2011年度アメリカ美術監督組合賞 ノミネーション発表

今回は珍しく、アニメーション作品からの入賞がありました。

【参照記事】  AwardsDaily  2012 Art Directors Guild nominees

2011年度アメリカ美術監督組合賞授賞式は(現地時間で)2012年02月04日の予定です

● アメリカ美術監督組合 公式サイト(トップページ) Art Directors Guild

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2011年度(第16回)アメリカ美術監督組合賞ノミネーション発表
(The Art Directors Guild Awards/ADG Awards)
(映画部門のみ)

ピリオド(=時代劇・時代物) Period Film  
ローレンス・ベネット Laurence Bennett
(アーティスト The Artist)

ダンテ・フェレッティ Dante Ferretti
(ヒューゴの不思議な発明 Hugo)

マーク・リッカー Mark Ricker 
(ヘルプ 心がつなぐストーリー The Help)

セバスチャン・T・クラウィンケル Sebastian Krawinkel  
(Anonymous)

マリア・ジャーコヴィク Maria Djurkovic
(裏切りのサーカス Tinker, Tailor, Soldier, Spy)


ファンタジー Fantasy Film
スチュアート・クレイグ Stuart Craig
(ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2 Harry Potter and the Deathly Hallows: Part 2)

リック・ハインリクス Rick Heinrichs
(キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー Captain America: The First Avenger)

キム・シンクレア Kim Sinclair
(タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 The Adventures of Tintin)

ジョン・マイヤー John Myhre
(パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉 Pirates of the Caribbean: On Stranger Tides)

スコット・チャンブリス Scott Chambliss
(カウボーイ&エイリアン Cowboys & Aliens)


コンテンポラリー(=現代劇・現代物) Contemporary Film
ドナルド・グレアム・バート Donald Graham Burt  
(ドラゴン・タトゥーの女 The Girl With the Dragon Tattoo) 

ジェーン・アン・スチュワート Jane Anne Stewart
(ファミリー・ツリー The Descendants) 

K・K・バレット K.K. Barrett
(ものすごくうるさくて、ありえないほど近い Extremely Loud and Incredibly Close)

ベス・マイクル Beth Mickle
(ドライヴ Drive)

ジェファーソン・セイジ Jefferson Sage
(ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン Bridesmaids)


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有望視されていたけれど落選した、主な作品

『戦火の馬』(リック・カーター)

『J・エドガー』(ジェームズ・J・ムラカミ)

『A Dangerous Method』(ジェームズ・マカティア)

『ジェーン・エア』(ウィル・ヒューズ=ジョーンズ)

『ツリー・オブ・ライフ』(ジャック・フィスク)

『ミッドナイト・イン・パリ』(アン・セイベル)

『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』(サラ・グリーンウッド)

『マイティ・ソー』(ボー・ウェルチ)


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アメリカ美術監督組合賞はプロダクション・デザイナーが表彰されますが、アカデミー賞美術賞では通常、プロダクション・デザイナーとセット装飾担当(Set Decorator)が表彰されます。

アカデミー賞美術賞部門は時代劇が有利で、コンテンポラリー作品から入賞するのはなかなか厳しいのが現実。2011年度も、ピリオド部門とファンタジー部門からノミネートする作品で占められることになると思われます。今回のアメリカ美術監督組合賞コンテンンポラリー部門からノミネートをする可能性が最も高そうなのは、『ドラゴン・タトゥーの女』でしょうか。

美術監督組合賞ノミネートを逃しアカデミー賞で逆転入賞するというのは…ちょっと難しそうです。もし逆転があるとすれば、『戦火の馬』 『J・エドガー』 『シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム』あたりでしょうか。


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2011アカデミー賞作品賞:アカデミー会員たちは最大で5作品へ投票

アカデミー賞の投票用紙は2011年12月27日付けでアカデミー会員たちに向けて発送されています。「12月に数多く行われる会員向けの試写会に行ったり、送付されてきたスクリーナーを年末年始の休暇中に見て投票用紙に記入する」というのが会員たちの恒例のようです。投票用紙返送の締め切りは01月13日ですが、ぎりぎりまで投函せずに居る人は少なく、年明けすぐに投函を済ましてしまう会員が大多数だそうです。

ということで、多くのアカデミー会員が投票用紙を年末・年頭に初めて広げてみたということになっているようですが、いざ広げてみたら作品賞への投票欄が5枠しかなくて、「5作品しか記入できないようになっているけれど、本当にこれでいいのか?印刷ミスじゃないの?」という問い合わせが何件があったとのこと。ルールが徹底されていなかったのです。私も、会員たちは今まで通り10作品を選ぶのだ、と思っていました。


【参照記事】  AwardsDaily
Gold Derby Posts Ballot for Best Picture (投票用紙の写真付き)


会員たちは最大で5作品しか選べないのです。(ただし、5作品選ぶ必要はないそうです。、例えば、良いと思うものが3作品しかなければ3作品のみ記入して返送すればいいらしい。) 作品を選んで記入する際には自分が良いと思う順に順位を付けます。一番良いと思う作品をNo.1の欄へ記入、二番目に良いと思うものをNo.2の欄へ記入、ということですね。


会員たちは(最大で)5作品を選ぶ。でもノミネート作品として選出されるのは、5作品以上10作品以下。となると、どうなるんでしょ?特定の作品に投票が集中するのか?たとえ投票がバラけたとしても、会員が第一位に指名した率5.0%以上の作品(アカデミー会員は5800名ほどらしいので、おおよそ300名程度が第一位指名すればその作品はノミネート出来る、と言われています。)のみが入賞するのだから結局落選する作品が多くなるだけで選ばれる作品数は少なめ、ということ?どうなるのかなあ。



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2011年度アメリカ製作者組合賞 ノミネーション発表

アカデミー賞作品賞ノミネーション予想にとって最重要と言っていい、アメリカ製作者組合賞ノミネーションの発表がありました。アメリカ製作者組合賞作品賞は昨年度同様10作品がノミネートされています。


【参照記事】 AwardsDaily  2011 Producers Guild Nominees!


