Sir Roger Moore
1927年10月14日 - 2017年5月23日(満89歳没)

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イギリスの悲しいニュースが続きます。


ロジャー・ムーアは7本の007映画に出演。
ショーン・コネリーは番外編の『ネバーセイ・ネバーアゲイン』を含めると7本ですが007シリーズとしては6本なので、007シリーズではロジャー・ムーアが最多ということになります。






007/死ぬのは奴らだ(1973年)(公開年である1973年当時、46歳)
英題|Live and Let Die

Live and Let Die (1973) - Official Trailer




ペッパー保安官。
Live and Let Die (1973) |Clip|Boat Race











007/黄金銃を持つ男(1974年)
英題|The Man with the Golden Gun

The Man With The Golden Gun (1974) - Official Trailer


ペッパー保安官、再登場。



The Man With The Golden Gun (1974) |Car Stunt


すごいカースタント・シーンなのですが、果たしてこのシーン、
こういう扱われ方でいいのかどうか……
評価が分かれるところなのではないかと想像しますが。










ロジャー・ムーア時代の007映画ではこれが一番好き。

007/私を愛したスパイ(1977年)
英題|The Spy Who Loved Me

The Spy Who Loved Me (1977) - Official Trailer




007映画史に残る名シーン。

The Spy Who Loved Me (1977) |Clip "Skiing Opening Scene"




007映画でこういうバカっぽいこと、またやって欲しい。

The Spy Who Loved Me (1977) |Clip "Submarine Car"











007/ムーンレイカー(1979年)
英題|Moonraker

Moonraker (1979) - Official Trailer


ジョーズ、再登場。



Moonraker (1979) |Clip "5tone Close Encounters of the Third kind"


ロジャー・ムーア時代の007映画はおふざけが多い。



Moonraker (1979) |Clip "Space laser fight scene"


スパイ映画を超越した007映画



Moonraker (1979) |Clip "Ending & End Credit"


ロジャー・ムーア時代のボンドは「据え膳食わぬは男の恥」とばかりに
隙あらば女性とベッドインしていたという印象が強いです……










007/ユア・アイズ・オンリー(1981年)
英題|For Your Eyes Only

For Your Eyes Only (1981) - Official Trailer


1980年にアメリカ・レークプラシッドで冬季オリンピックが開催されたせいか
スキーのジャンプ台やボブスレーが登場してきます。



『女王陛下の007』で登場した奥さんのことを忘れてなかったボンド。
そして猫を抱いたあの人も……

For Your Eyes Only (1981) |Clip "Helicopter Drop-off"


奥さんの事、無かったこととして進行していたので、
ここで触れてくれて嬉しかった。 ― ヘリの操縦技術が素晴らしい。



For Your Eyes Only (1981) |Clip "Ski Chase"


この頃の007映画のスキー・シーン撮影、すごい。
スキー・シーンもまた撮って欲しいな。










007/オクトパシー(1983年)
英題|Octopussy

Octopussy (1983) - Trailer




Octopussy (1983)|Clip "Missile"











007/美しき獲物たち(1985年)(公開当時、58歳)
英題|A View to a Kill

A View to a Kill (1985) - Trailer


強烈キャラのグレース・ジョーンズと敵役クリストファー・ウォーケン。










007映画以外のロジャー・ムーア出演作はこれしか見ていないのです……


北海ハイジャック(1980年)
英題|North Sea Hijack
別英題|ffolkes

FFolkes (North Sea Hijack) (1979) - Trailer


出演|ロジャー・ムーア
   ジェームズ・メイソン
   アンソニー・パーキンス
   マイケル・パークス 他




楽しい映画をたくさんありがとうございました。
ご冥福をお祈りいたします。



2017年(第70回)カンヌ国際映画祭|審査員

2017年(第70回)カンヌ国際映画祭は現地日付けで2017年5月17日から5月28日まで開催される予定。



■ 公式サイトでの発表
(2017/04/17付け)
The 70th Festival de Cannes Jury unveiled!( ttp://www.festival-cannes.com/en/infos-communiques/communique/articles/the-70th-festival-de-cannes-jury-unveiled )

