今年の俳優4部門 ― 2014年度(第87回)アカデミー賞 ―

2014年度は助演男優賞以外の3部門は昨年度より平均年齢が若くなっています。そしてマリオン・コティヤール以外はアメリカ人とイギリス人。(指摘されている通り)白人ばかりです。イギリス俳優も多め。主演男優賞部門にレイフ・ファインズかデヴィッド・オイェロウォが入れば半数以上がイギリス男優で占められる……というところでした。



【主演男優賞】 (5人の平均年齢:45歳)  (昨年度の平均年齢:47歳)

スティーヴ・カレル Steve Carell (52歳/アメリカ)
作品|フォックスキャッチャー
英題|Foxcatcher



ブラッドリー・クーパー Bradley Cooper (39歳/アメリカ)
作品|アメリカン・スナイパー
英題|American Sniper



ベネディクト・カンバーバッチ Benedict Cumberbatch (38歳/イギリス)
作品|イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
英題|The Imitation Game



マイケル・キートン Michael Keaton (63歳/アメリカ)
作品|バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
英題|Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
   (短縮バージョンの英題)Birdman



エディ・レッドメイン Eddie Redmayne (33歳/イギリス)
作品|博士と彼女のセオリー
英題|The Theory of Everything


落選組
ジェイク・ギレンホール Jake Gyllenhaal (34歳)
作品|ナイトクローラー
英題|Nightcrawler

デヴィッド・オイェロウォ David Oyelowo (38歳)
作品|グローリー/明日(あす)への行進
英題|Selma

レイフ・ファインズ Ralph Fiennes (52歳)
作品|グランド・ブダペスト・ホテル
英題|The Grand Budapest Hotel


ブラッドリー・クーパーは、2012年度『世界にひとつのプレイブック』(主演男優賞)→2013年度『アメリカン・ハッスル』(助演男優賞)→2014年度『アメリカン・スナイパー』(主演男優賞)と3年連続ノミネート。『アメリカン・スナイパー』のプロデューサーとしてもノミネートされているので2014年度は2部門ノミネートされています。

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【主演女優賞】 (5人の平均年齢:39.4歳) (昨年度の平均年齢:55歳)

マリオン・コティヤール Marion Cotillard (39歳/フランス)
作品|サンドラの週末
英題|Two Days, One Night
原題|Deux jours, une nuit



フェリシティ・ジョーンズ Felicity Jones (31歳/イギリス)
作品|博士と彼女のセオリー
英題|The Theory of Everything



ジュリアン・ムーア Julianne Moore (54歳/アメリカ)
作品|アリスのままで
英題|Still Alice



ロザムンド・パイク Rosamund Pike (35歳/イギリス)
作品|ゴーン・ガール
英題|Gone Girl



リース・ウィザースプーン Reese Witherspoon (38歳/アメリカ)
作品|わたしに会うまでの1600キロ
英題|Wild


落選組
エイミー・アダムス Amy Adams (40歳)
作品|ビッグ・アイズ
英題|Big Eyes

ジェニファー・アニストン Jennifer Aniston (45歳)
作品|Cake ケーキ ~悲しみが通り過ぎるまで~
英題|Cake


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【助演男優賞】 (5人の平均年齢:56歳) (昨年度の平均年齢:34.8歳)

ロバート・デュバル Robert Duvall (84歳/アメリカ)
作品|ジャッジ 裁かれる判事
英題|The Judge

※ ロバート・デュバルは助演男優賞部門史上、最高齢(84歳)のノミニー。



イーサン・ホーク Ethan Hawke (44歳/アメリカ)
作品|6才のボクが、大人になるまで。
英題|Boyhood



エドワード・ノートン Edward Norton (45歳/アメリカ)
作品|バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
英題|Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
   (短縮バージョンの英題)Birdman



マーク・ラファロ Mark Ruffalo (47歳/アメリカ)
作品|フォックスキャッチャー
英題|Foxcatcher



J・K・シモンズ J.K. Simmons (60歳/アメリカ)
作品|セッション
英題|Whiplash


落選組
ジョシュ・ブローリン Josh Brolin (46歳)
作品|インヒアレント・ヴァイス
英題|Inherent Vice

トム・ウィルキンソン Tom Wilkinson (66歳)
作品|グローリー/明日(あす)への行進
英題|Selma


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【助演女優賞】 (5人の平均年齢:42.6歳) (昨年度の平均年齢:44歳)

パトリシア・アークエット Patricia Arquette (46歳/アメリカ)
作品|6才のボクが、大人になるまで。
英題|Boyhood



ローラ・ダーン Laura Dern (47歳/アメリカ)
作品|わたしに会うまでの1600キロ
英題|Wild



キーラ・ナイトレイ Keira Knightley (29歳/イギリス)
作品|イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
英題|The Imitation Game



