2012アカデミー賞外国語映画賞:アルジェリアからの出品作が決定

アルジェリア代表作は2012年トロント国際映画祭コンテンポラリー・ワールド・シネマ部門に選出された Saïd Ould Khelifa 監督作『Zabana!』に決まりました。


フランス支配からの独立を目指して起こったアルジェリア戦争(1954年~1962年)の闘士であったアフメド・ザバナ(Ahmed Zabana)の伝記もの映画。

アフメド・ザバナは1956年05月19日にギロチンにより処刑されました。アルジェリア戦争に関する博物館「アフメド・ザバナ・国立記念館(Ahmed Zabana National Museum)」や多目的スタジアム「スタッド・ アフメド・ザバナ(Stade Ahmed Zabana)」に国民的英雄のザバナを記念して名が付けられています。



アルジェリアは断続的ではありますがこれまでに15回出品し、受賞1回(1969年度|コンスタンタン・コスタ=ガヴラス監督作『Z』)、4回ノミネートをしています。(2000年以降に限っても2回もノミネート) 出品回数からしてみればかなりの高確率です。



アルジェリアからの出品作
Zabana!
監督|Saïd Ould Khelifa


IMDb|Zabana!
http://www.imdb.com/title/tt2379344/



Zabana! - Trailer


日本映画よりよほどハイレベル(……な感じがする)。役者も国際的知名度のある人は出ていませんがそれぞれに実在感もあるし演技の質も悪くなさそう。アルジェリアは毎年必ず出品してくるわけではありませんが、出してくるものはモダンでそれなりに高品質。




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2012アカデミー賞外国語映画賞:ペルーからの出品作が決定

ペルー代表作は2011年ベルリン国際映画祭 ジェネレーション Kplus 部門へ選出された Rosario García-Montero 監督作『The Bad Intentions(英題)』に決まりました。


ペルーは1967年度より断続的に出品。2009年度にクラウディア・リョサ監督作『悲しみのミルク』が同部門へノミネートしています。



ペルーからの出品作
The Bad Intentions(2011年)
原題|Las Malas Intenciones
監督|Rosario García-Montero


IMDb|Las malas intenciones
http://www.imdb.com/title/tt1696181/




Las Malas Intenciones (2011) - Trailer(英語字幕付き)



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ペルーは最終選考に残った6作品(うち、アニメーション作品が2作品)のショートリストを発表していました。最終選考に残っていた作品は以下のとおり。

 
  ・ The Bad Intentions

  ・ Cielo oscuro

  ・ El buen Pedro and Reshinn

  ・ sangre de anaconda

  ・ Lars y el misterio del portal(アニメーション作品)
 
  ・ Los ilusionautas(アニメーション作品)




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2012アカデミー賞外国語映画賞:トルコからの出品作が決定

トルコ代表作は2012年モントリオール世界映画祭最優秀作品賞(=グランプリ)と同映画祭併設の国際批評家連盟賞の2賞を受賞した Ismail Gunes 監督作『Where The Fire Burns(英題)』に決まりました。


トルコは、1999年度より毎年出品(それ以前は断続的に)していますが、2008年度にヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作『スリー・モンキーズ』が「選考最終選考に残る9作品」入りをしたのみ。ここのところノミネート有力作とみられるような作品を出品してきているのですが落選の憂き目をみています。



トルコからの出品作
Where The Fire Burns
原題|Atesin düstügü yer
監督|Ismail Günes(Ismail Gunes)


IMDb|Atesin düstügü yer
http://www.imdb.com/title/tt2207439/




Ateşin Düştüğü Yer (Atesin düstügü yer) - Trailer


寂しげな作品……。周囲の厳格な倫理観によって抹殺されそうな若い娘の物語のようですが。




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2012アカデミー賞外国語映画賞:台湾からの出品作が決定(『光にふれる』)

台湾の代表作は2012年東京国際映画祭 アジアの風 - 中東パノラマ部門でも上映予定のチャン・ロンジー監督作『光にふれる』に決まりました。


台湾は2000年度にアン・リー監督作『グリーン・デスティニー』でアカデミー賞外国語映画賞部門を受賞、ノミネート2回。(どちらもアン・リー監督作)

昨年度(2011年度)も「最終選考に残る作品」入りをしています。



台湾からの出品作
光にふれる
英題|Touch of the Light
原題|逆光飛翔 / Ni guang fei xiang
監督|チャン・ロンジー(張榮吉) Chang Jung-Chi


