産経新聞 2012年7月6日付け記事より|「外国映画のタイトル、邦題と宣伝のポイントとは?」

タイトル 分かりやすく観客に響く 「崖っぷちの男」一般の人に受けると確信 (産経新聞 2012年07月06日付け記事)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/120706/ent12070609010007-n1.htm

確かに『崖っぷちの男』は良い邦題です。ビルの外の縁ぎりぎりに立っていて"崖っぷち"っぽいし、こういう状況に置かれているというのは「この男が人生の崖っぷち状態にある」ってことだろうしね。


題名の珍しさで目を引いたのは、2月に公開された「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」。配給したワーナー・ブラザース映画マーケティング本部の林直樹さんは「『パパにさよなら言う前に』など100個くらい考えた結果、原作本の邦題と同じ原題の直訳に決まった」と明かす。東京・丸の内ピカデリーによると、チケット売り場では「ものすごく何とか1枚」「(主演の)トム・ハンクス2枚」などと言って購入するケースが目立ったという。

『パパにさよなら言う前に』……そんな気持ち悪い邦題にならなくてよかった。ただ、原作本が先に出版されていて(結果として)原作と同じタイトルに揃えることになっただけであることを指摘しないこの記事はちょっとどうかと思う。



この記事の中で取り上げられた作品は

 崖っぷちの男 ………………… 配給|ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
 TIME タイム ………………… 配給|20世紀フォックス
 クーリエ 過去を運ぶ男 …… 配給|日活(宣伝協力|太秦)
 ものすごくうるさくて、ありえないほど近い …… 配給|ワーナー・ブラザース

大手や老舗ばかり。取り上げる配給会社に偏りがあります。




失敗邦題や不評邦題には触れないの? たとえば……


"動物園を買った"という原題の持つインパクトを捨て、凡庸極まりない邦題にした(しかも「幸せへの」なのか「幸せ」なのか、覚えにくい)
We Bought a Zoo → 幸せへのキセキ  配給|20世紀フォックス





邦題自体がなんと作品のネタバレになっている(邦題を耳で聞くと「少年は残酷な夢を見る」に聞こえてしまうという点でも失敗な)

We Need To Talk About Kevin → 少年は残酷な弓を射る  配給|クロックワークス





副題、長すぎ。というか、副題、要らない。長い副題のせいで第一作目と第二作目の区別が付きにくい。

「ハングオーバー」シリーズ  配給|ワーナー・ブラザース
Hangover → ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い
The Hangover Part II → ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える





シェークスピアの戯曲「コリオレイナス」が原作なのに、「英雄の~」という邦題が付いてる既存作品と混同されるにちがいないようなタイトルをわざわざ付けた

Coriolanus → 英雄の証明  配給|プレシディオ



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