エマ・ストーン Emma Stone (26歳/アメリカ)
作品|バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
英題|Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
   (短縮バージョンの英題)Birdman



メリル・ストリープ Meryl Streep (65歳/アメリカ)
作品|イントゥ・ザ・ウッズ
英題|Into the Woods



落選組
レネ・ルッソ Rene Russo (60歳)
作品|ナイトクローラー
英題|Nightcrawler

ジェシカ・チャステイン Jessica Chastain (37歳)
作品|アメリカン・ドリーマー 理想の代償
英題|A Most Violent Year

ナオミ・ワッツ Naomi Watts (46歳)
作品|ヴィンセントが教えてくれたこと
英題|St. Vincent


2014年度の助演女優賞には ”(功労賞的)超高齢者枠” の発動が無かった。60歳台では超高齢者とは言えないし。それにメリル・ストリープの場合は ”メリル・ストリープ枠” ってことだと思うし。主演であれ助演であれ、ストリープ先生が映画に出演する限り毎年、”メリル・ストリープ枠” は発動する。(たぶん)


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2010年度(第83回)
主演男優賞 (5人の平均年齢:42.2歳)
主演女優賞 (5人の平均年齢:34.8歳)
助演男優賞 (5人の平均年齢:45.6歳)
助演女優賞 (5人の平均年齢:41.4歳)



2011年度(第84回)
主演男優賞 (5人の平均年齢:47.6歳)
主演女優賞 (5人の平均年齢:45.8歳)
助演男優賞 (5人の平均年齢:62.2歳)
助演女優賞 (5人の平均年齢:39.4歳)



2012年度(第85回)
主演男優賞 (5人の平均年齢:46.2歳)
主演女優賞 (5人の平均年齢:38.2歳)
助演男優賞 (5人の平均年齢:62.8歳)
助演女優賞 (5人の平均年齢:49.6歳)



2013年度(第86回)
主演男優賞 (5人の平均年齢:47歳)
主演女優賞 (5人の平均年齢:55歳)
助演男優賞 (5人の平均年齢:34.8歳)
助演女優賞 (5人の平均年齢:44歳)



2014年度(第87回)
主演男優賞 (5人の平均年齢:45歳)
主演女優賞 (5人の平均年齢:39.4歳)
助演男優賞 (5人の平均年齢:56歳)
助演女優賞 (5人の平均年齢:42.6歳)


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【俳優賞4部門のノミニー5人の平均年齢】


主演男優賞
42.2歳  2010年度(第83回)
47.6歳  2011年度(第84回)
46.2歳  2012年度(第85回)
47歳   2013年度(第86回)
45歳   2014年度(第87回)

主演男優賞部門は平均40歳台。それでほぼ固定されていると言ってもいいくらい。




主演女優賞
34.8歳  2010年度(第83回)
45.8歳  2011年度(第84回)
38.2歳  2012年度(第85回)
55歳   2013年度(第86回)
39.4歳  2014年度(第87回)

主演女優賞部門になると、年によって多少ばらつきが出てくる。けれど、主演男優賞より約10歳若い30歳台が平均になることが多い。男優より女優のほうが若さが尊ばれるということ。世間一般にみても男性より女性のほうが若さが取沙汰されることが多いし、俳優においても状況は同じということですね。




助演男優賞
45.6歳  2010年度(第83回)
62.2歳  2011年度(第84回)
62.8歳  2012年度(第85回)
34.8歳  2013年度(第86回)
56歳   2014年度(第87回)

この部門も年によって多少ばらつきがあるけれど、平均年齢がかなり高齢になるケースも多々ある。脇へまわったベテラン高齢男優へ高評価が集まりやすい傾向がある。(2013年度は珍しく30代俳優たちを中心に高評価が集まった。2013年度助演男優賞ノミニーの最高齢は42歳。20代の俳優もノミネートされたし、若手女優には優しいが若手男優に厳しいアカデミーにしては珍しい結果。)




助演女優賞
41.4歳  2010年度(第83回)
39.4歳  2011年度(第84回)
49.6歳  2012年度(第85回)
44歳   2013年度(第86回)
42.6歳  2014年度(第87回)

助演女優賞部門の平均値は40歳台。功労賞的に超高齢者が入賞してくるケースもあるけれど逆にキャリアの浅い若い女優があっさりノミネートされるケースもこれまた多い。で、平均すると40歳台……ということに。