IMDb|Ni guang fei xiang(Touch of the Light)
http://www.imdb.com/title/tt2368920/


(2012年東京国際映画祭の作品紹介より)視覚障害の天才少年ピアニストが、ダンサー志望のチエ(サンドリーナ・ピンナ)と出会って夢に向かう。盲目のピアニスト、ホアン・ユィシアン(黄裕翔)が本名のまま「ユィシアン」を演じる。台北映画祭で最優秀主演女優賞と観客賞をダブル受賞。/目が不自由なユィシアンは希望や情熱をピアノにのせて表現する非凡な才能を持っている。その才能を磨くため、それまで支えてくれた家族のもとを離れて都会に住み、音楽大学に通い始める。そんなある日、ダンサーをめざしながら挫折しかかっているシャオジエに出会う。ユィシアンと交流するうちにシャオジエに前向きな気持ちが芽生え、やがて彼女はダンスの国際コンクールに挑戦する。ユィシアンもまた仲間たちと夢に向かって飛翔していく…。盲目の天才ピアニストとして知られ、日本公演もおこなっているホアン・ユィシアンが本名のままユィシアンを演じている。シャオジエ役のサンドリーナ・ピンナは『ヤンヤン』(TIFF09出品)などの人気女優。チャン・ロンジー監督は『ぼくのフットボールの夏』(06)で台湾金馬奨最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した俊英。本作は短編“The End of the Tunnel”(黒天)(08)をもとに長編化した作品である。




Touch of the Light (逆光飛翔) - Official Trailer





映画『光にふれる』予告編





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2012アカデミー賞外国語映画賞:イラン、代表作出品せず(ボイコット)

昨年度(2011年度)、アスガー・ファルハディ監督作『別離』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞したイランですが、今年度は代表作を出品しないことになりました。


9月24日にイランのアカデミー賞外国語映画賞 代表作品選定委員会は同国の代表作として『花嫁と角砂糖』(英題|A Cube of Sugar)を選出したと発表。

しかし同日、イラン政府はアカデミー賞外国語映画賞イラン代表作の選定委員会に対し ”アメリカ映画芸術アカデミーが Youtube 上に登場した反イスラム映画『イノセンス・オブ・ムスリム(The Innocence of Muslims)』を非難しない限りアカデミー賞参加をボイコットするように” と要求しました。その後の報道では、イラン文化大臣 Mohammad Hosseini 氏はアカデミー賞をボイコットすることを確認したとされています。



【参考記事】The Washington Post  2012年09月24日付け記事
Iran minister says his country will boycott 2013 Oscars in wake of anti-Islam film




イラン代表作として出品予定だった作品
花嫁と角砂糖 (←2011年〔第12回〕NHKアジア・フィルム・フェスティバルでの邦題)
英題|A Cube of Sugar
原題|Ye habe ghand
監督|レザ・ミルキャリミ Reza Mirkarimi


IMDb|Ye habe ghand
http://www.imdb.com/title/tt1846445/


(第12回NHKアジア・フィルム・フェスティバルでの作品紹介より)【物語】砂漠近くのイランの古都。静かで平和に暮らす家庭がにわかに騒々しくなる。末娘パサンドの結婚準備が始まったのだ。外国に住む新郎は不在のままだが、姉たちと家族は祝いの宴をしつらえるのに大忙し。親戚が大勢集まってくるが、皆さまざまな事情を抱えている。そんな中、予想もしなかったある事態がおこり状況は一変。イランの人々の日常と非日常が展開していく。多くの登場人物の会話と心理を丁寧に描写していくストーリーとカメラワークが見どころ。/2006年の第7回NHKアジア・フィルム・フェスティバルで上映され評判を呼んだ「こんなに近く、こんなに遠く」のレザ・ミルキャリミ監督最新作。イランでは2011年10月12日に劇場公開され、大ヒットした。




A Cube of Sugar - Trailer






【関連記事】AFPBB News 2012年09月20日付け記事

中東激怒の反イスラム映画、関係者に迫る危険 俳優らは「だまされた」
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2901940/9539299



【関連記事】AFPBB News 2012年09月28日付け記事

反イスラム映画製作者、過去事件の保釈条件違反で拘束
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2904333/9545304?blog=sonet




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