2011年度アメリカ製作者組合賞授賞式は (現地時間で)2012年01月21日の予定です。

● アメリカ製作者組合 公式サイト(トップページ)  The Producers Guild of America

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2011年度アメリカ製作者組合賞 ノミネーション発表
(The Producers Guild of America Awards/PGA Awards)
(TV部門は省略します)

【作品賞】
● アーティスト The Artist
  <監督:ミシェル・アザナヴィシウス Michel Hazanavicius>
  (配給:ワインスタイン・カンパニー)
  製作:Thomas Langmann


● Bridesmaids
  <監督:ポール・フェイグ Paul Feig>
  (配給:ユニバーサル・ピクチャーズ)
  製作:Judd Apatow, Barry Mendel, Clayton Townsend


● ファミリー・ツリー The Descendants
  <監督:アレクサンダー・ペイン Alexander Payne>
  (配給:フォックス・サーチライト・ピクチャーズ)
  製作:Jim Burke, Alexander Payne, Jim Taylor


● ドラゴン・タトゥーの女 The Girl With the Dragon Tattoo 
  <監督:デヴィッド・フィンチャー  David Fincher>
  (配給:コロンビア・ピクチャーズ)
  製作: Ceán Chaffin, Scott Rudin


● ヘルプ 心がつなぐストーリー The Help
  <監督:テイト・テイラー Tate Taylor> 
  (配給:ウォルト・ディズニー・モーション・ピクチャーズ)
  製作:Michael Barnathan, Chris Columbus, Brunson Green


● ヒューゴの不思議な発明 Hugo 
  <監督:マーティン・スコセッシ Martin Scorsese>
  (配給:パラマウント・ピクチャーズ)
  製作:Graham King, Martin Scorsese


● スーパー・チューズデー 正義を売った日 The Ides of March
  <監督:ジョージ・クルーニー George Clooney>
  (配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント)
  製作:George Clooney, Grant Heslov, Brian Oliver


● ミッドナイト・イン・パリ Midnight in Paris
  <監督:ウディ・アレン Woody Allen>
  (配給:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス)
  製作:Letty Aronson, Stephen Tenenbaum


● マネーボール Moneyball
  <監督:ベネット・ミラー Bennett Miller>
  (配給:コロンビア・ピクチャーズ)
  製作: Michael De Luca, Rachael Horovitz, Brad Pitt


● 戦火の馬 War Horse
  <監督:スティーヴン・スピルバーグ Steven Spielberg> 
  (配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ / タッチストーン・ピクチャーズ)
  製作:Kathleen Kennedy, Steven Spielberg




『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』 『ドライヴ』 『ツリー・オブ・ライフ』 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 『裏切りのサーカス』 『ヤング≒アダルト』 『SHAME シェイム』 は落選。

『ドライヴ』『ツリー・オブ・ライフ』『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』の落選・『スーパー・チューズデー 正義を売った日』の入賞はちょっとしたサプライズと捉えられているようです。確かに、売り上げ絶好調・作品評価自体も悪くなかった『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』が製作者組合賞で落選したのは驚きです。アカデミー賞作品賞へノミネートは厳しいけれど製作者組合賞ならノミネートの可能性大だったのに…。『Bridesmaids』が入賞という結果も製作者組合賞なら「アリ」です。2011年度のワーナー・ブラザースは、賞レースでの頑張りを期待した作品が評価を伸ばせずずっこけてしまい、製作者組合賞も『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』がノミネートを逃すことになりました。賞レースにおいては残念な年となりそうです。

『スーパー・チューズデー 正義を売った日』と『ドラゴン・タトゥーの女』は、アカデミー賞作品賞への入賞はちょっと厳しいかも…とみられていましたが、ノミネートの可能性は消えてはいないということでしょう。逆に、『ドライヴ』 『ツリー・オブ・ライフ』 『裏切りのサーカス』 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 『ヤング≒アダルト』はノミネートは厳しくなったとみるのが妥当でしょう。とはいえ、『ドライヴ』 『ツリー・オブ・ライフ』等作家性の強い作品は今年のルールなら逆転入賞の可能性は残されているような気もするのですが…どうでしょうか。



【アニメーション映画賞】
〔昨年度(=2010年度)は3作品、一昨年(=2009年度)は5作品がノミネートされました〕
● タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密
  The Adventures of Tintin
  製作:Peter Jackson, Kathleen Kennedy, Steven Spielberg

● カーズ2
  Cars 2
  製作:Denise Ream

● カンフー・パンダ2
  Kung Fu Panda 2
  製作:Melissa Cobb

● 長ぐつをはいたネコ
  Puss in Boots
  製作:Joe M. Aguilar, Latifa Ouaou

● ランゴ
  Rango
  製作:John B. Carls, Gore Verbinski


『アーサー・クリスマスの大冒険』 『ブルー 初めての空へ』 『くまのプーさん』 『ハッピー フィート2 踊るペンギンレスキュー隊』 は落選。ダメダメな評価が出ている『カーズ2』がここでは入賞。売り上げはよかったということでしょうか。― (追記)『カーズ2』はアニメ作品の中では北米での劇場売り上げが最も良かった作品、のようですね。だからここでは評価されたということでしょう。そうすると、ますます『ハリポタ』が何故落選しちゃったのだろうか…と腑に落ちない感じがしますけど、ま、こういうこともある、ってことですね。



なお、ドキュメンタリー部門は12月に発表になっています。


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