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Reuters.co.jp(ロイター) 2015年01月16日付け
米アカデミー賞候補発表、「白人色強い」とネットで不満の声

候補者発表からわずか数分後にツイッターには、主要部門の候補者に有色人種や女性がまったくいないことに対する不満が数多く投稿され、アカデミー賞の多様性についての議論が白熱した。監督部門と脚本部門にノミネートされたのは全て男性。今年の4つの演技部門で候補にあがった20人の中に有色人種の俳優はひとりもいなかった。ここ数年で「最も白人色の強い(the whitest)」アカデミー賞との声もきかれた。



AFPBB News  2015年02月22日付け記事
アカデミー賞、演技部門候補は白人のみ 授賞式当日に抗議行動へ

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California Los Angeles、UCLA)のアフリカ系米国人研究センター長で、「ハリウッド・ディバーシティー・リポート」(The Hollywood Diversity Report)」の著者としても知られるダーネル・ハント(Darnell Hunt)氏は、ハリウッドは間違った方向に進んでいると話す。数週間のうちに新しいリポートを出版する予定のハント氏は、映画芸術科学アカデミーはメンバーの93%が白人で、70%が男性、そして平均年齢は63歳だと指摘する。ハント氏は、「米国はどんどん多様化しているというのに、アカデミーはいろいろな意味で過去に取り残されている」と言う。「今後20~30年で米国の人口の過半数を人種的少数派が占めるようになるのに、アカデミー賞を決める人々の90%が白人というのは納得できない」


これは黒人だけの問題ではなく、つまりは非白人種とそして女性も少ない、ということ。だから黒人団体だけでなく非白人種(アジア系/ヒスパニック系)団体や女性団体と共闘したほうが大きな運動になるのでは。一挙に是正は出来ないでしょうが10年以内には白人占拠率や男性占拠率がもっと下がり平均年齢もせめて50代後半にまで下がってきて欲しいと思います。そうすることによってノミネートされる作品も様変わりしてくるでしょうし。

(同じことは日本アカデミー賞はじめ日本の映画賞にも言えること。日本の映画賞は特に選者の平均年齢をなんとかして下げないと。選者の平均年齢が米国アカデミー賞の平均年齢62~63歳を大幅に上回っている日本の映画賞がいっぱいある。「2月下旬 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号」に載っている”キネマ旬報ベスト・テン”へ投票している選者たちの顔写真を見てみたらいい。彼らの年齢ははっきりわからないけれど、平均したらたぶん相当の高齢ですぞ。)



2014年度アカデミー賞|(ノミネート発表の時点で)作品賞ノミネート数が拡大されて以降、作品賞ノミネート作品の合計興行収入額が最も低い年となる|Box Office Mojoより

(2015/03/04 追記)

映画.com  2015年3月4日付け記事
アカデミー賞効果で受賞作品の全米興行が好調

作品賞を含む4冠に輝いた「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」は前週と比較して25%の伸びを記録し、興行成績は4,028万ドルに到達。ジュリアン・ムーアが主演女優賞を受賞した「アリスのままで」は24%アップで、興行成績1,200万ドルとなった。エディ・レッドメインが主演男優賞を受賞した「博士と彼女のセオリー」は17%アップの3,505万ドル、J・K・シモンズが助演男優賞を受賞した「セッション」は19%アップのトータル1,226万ドルとなった。


Box Office Mojo が2015年1月15日付けで出した『バードマン あるいは』の興行予測(40億円/1㌦100円換算|120円換算だと48億円)を超えてきました。ノミネートにとどまらずに受賞したことで上乗せがあったということでしょうか。



Deadline の元記事はこちら。
Oscar's Halo At The Box Office: 'Birdman', 'Still Alice' & More Shine(2015/03/01付け)

DVDの発売が始まっている作品もありますがどの作品も劇場での上映は続いていて、アカデミー賞効果で上映関数は拡大されているようです。『セッション』もノミネート発表のあった週に567館まで拡大し、その後上映館数は微減したものの授賞式後は再び増え、現在538館。3月1日現在、15億円弱(1㌦120円換算)の興収。 『博士と彼女のセオリー』も3月1日現在の興収は42億円(1㌦120円換算)まできています。劇場での売り上げの好調さはDVDの販売や配信での売り上げへも繋がっていき、そちらでも良い結果が出るのではないかとの見通し。 なお、アメリカの人口は日本の人口の約2.5倍。

また記事によると、若い観客層が脚色賞を受賞したグレアム・ムーアの受賞スピーチに感銘を受け『イミテーション・ゲーム』を見に行っている、とのこと。

3月1日現在、2014年度のアメリカ国内興行収入1位は『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』で2位は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で3位が『アメリカン・スナイパー』ですが、今の推移では『アメリカン・スナイパー』が『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』を抜き2014年度アメリカ国内興行収入のトップに立つのではないかと記事内では予測されています。日本でも売り上げ好調のようです。

