R.I.P.  Philip Seymour Hoffman フィリップ・シーモア・ホフマン (1967 – 2014)

ひどいよ、こんな亡くなり方。46歳だよ。なんでだよ。子供さんも3人もいるっていうじゃないか。






シネマトゥデイ 2014年02月03日付け
フィリップ・シーモア・ホフマンさんが46歳で死去 薬物過剰摂取の疑い
フィリップさんは若いころから物質乱用で治療を受けており、最初にリハビリ施設に入ったのはニューヨーク大学を卒業した1989年だった。フィリップさんは2011年のThe Guardian紙に「あの頃はひどかった。若さにまかせて、とにかくすごい量を飲んでいたからやめたんだ。適当な量を飲むことになんて興味はない。今でもそう思う。時間がたったからといって、あれは人生のそういう段階だったというわけではない。俺がそういう人間なんだ」と語っていた。2012年には薬物依存で再びリハビリ施設に入所していた。











50包のヘロインって……ここまでの中毒になってしまうと治す方法は無いってことなんだろうか……





米ニューヨークは70~80年代にかけて「ヘロインの都」でもあった。それに先駆ける60年代には、ニューヨーク出身のミュージシャン、故ルー・リード(Lou Reed)が当時のバンド、ベルベット・アンダーグラウンド(Velvet Underground)のまさに「ヘロイン」と題する曲で「キリストの息子になったような気にさせられる」ドラッグだと歌った。しかし市当局の取り締まり強化に加え、80年代にはヘロイン注射の回し打ちが後天性免疫不全症候群(エイズ、HIV/AIDS)の流行を拡大する一因となったことから、ヘロイン使用は確実に死を招くとして「タブー」となった。ところが近年、状況が再び変わってきているとDEAは指摘する。背景にはメキシコでのヘロイン生産や密輸の増加、アヘン系の処方鎮痛剤で薬物依存に陥った人たちが低価格のヘロインに手を出していることなどがある。 俳優のホフマンさんも昨年、米芸能情報サイト「TMZ」に対し、処方鎮痛剤を使用した後、20年間使っていなかったヘロインに再びはまってしまったと告白していた。「ヘロインは死だ」とモーゼス報道官は警告する。「良いヘロインとか、悪いヘロインとか、そんなものは一切ない。不幸にも、そのことを皆がつくづく思い知るために、1人の才能ある俳優の命が犠牲となって奪われた。ここ数年間、ヘロイン常用者が増え続けていることは分かっていたのに、だ」

一旦は止めていたんですね。20年間も止めていた。なのに……。処方鎮痛剤からヘロインへ移行するというのはどういうことなんだろう。処方鎮痛薬が効かないほどの痛み?処方薬にも中毒性があって、より強い中毒性(陶酔感?)を求めてしまいその先にヘロインがあるということか?




MovieWalker 2014年2月4日付け
フィリップ・シーモア・ホフマン、「ドラッグをやめろ」とヒース・レジャーを説得していた
若き日にドラッグ依存症を克服し、23年間ドラッグを断っていたシーモア・ホフマンは、昨年から再びヘロインや処方薬を使用するようになっていた。5月には自らリハビリ施設に入院したが、14年間も苦楽を共にしたパートナーであり、彼の3人の子どもたちの母親でもあるミミ・オドネルと破局すると、彼のヘロイン乱用は歯止めがきかなくなっていったという。 <中略> 「ヒース(=ヒース・レジャー)は、フィリップが救おうとした数多くの友人たちの1人だった。ドラッグやアルコールの依存症で苦しんでいる人が彼を頼って来ると、フィリップはいくらでも時間をかけて辛抱強く付き合った。フィリップはAA(アルコホーリクス・アノニマス)の活動にも熱心だったので、ヒースのスタッフが『彼にアルコールをやめさせるのを手伝って欲しい』と言ってきた時には、迷わず要請に応えた。ヒースとフィリップは長年の友人だった。フィリップは何時間もヒースと話をし、カウンセラーのように『ドラッグではなく人生を選ぶんだ』と説得していた」と関係者が語っていると英紙デイリー・メイルが伝えている。

ヒース・レジャーは2008年1月22日に逝去。




心臓に負担がかかりそうな体型だし仕事も忙しそうだしお酒も飲むだろうしそれにもういい年(中年)だから、古くはJ・T・ウォルシュ、最近ではジェームズ・ガンドルフィーニの例もあることだしフィリップ・シーモア・ホフマンは循環器系大丈夫なのかと常に気にかかっていた。だからお風呂で見つかったというのを聞いて最初は「ああ、酒飲んで風呂入ったのか」と思ったのですが、そうじゃなくてそっちなのか!…と。

こんなにがっかりするニュースもない……今収録済みの作品以外にもうフィリップ・シーモア・ホフマンの新作は見れないのか。IMDbによると遺作は『ハンガー・ゲーム』の第3作目のパート2(The Hunger Games: Mockingjay – Part 2)ってことになる。フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作が『ハンガー・ゲーム』なのか……。 売れて有名になってからもインディペンデント映画に出続けていた。ブロックバスター映画で稼いで小ぶりなインディ系映画へ出演していたホフマンを失うのは米インディペンデント映画界にとっても大きな損失だと思う。

フィリップ・シーモア・ホフマン出演作でまだ見ていない作品もたくさんあるし見ていても記憶の彼方に行ってしまっているのもあるし、そういうのを見るよ。…でも、ああ、ひどいよ、まだ若いじゃないか。