(2017/05/14付け)
After the Presidents … All the Juries( ttp://www.festival-cannes.com/en/infos-communiques/communique/articles/after-the-presidents-all-the-juries )



● カンヌ国際映画祭 公式サイト (英語版)
 http://www.festival-cannes.com/en/


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【2017年(第70回)カンヌ国際映画祭|審査員】
2017 Cannes Film Festival / Festival de Cannes 2017|Juries



コンペティション部門 competition

ペドロ・アルモドバル Pedro Almodóvar (※ 審査員長)
(スペインの映画監督 / 脚本家)



ジェシカ・チャステイン Jessica Chastain
(アメリカの女優 / プロデューサー)



ウィル・スミス Will Smith
(アメリカの俳優 [男優] )



ファン・ビンビン Fan Bingbing
(中国の女優)



パオロ・ソレンティーノ Paolo Sorrentino
(イタリアの映画監督)



マーレン・アデ Maren Ade
(ドイツの映画監督)



アニエス・ジャウィ Agnès Jaoui
(フランスの女優 / 映画監督)



パク・チャヌク Park Chan-wook
(韓国の映画監督)



ガブリエル・ヤーレ(ガブリエル・ヤレド) Gabriel Yared
(レバノン・ベイルート出身のフランスの作曲家)





ある視点部門 Un Certain Regard

ユマ・サーマン Uma Thurman (※ 審査員長)
(アメリカの女優)



モハメド・ディアブ Mohamed Diab
(エジプトの映画監督)



レダ・カテブ Reda Kateb
(フランスの俳優 [男優] )



ヨハヒム・ラフォース Joachim Lafosse
(ベルギーの映画監督)



カレル・オフ Karel Och
(カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 アーティスティック・ディレクター|チェコ共和国)





シネフォンダシヨン部門&短編映画部門 Cinéfondation and short films

クリスティアン・ムンジウ Cristian Mungiu (※ 審査員長)
(ルーマニアの映画監督)



クロチルド・エム Clotilde Hesme
(フランスの女優)



バリー・ジェンキンス Barry Jenkins
(アメリカの映画監督 / 脚本家)



エリック・クー Eric Khoo
(シンガポールの映画監督 / 脚本家 / プロデューサー)



アティナ・ラヒル・ツァンガリ Athina Rachel Tsangari
(ギリシャの映画監督 / 脚本家 / プロデューサー)





カメラドール Caméra d'or

サンドリーヌ・キベルラン Sandrine Kiberlain (※ 審査員長)
(フランスの女優)



パトリック・ブロシェ Patrick Blossier (AFC)
(フランスの撮影監督 [シネマトグラファー] )



エロディ・ブシェーズ Elodie Bouchez
(フランスの女優)



ギヨーム・ブラック Guillaume Brac (SRF)
(フランスの映画監督 / プロデューサー)



ティボー・カートレット Thibault Carterot (FICAM)
(President M141 [M141 Films] |フランス)



Fabien Gaffez (SFCC)
(フランスの作家 / 映画評論家)



ミヒェル・メルクト Michel Merkt
(スイスのプロデューサー)


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全部門の全審査員の名が発表されるのがとても遅かったですね。例の「ネットフリックス問題」でバタバタしたからでしょうか。カメラドールの審査員はほとんどフランス人ですね。

日本の映画人もカンヌ国際映画祭のこういう審査員を務められるくらいの人もたくさんいらっしゃるはずなんですが、選出されないのはやはり語学の問題なのかなあ。映画について英語で直接討論できる語学力が必要だろうし。コンペ部門やある視点部門へ選出され受賞している監督がいるのに。残念。もったいない。