また、外国語映画賞部門の作品も売り上げアップしているようで、受賞を逃した4作品も興収を伸ばしているとのこと。


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(2015/01/19 記)


Box Office Mojo  2015年01月15日付け
Lowest-Grossing Best Picture Nominees Since Category Expansion
<作品賞部門のノミニーが(最大10作品にまで)広がるようになって以来、作品賞ノミネート作品の興行収入合計が最も低い年となる>



今まで最も低かったのは2011年度(作品賞受賞が『アーティスト』の年)だそうですが、2014年度は8作品の合計がそれより低いそうです。8作品の合計が$203.1 million(203億円/1ドル100円換算)、2011年度の9作品の合計は(ノミネーション発表前までに) $519 million(509億円/1ドル100円換算)の興行収入があったとのこと。 今までの最低記録だった興収の半分以下。ノミネート作の合計興行収入の最低記録を大幅に更新した、ということになります。

公開を急遽繰り上げ、わずか1~2ヶ月余りで、夏からずっと『アビエーター』で鉄板と言われていた情勢を一気に逆転させ受賞まで果たした2004年度の『ミリオンダラー・ベイビー』以降、アカデミー賞作品賞は映画批評家の嗜好寄りの傾向を強めました。それから10年経ち、いよいよその傾向が極まったのが2014年度であった、そんな気がします。

劇場上映継続中の作品賞ノミネート作品はどれもノミネート発表後の週末には興行収入を増やしています。2014年度作品賞ノミネート作品の興収が発表後の週末に大きく伸びているということは、アメリカ国内でも発表前までにノミネート8作品を見ていなかったという人がいかに多く居るか、ということでもあります。

加えて、アカデミー賞ノミネート効果が興収となってはっきりと表れるというのはアメリカの観客がアカデミー賞に対して一定の信頼感を持っているという証拠でもあるでしょう。また、アカデミー会員たちの判断が妥当であるのかどうかを我が目で確かめようと寒い時期であるにも関わらず映画館へ足を運ぶ人々が大勢いるということはアメリカ国民がアカデミー賞という映画賞と映画そのものへ高い関心を保持していることを示しているとも言えるでしょう。国内がそういう状況にあるというのは羨ましくもあります。




【2014年度(第87回)アカデミー賞作品賞ノミネート8作品の北米での興行収入】
※ 興行収入の数字は上記記事内(Box Office Mojo)のもの。つまりノミネーション発表前の数字です

※ アメリカの人口は日本の人口の約2.5倍。



アメリカン・スナイパー
英題:American Sniper
北米公開:2014年12月25日(限定公開)
     2015年01月16日(拡大公開開始)
興行収入(北米):約3.3億円(1ドル100円換算)
※ ただし、3.3億円はたった4館での売り上げ。1館当たりに換算すると驚異的。1月16日から公開館数は全米3,555館にまで拡大。

※ なお、『アメリカン・スナイパー』は拡大公開へ入った1月第三週の週末に、なんと $90.2 million(約90億円強 / 1ドル100円換算)という驚きの興行収入をあげ、ノミネート8作品のうちダントツ1位の興行収入となりました。今後、クリント・イーストウッド監督作品で最も興行収入の高い作品になるのではないか、という見込みが立てられているようです。

限定公開のみで作品賞ノミネートを果たしたこと(よほど良い作品なのだろうという期待が高まる&どれほど良いのか自分で確かめたいという気持ちになる)/人気度の高いブラッドリー・クーパーが主演男優賞へサプライズ入賞したこと/クリント・イーストウッド監督作としてはひさかたぶりの作品賞部門ノミネート/作品賞のみならず主要部門へも入っていること(有力作品のひとつと捉えられた)/実話もの映画であること/全米各地で広く公開された(限定公開のように焦らされるということもなく地方でも見れる)、等で単純なオスカー入賞効果以上の宣伝力を発揮したもよう。週末100億円弱、って……いやはや。