こうしてフィルモグラフィーを見ていても「よりによってなんでこんなのに出ているんだろう」というケースは少ないなあと感じる。(これは誰のフィルモグラフィーでも同じだけれど)勿論大傑作揃いというわけでもないかもしれないけれどなにかしら見どころのある作品が多く、充実している。でもこのタイトなフィルモグラフィーを見るとちょっと仕事し過ぎだったのかもしれないなと思う。



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最初から巧かった。

セント・オブ・ウーマン/夢の香り(1992年)
Movie Clip: "Frank Defends Charlie in Court" scene - from "Scent of a Woman"(1992)
フィリップ・シーモア・ホフマンは0:55あたりにちらっとしか映りませんけど。







リプリー(1999年)
Movie Clip: "Peeping Tom" scene - from "The Talented Mr. Ripley"






フローレス(1999年)
2000年度(第6回)アメリカ映画俳優組合賞 主演男優賞 ノミネート
Flawless (1999) - Trailer







映画.com 2014年2月6日付け
「あの頃ペニー・レインと」C・クロウ監督、フィリップ・シーモア・ホフマンを追悼
映画終盤の名シーンのひとつが、バンドのツアー同行記を書きあぐねたウィリアムが、レスターに電話をかけるシーン。 <中略> クロウ監督は、「PSH」のタイトルをつけた追悼文のなかで、このシーンについて「私の当初の解釈では、このシーンはレスター・バングスが深夜に自分の信条をまくしたて、叱咤激励するようなイメージだった。ところが、フィルの手にかかったことで、まったく異なるものになった」と回想する。「それは、ともに岐路に立ち、傷つき、夜更かしをしているふたりの男が、静かな真実を共有する姿だった。そして、このシーンが映画の魂になった。テイクの合間、ホフマンは誰とも話そうとしなかった。彼はずっと、ヘッドホンから聞こえるレスター本人のインタビューの言葉に耳を傾けていた。このシーンの撮影が終わったとき、私はホフマンが魔法のような手品を成功させたことに気づいた。セリフや脚本を超えて、ほとんどの人が知らない、本当のレスターの魂と思いやりの心を引き出したことに。その瞬間、レスター・バンクス像は完全なものになった。クルーも私も、この天才の営みを最前列で目撃できたことに、永遠に感謝しつづけるだろう」。 ちなみに、レスター・バングス本人も薬物の過剰摂取により、33歳の若さで、ニューヨークで亡くなっている。

ここ↑で言及されているシーンはこちら↓

あの頃ペニー・レインと (2000年)
Movie Clip: "Because we're uncool" scene - from "Almost Famous"







ポリーmy love (2004年)
フィリップ・シーモア・ホフマンが演じたサンディの登場シーンばかりを集めたクリップ。これ、マシ・オカさんも出演(金の王冠をかぶっているアジア人)していたんですね。
Movie Clip: Sandy Lyle - from "Along Came Polly"


この作品でのフィリップ・シーモア・ホフマンの演技が好き。






カポーティ(2005年)
2005年度(第78回)アカデミー賞 主演男優賞 受賞
Capote - Trailer






2005年(第78回)アカデミー賞授賞式 主演男優賞受賞&受賞スピーチ・シーン
Philip Seymour Hoffman winning Best Actor
(YouTube 公式 Oscars チャンネルより)


2005年(第78回)アカデミー賞 主演男優賞
★フィリップ・シーモア・ホフマン  カポーティ
 テレンス・ハワード        ハッスル&フロウ
 ヒース・レジャー         ブロークバック・マウンテン
 ホアキン・フェニックス      ウォーク・ザ・ライン/君につづく道
 デヴィッド・ストラザーン     グッドナイト&グッドラック
この年のノミニーのうち、もう二人もこの世に居ない…しかも二人ともオーバードースで。(ヒース・レジャーは処方薬の複数併用からくる過剰摂取による急性薬物中毒ですが。)





その土曜日、7時58分(2007年)
Before the Devil Knows You're Dead - Trailer






チャーリー・ウィルソンズ・ウォー(2007年)
2007年度(第80回)アカデミー賞 助演男優賞 ノミネート
Movie Clip: "Bugging the Scotch" scene - from "Charlie Wilson's War"





ダウト ~あるカトリック学校で~(2008年)
2008年度(第81回)アカデミー賞 助演男優賞 ノミネート
Movie Clip: ”I Will Do What Needs to Be Done” scene - from "Doubt" (2008)






ザ・マスター(2012年)
2012年(第69回)ベネチア国際映画祭 ヴォルピ杯男優賞 受賞
2012年度(第85回)アカデミー賞 助演男優賞 ノミネート
Movie Clip: Philip Seymour Hoffman's confrontation scene of The Cause - from "The Master" (2012)




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【2014年2月以降の公開作】


God's Pocket (2014) - Official Trailer #1 (2分23秒)
北米公開:2014年05月09日






『誰よりも狙われた男』(2014年) 日本版予告編
英題:A Most Wanted Man
北米公開:2014年07月25日
日本公開:2014年10月17日






『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』(2014年)
英題:The Hunger Games: Mockingjay - Part 1

The Hunger Games: Mockingjay - Part 1|Official Teaser Trailer #1
北米公開:2014年11月21日
日本公開:2015年6月予定







『ハンガー・ゲーム FINAL: レボリューション』(2015年)
英題:The Hunger Games: Mockingjay - Part 2
北米公開:2015年11月20日(予定)
日本公開:2015年 冬予定


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MOVIECLIPS(http://movieclips.com/)製作

Philip Seymour Hoffman Tribute Video



Philip Seymour Hoffman|filmography
IMDb http://www.imdb.com/name/nm0000450/







Ben Zuk さん製作

A Tribute to Philip Seymour Hoffman






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