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カンヌ国際映画祭 コンペティション部門|2018年からはフランス国内の映画館での上映予定のある作品のみに

フランスでは劇場公開作品が3年ものあいだ定額制動画配信サービスで鑑賞出来ないとは!



webDICE  2017年5月13日付け記事
Netflix 対 カンヌ国際映画祭、来年からは映画館での上映予定のある作品だけに( ttp://www.webdice.jp/dice/detail/5400/ )

フランスでは、映画館を守るためにウインドウ期間の厳密な規制があり、Netflixのような定額制動画配信サービス(SVOD)は、劇場公開後36ヵ月=3年後でないと配信できない。Netflixが制作した2作はこの条件を満たしていないためだ。同社がこの2作をフランスで限定的に劇場公開するのではないかとも報じられていたが、今回の発表で、映画祭側とNetflix側がその合意に達しなかったことが明らかになった。今回の規定変更は2018年より実施されるため、この『オクジャ』と『The Meyerowitz Stories』が出品を取りやめになることはない。しかし来年からは、劇場公開よりも全世界配信を優先するNetflixの作品は、実質的にコンペに出品できなくなる

「コンペティション部門」には選出されなくなるが「ある視点部門」へは選出可能なのか?どうなんでしょうかね?





ネットフリックス側もカンヌ映画祭側の要求を一方的にはねつけたというわけではなさそう。


Varietyの11日の報道でフランス映画庁は、Netflixが3年間のウインドウ規制免除のために、インディペンデント作品を配給するTHE JOKERS FILMSと交渉し、『オクジャ』を1週間に最大6回上映することを検討していたと明らかにした。しかしこれは実現しなかったため、現在NetflixとTHE JOKERS FILMSは、『オクジャ』の配信が開始される6月28日に、自主上映を行う劇場で同時公開することを計画しているという。こうした自主上映は、フランスのウインドウ規制の適用外となっている。

他の国際映画祭はどういう方針を出すのか? 特にベネチア国際映画祭はどうするのか? 「うちはネットフリックスはじめ動画配信サービス会社製作の作品だってOKですよ」と言えば「じゃあカンヌはやめてベネチアへ出そうかな……」ってことになるかもしれないから、低迷 / 規模縮小傾向と言われるベネチア国際映画祭にとってはチャンス!

アマゾンは今のところ「劇場公開後36ヵ月間は配信できない」という決まり事を守っているそうだし、そうなるとカンヌのコンペ入りを狙いたいフィルムメーカーはネットフリックスではなくアマゾンなど他の配信会社へ企画を持ち込むようになるかもしれないし、そうなると良い企画を他社へ持っていかれる可能性も出てくるネットフリックスとてどこまでカンヌを拒めるか? あくまでも強気で臨むのか?


(2018/08/31追記)
ベネチア映画祭はNetflixを差別しない!カンヌ騒動にも言及( ttps://www.cinematoday.jp/news/N0094095 )

現地時間30日、第74回ベネチア国際映画祭にて審査員会見が行われ、今年5月にNetflix作品がコンペティション部門に選出され物議をかもしたフランスのカンヌ国際映画祭とは違い、Netflix作品がコンペティション部門に選出されなかったことについて、本映画祭ディレクターのアルバート・バルベーラが語った。 (中略) バルベーラは2015年にNetflix作品『ビースト・オブ・ノー・ネーション』がコンペティション部門に選ばれていたことに触れながら、「2年前は、誰も何も言わなかった」と口を開く。 (中略) バルベーラは「あのような規制は他の国にはない」と、フランスには映画館を守るためにNetflixなどのオンラインストリーミングサービスでの映画配信が劇場公開後36か月経たないとできない厳密な規制があることを引き合いにだし、カンヌの大論争が特殊なケースであったことを指摘。 (中略) 「NetflixやAmazonは現在、映画製作や配給において大きな役割を担うようになっています。もし、(マーティン・)スコセッシやコーエン兄弟のような、監督たちが彼らと働くと決めたなら、単純に劇場公開されていないからという理由だけで、映画祭のディレクターがそれらの映画を差別する理由が私にはわかりません」と言い切り、今年こそ出品はなかったものの、劇場公開されていない作品もコンペティション部門に選出していく姿勢を見せた。