(追記)爆発的ヒットを受けて「『アメリカン・スナイパー』の作品賞受賞もあるのでは?」という話がすでに出てきています。2012年度の『アルゴ』の時と同様に、今回、イーストウッドが監督賞にノミネートされていないことで逆に作品賞へ票が集まりやすくなり受賞へ有利に働くのでは?という推測も。もしも逆転受賞したらまさに10年前と同じ。さて、<『ミリオンダラー・ベイビー』、再び>になるか!? 7月公開の『6才のボクが、大人になるまで。』、ここまでフロントランナーとして半年以上突っ走り続けてきてわずか1~2ヶ月で大逆転されたら……12年かけて撮った映画が撮影開始からわずか半年あまりで編集まで済ましちゃった映画に賞レース終盤の1~2ヶ月で逆転されるとか、そんなの、ちょっと可哀想。 (2015/03/04 追記)でも結局、別の作品に逆転されちゃったんだけどね。 (2016/05/24 追記) 『アメリカン・スナイパー』、やっと鑑賞。 こういう感じだとアカデミー賞作品賞は獲れないな。 / 観客ウケした理由はよく分かった。観客ひとりひとりが好きなように(=自分にとって最も心地いいように)捉えることが出来る映画になっている。この人物をどう捉えるかを観客側に丸投げしちゃっている映画だもんねえ。実在した人物を「一応モデルとしてエピソード等は使用したけれど、あくまでも架空の人物として描きました」とせずに実名を使って伝記映画として作る/カイル氏の遺族と入念に打ち合わせをして作るとなると、「観客が個人個人で好きなように考えてください」と客側へ丸投げする恰好でしか作りようがなかったのだろうけど……。




シネマトゥデイ  2015年1月27日付け記事
『アメリカン・スナイパー』興収240億円超え!イーストウッド監督史上最大のヒット作に【全米ボックスオフィス考】
先週末(1月23日~1月25日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、拡大公開2週目となるクリント・イーストウッド監督最新作『アメリカン・スナイパー』が興行収入6,462万8,304ドル(約77億5,539万6,480円)を稼ぎ出し、首位をキープした。前週比ではわずか27.6%ダウン。8,000万ドル(約96億円)以上のオープニング興収を記録した作品としては、最高の保持率となっている。(数字はBox Office Mojo調べ、1ドル120円計算) 映画『アメリカン・スナイパー』は、ブラッドリー・クーパー製作・主演で、アメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれたクリス・カイルの自叙伝を実写化したドラマ。25日までの累計興収は2億40万417ドル(約240億4,805万40円)に達し、早くも2008年の『グラン・トリノ』(累計興収1億4,809万5,302ドル・約177億7,143万6,240円)を抜いて、イーストウッド監督のキャリア最大のヒット作となった。

2015/02/17現在、$307,158,000(365億円 / 1ドル118円換算)。 全興行収入の78.2%がアメリカ国内での売り上げ。 ― ここまで売れると逆に受賞は難しい……かもね。もうすでに(結局)2強状態に収斂されてきたし。




グランド・ブダペスト・ホテル
英題:The Grand Budapest Hotel
北米公開:2014年03月07日(限定公開)
     2014年03月28日(拡大公開開始)
興行収入(北米):約59.1億円(1ドル100円換算)
※ 『グランド・ブダペスト・ホテル』は、ウェス・アンダーソン作品の中で最も興行収入が高い作品、とのこと。




イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
英題:The Imitation Game
北米公開:2014年11月28日(限定公開)
     2014年12月25日(拡大公開開始)
興行収入(北米):約42億円(1ドル100円換算)
※ 入賞効果により、最終的には100億円(1ドル100円換算)に達するのではないかとの予測。




バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
英題:Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
北米公開:2014年10月17日(限定公開)
     2014年11月14日(拡大公開開始)
興行収入(北米):約26.5億円(1ドル100円換算)
※ 入賞効果により、最終的には40億円(1ドル100円換算)に達するのではないかとの予測。




博士と彼女のセオリー
英題:The Theory of Everything
北米公開:2014年11月07日(限定公開)
     2014年11月26日(拡大公開開始)
興行収入(北米):約26.1億円(1ドル100円換算)
※ 入賞効果により、最終的には40億円(1ドル100円換算)に達するのではないかとの予測。




6才のボクが、大人になるまで。
英題:Boyhood
北米公開:2014年07月11日(限定公開)
     2014年08月15日(拡大公開開始)
興行収入(北米):約25億円(1ドル100円換算)




グローリー/明日(あす)への行進
英題:Selma
北米公開:2014年12月25日(限定公開)
     2015年01月09日(拡大公開開始)
興行収入(北米):約15.6億円(1ドル100円換算)
※ 入賞効果により、最終的には40億円(1ドル100円換算)に達するのではないかとの予測。 
(2015/03/04 追記)『Selma』の全米興収は2015年03月01日時点で約50億円強(1㌦100円換算)。 すでにMojoの予測を超えています。





セッション
英題:Whiplash
北米公開:2014年10月10日(限定公開)
興行収入(北米):約6億円(1ドル100円換算)




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