ベネチアがカンヌに追随したらサイテーだなっと思っていたけれど、やっぱりそうきますよね。





映画配給会社ワイルド・バンチの副社長のヴィンセント・マラヴァル氏も「私だったらヴズール(東フランスの小さな地方都市)の単館映画館で上映するだろう。フランスの配給会社がよくカナル・プリュス(有料民間テレビ局)からの資金援助を得るためだけにするようにね」とNetflixの方針について言及。「問題は、この法律がインターネットと海賊行為が起こる前に制定されたということ。映画業界は新しい社会の状況に対応することを拒んでいる」と、今回のNetflixとカンヌと劇場公開の問題が、現在の社会の動きに対応できていないフランス映画界のシステム上の矛盾を露呈させたと発言した。

「フランスでは公的補助金制度も充実している」と大変善きこととして喧伝されていますが、補助金で作られる映画の公開実態は「(補助なり資金援助を受けるために)ごく小規模で劇場公開する」に留まり、”劇場公開作品という看板を掲げているものの映画館ではほぼ鑑賞されていない” ということですかね。

「フランスにおいては劇場公開作品は3年間、定額制動画配信サービスで鑑賞出来ない」となるとその間に海賊版が出回ってしまうということですね。海賊版を減らすには「正規版を適正価格で出来る限り早く世に出す」のが一番ですから。配信サービスでは3年待たされるけれどDVDやブルーレイなどディスクの販売やレンタルは可能なんでしょうかね?

フランスでも人口の少ない地方では映画館だって少ないでしょうし公開作品も限定されてくるでしょう。そんな中で、劇場公開作品が3年ものあいだ定額制動画配信サービスで鑑賞出来ないというのはフランスの観客にとってはかなりの不利益になっているのでは? フランス国内の映画館数がどの程度なのか、またDVDやブルーレイなどディスクのレンタル環境がどうなっているのかは分かりませんが、今のこの時代に動画配信サービスでの公開を3年も待たされるとは。

この問題をきっかけにフランス国内の映画鑑賞環境の(一般観客側からみての)不備が露わになる感じです。カンヌ帰りのフィルムメーカーは「フランスの制度は素晴らしい」しか言わないもんなあ。作り手側 / ”映画館での鑑賞” 至上主義の人 / 映画館がたくさんある都会住みの人 にとってはいいかもしれないけど、そうじゃない人にとってはけっこうキツイんじゃないの?







ここまでアートハウス系映画やインディペンデント映画を保護しているフランスで、一般の映画観客はそれにどう応えているかといえば……


BoxOffice mojo.com  2016年フランス劇場興行収入ランキング
(正確には、フランスに加えアルジェリア等数か国ぶんを合算した劇場興行収入ランキング)
France and Algeria, Monaco, Morocco and Tunisia Yearly Box Office(2016)


見ていただくと分かる通り、上位はアメリカ・ハリウッドのブロックバスター映画が並んでいます。7位『レヴェナント: 蘇えりし者』は内容的にはアートシネマ・タイプの作品ですね。ただし配給会社はFOXですから大手です。フランス国産映画も上位に食い込んでいますが、それらはコメディ映画もしくはコメディ寄りのドラマ映画です。小規模タイプのアートハウス系映画の最上位は49位のグザヴィエ・ドラン監督作『たかが世界の終わり』となります。(アメリカドルで $7,689,552 の興行収入|約8億円:1ドル113円見当) フランスの人口は約6,699万人(2017年1月現在) 日本は1億2,686万人ですから、フランスの人口は日本の約2分の1程度です。



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